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最終決戦  作者: 一宮 沙耶
第5章 最終決戦

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22/28

2話 ミサイル攻撃

殺人バグに次々と政府要人が殺されたというニュースに日本中が暗雲に包まれる。

この事態に何もできないことに、自分を責めることしかできない自分が悔しかった。

そんな中、坂上さんがデマを流しているとの批判は続き、研究所は閉鎖される。


そんな研究所に設置された防犯カメラから1人の男性が浮かび上がった。

顔の画像を見た時の驚きは言い表せない。そこには河田がいた。

守衛は、河田が声をかけると、疑うことなく施設に引き入れている。


そして、1時間後、河田は研究資料らしい書類を運び出していた。

守衛は笑顔でお辞儀をし、見送っている。

本間さんによると、河田は、この研究所には来たことがなく、守衛も知らないはずという。


あれだけ河田と親しげにしている守衛に後日聞いてみると、河田のことを知らない。

河田を施設に引き入れた記憶も全くないと言っていた。

守衛の真面目な顔からは、嘘を言っているようにも見えない。


まずは河田が東京にいることは分かった。

東京中の監視カメラに河田を探させる。

すると、河田が東京のタワマンに住んでいることが突き止められた。


いくら要人が殺されても、政府にはまだ力がある。

ただ、すぐに自衛隊が河田を確保しようとタワマンに行ったけど、誰もいなかった。

私の周りから情報が漏れているに違いない。


どこから情報が漏れたかは突き止められなかった。

逆に、疑心暗鬼になれば、敵の思うつぼ。

盗聴器が仕掛けられていて、犯人は仲間ではないかもしれない。

私は、あくまでも周りの仲間を信じることにする。


私は、次に、河田の顔をSNSで拡散し、テロ行為の犯人として追い込もうとした。

若者は、政府の公式アカウントからの情報を信じ、河田を追い詰めていく。

こうして、河田の包囲網が形成されていった。


ロボットを研究してきた主要研究者達は、原因不明の死をとげていく。

一方で、政府は、超能力者達の暗殺を続け、追い詰めていく。

そんな状況を受け、私達を守るように、甲府に自衛隊の基地も設置された。


戦闘機が着陸、発射できる滑走路が整備される。

戦車、戦闘機を格納する施設も作られた。

多くの兵士も到着し、広い敷地の中で日々、訓練を重ねた。


自衛隊の幹部と私とのシミュレーションも日々行われ、甲府は一大軍事都市となる。

地下拠点の必要性も提示され、整備が進められた。

そんな時、状況を一変する事態が起きる。


関東では、永田町、東京都庁、神奈川・埼玉・千葉の県庁の上空で眩い光が炸裂した。

半径10Kmの空間は、蒸発し、焼け野原となる。

暗殺に耐えかねた超能力者による次の攻撃が始まった。


日本国内のごく近くからミサイルが発射されたと確認されている。

東京圏へのミサイルは関東圏から数分で炸裂し、迎撃できなかった。

しかも、正確な発射場所は分かっていない。


人間が暮らす場所で安全な所なんて、どこにもないことが今更に明らかになった。

しかも、こちらでは、超能力者の実態を把握できていない。

どこから攻撃されるのかも分からず、再度の襲来も考えられ、恐怖に慄く日々が続く。


ミサイルを製造できる施設と研究者、製造者が超能力者側にいることは明らか。

でも、その詳細は全く知り得なかった。


ミサイルは、どこか山奥で製造し、発射台を備えたトラックで運んだのかもしれない。

でも、衛星写真で探しても、それらしい施設は見当たらない。

地下にミサイルの格納庫があるのかもしれない。


現状では、私達の情報は洩れ、超能力者達の情報はほとんど手元にない。

私達が不利な立場にいることは明らかだった。


攻撃は世界的なものだったとの情報が入ってくる。

ニューヨーク、ロンドン、パリ、ベルリン、北京、多くの都市が消滅した。

超能力者の攻撃は、日本だけの問題ではなかったと今更に気付かされる。


甲府からも、かすかに爆発で東京方面から明るくなる姿が見えた。

甲府まで爆風が来ることはなかったけど、霞が関のあたりは何も残っていないらしい。


東京等が殲滅された後、甲府でも、着実に一人ひとり、リーダーは消されていった。

いつの間にか、少佐や、兵士達が、何も痕跡を残さずに消えている。

こんな状況が続いているからには、甲府にも敵がいて、私達の組織を把握している。


私は、防衛大臣もいない中、今こそ立ち上がるべきと狼煙をあげた。

そして、自衛隊を中核に一般市民も巻き込みゲリラ戦を行う部隊を編成する。

私と同じ危機感を持っていた人が大勢いたから、すぐに部隊は膨れあがった。


一方、一旦、感染した人は直せないと考えられていたけど、それは違うことが判明する。

副大臣が言っていた一定の周波数のビームを頭蓋骨を開けて入念にあてる。

血液もそのビームを通して洗浄する。


これにより、脳を支配された人達は自分の意識を取り戻すことができた。

しかも、空気中に浮遊するロボットは、今の時点でなくなっていて再発することもない。


都合がいいことに、回復した人達は、脳を支配されている時の記憶が残っていた。

話しを聞いていくうちに、驚くことが判明する。


「あなた達を支配しているのは誰?」

「鷺宮 凛という人です。」

「え、河田ではなくて鷺宮という女性なの?」

「ええ。河田さんは凛さんの部下です。」

「どうして、その女性がリーダーをしているの?」

「それは知りません。ただ、日本で最初に超能力を得たと言われています。また、日本の超能力者の最終兵器と言われていますが、どんな能力なのかは誰も知りません。」

「そうなの。それで、超能力者はどのぐらいの人数がいるの?」

「超能力者は約200名、超能力者に脳を支配されているのが約200万人だと聞きました。」「そんなに多いなんて・・・。」


超能力者、それに支配されている人達は、今回の攻撃から退避していたのだと思う。

あの攻撃で亡くなった人は、ほとんどが脳を支配されていなかった人。

目の前が真っ暗になっていく。


「そんなに、どこにいるというの?」

「日本中のいろいろなところにいます。この甲府には約10,000人で、普通の人と一緒に暮らしています。ただ、全体の司令部は山梨の韮崎にあります。」


敵の司令部が、そんなに近くにいたとは気づかなかった。

回復した人とともに、敵の司令部を視察することにする。

養鶏場に建てたプレハブが本拠地らしい。


外からは、ただの養鶏場にしか見えない。

ただ、鶏の匂いもせず、鳴き声も聞こえない。

ひっそりと佇むプレハブから異様な空気と緊張感が流れ出ている。


しばらくすると、あの河田が、施設の敷地内で歩く姿が見えた。

河田が目の前にいる。

あの頃の河田ではない。圧倒的な殺気に包まれていた。


ここで河田を殺すことにする?

いえ、河田がとんでもない能力を持っていれば、こちらも大きな被害を被る。

しかも、ここであいつを殺しても、敵は代役を立てるだけ。


いえ、河田の殺気に弱気になっていてはダメ。

河田を殺し、この施設をつぶせば、私達の支配は簡単じゃないと思うはず。

私達がここにいると知らないこのチャンスを逃すことはできない。


その晩、河田が自宅に帰る道についていき、後ろから捕らえようとした。

後ろから手を縛り、壁に押し付けた。

その時、思いもしないことが起きる。


河田は手を押さえられて一瞬たじろいように見えた。

でも、押さえつけていた兵士は、すぐに、縛った紐を説き、河田に従っている。

坂田さんの研究施設の守衛のように、操られている。


河田は、人を手名付ける能力を持っているのかもしれない。

感染していなかった人もコントロールできる。

これは恐怖だった。


影に隠れていた私は、暗闇の中を逃げた。

何もできなかったことは悔しい。

でも、今打てる手は何も考えられなかった。


誰もいないアスファルトの上を、息を殺してただ走る。

幸いなことに、今夜は、曇りで月明りを遮り、夜道は暗い。

わずかに地面が、どの方向に道路が伸びているかを示していた。


ごめんなさい、私は何もできなかった。

あなた達を見捨てて逃げるしかできない。

本当に、ごめんなさい。


私は、甲府にある私の本拠地に戻り、作戦の練り直しをした。

河田には近づけない。

遠くからライフル銃で狙うしかない。


河田のもとには軍隊らしい組織はなかった。

脳をコントロールすれば足りると安心しきっているのだと思う。

今なら、河田を抹殺できるのじゃないかしら。


でも、今日のことで河田は警戒を強めると思う。

手を打つなら、すぐに打たないと。


河田の顔は、支配されている人の顔じゃなかった。

自らの意思で人を殺す人の顔。

河田をこの世から抹殺しないと私達が殺されてしまう。


一方、河田は自分を拘束しようとした人の脳をコントロールし、一歩優位に進めていた。


「君達のリーダーは誰なんだ?」

「今井さんといいます。」

「今井って、誰だ?」

「昔、建設省の官僚で、建設会社でも働いていたと聞いています。」

「あの今井か。」


そうか、あいつが、今、ここで指揮をとっているんだ。

そういえば、拘置所から抜け出したと聞いていた。

そんなことができるのは、誰か権力者がバックにいるからだろう。


そういうことか。最近、甲府に自衛隊が移動してきたと聞いている。

東京が破壊されて、軍隊が逃げてきただけだと思っていた。

だが、防衛大臣とともに今井を中心に、甲府で軍事強化を図っているに違いない。


ただ、防衛大臣は既に殺したから、今は今井しか中心人物はいないのだろう。

あいつは、戦争の素人。これは勝てる。


「君達の組織の状況を教えてくれ。」

「まず、防衛省の軍隊が2,000人います。」

「自衛隊がそのまま来ているんだから、市ヶ谷が破壊されたとしても、そのぐらいの規模はあるのだろうな。作戦を練る参謀はどのぐらいだ?」

「だいたい20人ぐらいだと思います。」

「そうか。施設とか、どうなってるんだ?」

「甲府の本拠地の横に軍隊の宿泊所が3箇所あります。いずれも甲府市内です。そして、その周りに、軍隊の地下拠点が本拠地を取り囲むように15箇所あり、それぞれ、A地区からR地区が本拠地を守るように配置されています。」

「基本的には、甲府という狭いエリアだけに閉じているのだな。」

「そうですね。関東以外は、まだ組織化できていないので、よくわかりませんが、甲府だけは、今井さんの強いリーダーシップのもとでかなり強い組織になっています。」


やっぱり思った通り、甲府を拠点に軍隊を整備していたんだ。

そして、この軍隊を壊滅すれば、日本は支配できる。

これは、いい情報じゃないか。


暗闇の先には、わずかだが我々の味方が住む家々の光が道路に沿って光っている。

将来は必ず私に勝利があると言うように、その光は特別な遠くまで連なっていた。


「ところで、今井の司令部はどこにあるんだ?」

「今井さんは、甲府市役所を司令部にしています。ところで、さっきまで今井さんと一緒でしたが、追いかけますか?」

「そうだったのか。でも、お前達を見捨てて逃げ出したんだな。あいつらしい。まあ、今日は見逃してやろう。すぐに、甲府の軍隊とともに殲滅させてやるだけだからな。」


今井は俺に恐怖を感じ、尻尾を巻いて逃げたんだな。

ああ、愉快だ。俺の力は、今、日本を支配するまでになっている。

みんなが、俺の前にひれ伏せばいい。


暗闇が広がる夜中、雲は消えていき、満月の光が辺りを照らす。

俺にチャンスが到来したことを象徴しているように見えた。

俺は、すぐに凛とコンタクトを取る。


「日本の軍隊は、ここからすぐそばの甲府に集結していることが分かりました。これから殲滅するよう攻めます。そのために、凛さんのもとにいる5,000人を1カ月貸して欲しい。」

「分かったわ。確実に敵を殲滅して。これが達成できれば、日本は、超能力者が支配できる。」


俺の唇からよだれが垂れる。

アドレナリンが充ち、目はランランと輝いていた。


「任せてください。ところで、聞いたんですが、敵のリーダーは女で、昔、一緒に働いていたやつなんですよ。あいつのことなら、何でも知っています。あんな従順な女なんて一握りですよ。」

「そうなの。でも、人は変わるもの。また、他人に見せていない自分がいるのも女性の特徴。自分の力を過信せずに、一気に攻め滅ぼして。」


こうして、河田と今井との闘いは始まった。

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