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転生したおじさん、いきなり放り込まれた戦場で生き延びたい  作者: なごやかたろう
皇国の中心に忍び寄る仮面

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第5話 仮面の潜伏者の手がかり――“教皇の侍従”と“2年後の違和感”

シャーリーの告白を聞き終えた後、来賓室には重い沈黙が落ちていた。

ラース、セシリア、シャーリー。

3人とも、互いの顔を見つめながら、

“同じ死”と“同じループ”を共有しているという現実を噛みしめていた。

その沈黙を破ったのは、セシリアだった。


「……シャーリー。あなたが感じた“違和感”について、詳しく教えて」


シャーリーは小さく頷き、慎重に言葉を選びながら話し始めた。


「まず……教皇の侍従です」


シャーリーの声は震えていなかった。

むしろ、確信を持った者の声だった。


「今日の懇親会で、教皇のすぐ後ろに控えていた侍従……

 あの人から、妙な違和感を感じました」


ラースは眉を寄せる。


「違和感……?」

「はい。視線の動きが不自然で……

 まるで“誰かを探している”ような、そんな感じでした」


セシリアが息を呑む。


「……仮面の者が、“次の標的”を探していた可能性があるということね」


ラースの胸に冷たいものが走る。


(皇国の中心に……仮面の者が潜んでいる)



シャーリーは続けた。


「そして……前のループで、今から2年後のことです」


ラースとセシリアは身を乗り出した。


「その頃、私は“聖女”として任務に就いていました。

 レオンさんやミリアさんと一緒に、

 教皇からの指示で各地を回っていたんです」


ラースは息を呑む。


(レオンたちがまだ生きていた頃……)


シャーリーは続けた。


「その時の教皇……今思い返すと、少し違和感がありました」


セシリアが問いかける。


「どんな違和感?」

「言葉遣い、視線、雰囲気……

 “同じ人なのに、別人のように感じた”んです」


ラースの心臓が強く脈打つ。


(……それは)

「……成り代わられていた可能性がある、ということか」


シャーリーは静かに頷いた。

「はい。あの時の教皇は……“本物”ではなかったのかもしれません」


セシリアは震える声で呟いた。


「つまり……これから2年以内に、

 教皇が仮面の者に殺され、成り代わられる可能性がある……」


ラースは拳を握りしめた。

(皇国の宗教中枢が……乗っ取られる)



シャーリーは2人を見つめ、静かに言った。


「……記憶を持っているのは、

 ラースさん、セシリア様、そして私。この3人だけ、みたいです」


セシリアは深く息を吸い、ラースの手を握った。


「ラース……わたくしたちは、本当に……運命共同体なのね」


ラースはその手を握り返す。


「ええ。仮面の者に対抗できるのは……記憶を持つ俺たちだけです」


シャーリーも微笑んだ。


「だから……一緒に戦いましょう。今度こそ、誰も失わないために」


3人の視線が重なった。

その瞬間、“ループの真実”と“仮面の脅威”に立ち向かう新たな同盟が結ばれた。

皇国の夜は静かだったが、その静けさの奥には、確実に“嵐”が近づいていた。

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