売れたい恋愛小説家の手紙
前略
愛しの君へ
青天の霹靂だった
雲一つない青空に突然雨雲が立ちこめ豪雨になるようなそんな感覚だ
君からの結婚の報告
僕は物書き志望だ
僕は君との幸せな結婚生活を思い
血涙を滴り堕としながら小説を書いてきた
それは結婚生活にはお金が必要であり好きと思う感情だけでは無理だからである
大金はいらぬが
君を喜ばすだけのお金があればよかった
お金は人を簡単に喜ばす事ができる
自分自身で贅沢したい事はない
自慢ではないが借金をした事がない
ギャンブルはしない
車もキャッシュで買った
食べ物お金で苦労した経験がない
欲しいと望んだ物は女性以外なら手にしてきた
結婚は墓場だとわかってる
でも僕は一人の女を愛すというこの無理ゲーをクリアしたかった
僕は一生を米にするか麺にするかパンにするかを選んだ
でも米も食べたいし麺も食べたいしパンも食べたい
でも君を選んだ
今その夢が崩れた
好きな人が結婚してしまう
これ以上の悲劇があるだろうか
僕は妄想していた
僕ら二人の将来を
僕ら二人の子どもを
理性では僕が子を持つ事は否定している
でも
本能では僕は子を持つ事を肯定してしまう
我が子の
初めてのハイハイ
初めての言葉
初めての平仮名
初めての学校
初めての旅行
初めての携帯
初めての恋愛
初めての孫
我が子の初めてを
僕自身も親として味わいたかった
デートもたくさんしたかった
君と
行きたかったライブ
行きたかったドライブ
行きたかったカラオケ
行きたかったカフェ
行きたかった買い物
行きたかった海外旅行
行きたかったレストラン
行きたかった受賞式
君とのデート
過ごしたかった何気ない日常
・短歌
あゝなぜに
マリッジブルーに
我もなる
恋した君が
忘れられらず
無情にも
刻は流れて
留まらず
我が頬涙
無限に溢れ
でも今は
祝福言葉
言えないよ
君が余計に
きれいなるから
夢願う
愛には金が
必要さ
幸せ暮らし
円満人生
もう君に
愛しているが
届かない
月が隠れて
僕には見えず
・七言律詩
必要夢将来幸福
必須財結婚願望
不月見愛情消散
生憎雨運命悪戯
(将来の幸福の為に夢が必要
結婚を望むなら財力は必須
愛情は消えた月が見えないから
運命の悪戯生憎の雨空)
君がこれを読んでいるという事は僕はもう遠い場所にいる
最後にこの詩を君に贈ろう
・詩
『I love youの伝え方』
月がきれいですねが
I love youというのなら
雨の夜なら
雨模様もまたきれいですね
雪の夜なら
雪の結晶もまたきれいですね
今伝えたい
愛してる
でも言えないよ
愛してる
貴方を貴方を貴方を求めて
私は私は私は輝く
月がきれいですねが
I love youというのなら
曇り空なら
雲はこの気持ちを知っているかなぁ
台風夜なら
風はこの気持ち表してるなぁ
でも伝えたい
愛してる
でも言えないよ
愛してる
貴方を貴方を貴方を愛して
私は私は私は幸せ
貴方を余りに好きだから
好きの言葉を飲み込んだ
私には今宵の月が見えません
なぜならば心に雨が降っているから
……
もう会わないよ
もう会えないよ
草々
了




