表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
最終決戦  作者: 一宮 沙耶
第4章 超能力者の反撃

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

19/28

4話 官房長官と警視庁長官

「ありがとう。ところで、あなたは超能力者ね。それで私に近づいてきたの?」

「それもあるけど、最近の報道はかわいそうだなとずっと思っていたから、話しを聞いて、少しはお役に立てるかなと思って。私は、鷺ノ宮 凛。凛と呼んで。」

「そうだったのね。私の名前は知っていると思うけど、陽菜と呼んで。凛さんは、どんな能力を持っているの?」

「私は、超能力者の全世界組織から日本に、最終兵器として派遣されたんだけど、最終兵器だから、その能力は誰にも言えないの。」

「最終兵器、大変ね。私は、他人と体を交換できる能力。でも、女子アナになっても、そんな幸せな人生にはならなかった。」


私は、これまでの不幸を凛さんに止まることなく伝えた。

それを凛さんは、暖かい目で私を包み、ただ頷いて聞いていてくれた。

吐き出すものを全て言い尽くすと、少し気は楽になる。


「凛さん、今日は本当にありがとう。少しは気が楽になった。でも、再就職先がない現実は辛いわ。」

「一つ、相談なんだけど、超能力者は、今、政府から迫害されていて、自らの命を守らなければならない状況にあるの。だから、超能力者が団結して、そんな政府の攻撃には断固とした態度を示そうと、組織を作っているんだけど、その組織に入ってくれない。」

「それはいいけど、入るとどうなるの?」

「毎月、一定の給料がでて、定期的に、組織からお願い事項が来るから、それに対応するということ。陽菜さんの超能力でできることをお願いされるから、難しいことはない。」

「無職の今の私には、とっても助かる。是非、仲間に入れて。」

「ありがとう。では、今月から口座に給与を振り込むわね。何をするかは、後日、連絡する。」


それから2週間後、5人が集められ、私は官房長官と警視庁長官の暗殺を指示される。

聞いたところだと無事に完遂できそうだと思った。

私は、凛さんが指定する女性記者の体に直前で入り込んだ。


アナウンサーをしていた経験から、記者の振る舞いは知っていて、なりきることができる。

記者に囲まれる中、官房長官は、警視庁長官に守られ、今後の組織改革を話し始めた。


「官房長官、組織改革に向けて民共党が反対していますが、どう乗り切るんですか?」


私は、警視庁長官の目を見ながら、官房長官にマイクを向けた。

警視庁長官は、次は自分にマイクを向けられると思い、苦虫を嚙み潰したような顔になる。


「それは・・・。」


その時だった。マイクはまばゆい光を放ち、大爆音が響き渡る。

私は、熱いと思った時点で超能力を発動した。

そして気づくと、大学内のカフェにいてカレーを前にTVをながめている。


そう、次の体はこの男子学生に決めていた。

もう女性として過ごすなんて嫌。男性として自由に生きたい。

女性なんて醜い生き物だもの。

それだったら、純粋に正直に生きる男性として暮らしたかったの。


カフェのTVでは緊急速報として、官邸が爆破されたとテロップが流れた。

アナウンサーが慌てた様子で、官房長官と警視庁長官の安否は未確認と話している。

私がさっき、官房長官も警視庁長官も殺したのだから、生きているはずがない。


その夜、官房長官、警視庁長官、そして周りの記者達全てが死亡したと報道されていた。

犯人は不明。爆弾を持っていた記者がいたのか、現場に爆弾が設置されていたのか。

結局、犯人は分からず、自爆テロだということで事件の捜査は終わったかに見えた。


私は、言われていたとおり、4人には連絡をとらず、男子学生として静かに暮らしていた。

当たり前のように考えていた生理がないことは本当に楽だった。

そして、男性の人間関係も気を遣うことが少なく、楽なことにも気付く。

なにもかもが自由で、開放感に溢れている男性としての生活に気持ちが軽くなった。


ところで、最近は、別な意味で驚いている。

女性のときは性欲とか意識したことはなかったけど、今は性欲を抑えられない。

こんなに男性と女性は違うんだと驚きの毎日だった。

また、年を取れば若者の体に入り、繰り返せば、永遠の命を得られることにも気づいた。


私は、お金で女性を買う日々を続けていた

この男子学生の実家は裕福でお金に困ることはない。

性欲だけではなく、女性を支配したいという攻撃的な気持ちもあったのかもしれない。


ボクシングジムでサンドバックに打ち込んでみたけど、攻撃性は抑えられなかった。

この前は、夜道でぶつかってきた女性に、怒鳴って、殴ろうとしてしまった。

怯え逃げ去る女性をみて、ニヤけている自分に気付く。

いつの間に、こんな卑怯な人間になってしまったのだろうか。


いや、正当防衛のために、憎むべき政府と戦う合間に英気を養っているだけ。

エネルギードリンクと同じ。


今日も渋谷の街に来て、出会い系サイトで女性を誘う。

私は、道玄坂で待ち合わせ、居酒屋に行った後、ラブホテルに入った。

部屋の写真が移ったパネルが壁にあり、そのボタンを押して、受付からキーを受け取る。


今日の女性は、背が低く、太っていない範囲でグラマラス、胸も大きい。

キャリーバックを持っていたから、何があったのかと聞く。

その女性は、今日、仙台から来たばかりだと答えた。


田舎から出てきて、渋谷に憧れる女性なのだろう。

たしかに、しゃべり言葉が少しなまっている。

渋谷の素敵な夜の経験を味わせてやろう。


私は、ベットに座った女の肩に手をかけ、背中から腰に手を動かした。

そして、唇を重ね、丁寧にブラ、パンツを脱がす。


感じる所に口を押し当て、同じタイミングで上下に舐め回した。

女性も声を止められないようだ。

自分の固いものを入れ、激しく動かした。


「気持ちよかったわ。上手いわね。私お風呂、先に入っていいかしら。」

「俺も、一緒に入っていいよな。」

「いいわよ。」


私だけがお風呂に入っている時にクレジットカードを盗むなんてことがないわけじゃない。

だから、一応、離れないようにもしている。シャワーを2人で浴びた。


「おまえの胸、大きいよな。上から見ると、ブラをしていなくても大きな谷間だ。」

「恥ずかしいわ。そんなにさわらないでよ。また感じちゃうし。それとも、またやる?」


女性は私の棒に手をおいて、さすり始めた。


「まあ、今日はここまででいいや。とってもよかった。」

「そう言ってもらえると嬉しいわ。」

「ここに座ってよ。」

「ああ。」


私が女性の横に座り、肩に手を回すと、その女性は私の唇に再び、口を重ねた。

私はキスをしながら目を閉じた。


その時だった。背中に衝撃が走り、私は床に転げ落ちてしまった。

目の隙間から見えたのは、スタンガンを持ったさっきの女性。

そして、ナイフを私の胸に何回も突き刺した。


そうか、政府が送り込んだ暗殺者だったんだ。

女性のあまりに自然な態度に、つい気を許してしまった。

早く、だれかに乗り移らないと。まずは、この女性にでも。


しかし、体はスタンガンで痺れて動けず、何度も突き刺される痛さで集中できない。

超能力を使えずに、意識は遠のいていった。

もう、終わりだ・・・・。


私は、どの体に変わっても、幸せになれない運命だったのだろうか。

自分が幸せになることに相応しいものを持っていないとダメだと今更に気付く。

でも、気付くのが遅すぎた。


女性は、キャリーバックから、洗浄剤と電動ノコギリを手際よく取り出す。

血しぶきが壁一面に飛び散るラブホテルの一室を掃除した。


そして、私の死体を重い重いと言いながらお風呂に運ぶ。

そこで私の体を切断して、ビニール袋に入れ、キャリーバックに押し込んだ。

もう、この部屋は入る前と同じ。何もなかったかのよう。


女性は、何事もなかったように笑顔で部屋から出ていく。

ネオンが溢れる渋谷の街は、私が消えても変わらず、お祭りのように活気づいている。

その女性は、鼻歌を歌い、血が滴るキャリーバックを引いて若者の横を通り過ぎていく。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ