6話〜白石さんウェイトレスになる〜
6話〜白石さんウェイトレスになる〜
ようやく白石さんが俺の作ったウェイトレスの衣装を着てくれた。
採寸する時は恥ずかしがらず衣装を着るのが恥ずかしいってどういうことだ?
俺は白石彩音が理解できない。
とはいえ、今着替えている彼女。
「ねぇー、覗かないでよー」
「覗かねぇよ!」
「本当かなぁ〜?」
「本当だ!安心しろ!」
「どうかしら?似合う?」
白石さんが俺に尋ねてきた。
ウェイトレスの衣装を身にまとった白石さんが立っていた。
俺は言葉を失うほど美しいと思った。
だがしかし、口に出すことはできなかった。
なぜなら……彼女の姿があまりにも可愛らしかったからだ。
「黒瀬?」
「え?あっ……すまん!あまりにも綺麗で見惚れてた!」
「綺麗!?嬉しい!」
と、恥ずかしいと言っていたのが嘘のように喜んでいる。
まぁ、ここまで喜んでくれると悪くない気持ちだなと思う。
「さっそくお披露目ね!」
そう言って白石さんは村にある酒場に向かったのだった。
さてと……俺はどうしたものか……。
しばらく悩んでいたが何も思い浮かばないため家に戻ることにした。
「黒瀬ー!」
「ん?」
声の主は白石さんだった。
「黒瀬!来てよ!」
「おぉ……どうしたんだ?」
「今から酒場に行って接客の練習をするの!」
「あぁ……そういうことか」
「一緒に来て!」
「断る」
「即答!?どうしてよ!」
「一人で充分だろ」
「ダメよ!黒瀬も来るの!」
「嫌だと言ってるだろ!」
「お願いだから来て!」
「わかったよ!」
こうして俺は渋々ながらも白石さんについていくことにしたのだった。
そして、酒場に着くと酒場のマスターであるおっちゃんが白石さん迎える。
「おう!嬢ちゃん準備ができたらしいな」
と、おっちゃんは白石さんの姿を見て言った。
「待たせて悪かったわね」
「嬢ちゃん、接客はちゃんと練習したんだろな」
「当たり前じゃない。私の接客術を見せてあげるわ」
白石さんは自信満々の表情で言う。
不安しかないな。
大丈夫か?
「それじゃあ始めてもいいか?」
「うん!いつでもオーケーよ!」
「よし!なら行くぜ!」
そう言いながらおっちゃんは白石さんに指示を出した。
「いらっしゃいませー!お客様何名様になりますかー!?」
「お姉ちゃんは可愛いね〜!」
「ありがとうございます!」
「えっとメニューをいただきたいんですが!」
「かしこまりました!少々お待ちください!」
「はい!こちらになります!」
「ご注文は以上でよろしいですか!」
「はい!」
「それではごゆっくりどうぞ!」
「ありがとうございました!」
「ふぅ〜緊張した〜」
「よくできていたぞ!」
「本当?やった!」
「次はもっと難しいことをやらせるから覚悟しておけよ!」
「はい!」
こうして白石さんはウェイトレスの仕事を順調にこなしていったのだった。
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