5話〜衣装製作〜
5話〜衣装製作〜
俺は白石さんにウェイトレスの衣装を作ってほしいと頼まれた。
まず最初にやるべきことは型紙作りだ。
型紙を作るために必要なものがいくつかある。
・定規 ・鉛筆 ・消しゴム ・はさみ
これらは全て村長から譲ってもらったものだ、なぜあるかは不思議でしょうがない。
後はメジャーである。
メジャーは既に持っていたので問題なかった。
俺はテーブルの上に型紙を置くと設計図を描き始めた。
まずはスカート部分からだ。
次にエプロンとワンピースだ。
最後に頭飾りと靴をデザインしていく。
完成した設計図を手に取る。
「よし!完璧だ!」
俺は我ながら素晴らしい出来栄えだと自画自賛していた。
しかし一つ問題があったのだ。
「白石さん呼ぶか……」
白石さんはベッドですやすやと眠っていた。
「仕方ない…勝手に進ませてもらうかな」
俺は材料を用意しクラフトを開始した。
まずは生地から作らなければいけない。生地を作るために糸を紡いでいく。
「これはなかなか面倒だな……」
糸を紡ぎ終えると今度は織機を使い生地を作っていく。
「これで生地が出来たな……」
次にミシンを使うことにした。ミシンは村長の家にあったものだ。
「よしっと……」
俺は一通り作業が終わり大きく伸びをした。
「うん!これで大丈夫だな」
俺は確認するために白石さんを起こしに行く。
「白石さん起きろー」
「うーん……もう朝かぁ〜」
白石さんは目を擦りながら起き上がってきた。
「おはよう」
「おはよー!昨日はよく眠れた?」
白石さんは笑顔で挨拶してきた。
「いや、寝れてねぇよ。徹夜だよ」
「あははー大変だね!じゃあさ!今日一日休みにしない?」
「いいよ。どうせ予定もないしな。俺は少し寝させてもらうぞ」
「わかった!おやすみ〜」
俺は部屋に戻りベッドに入った。
「ふわぁ……眠いな。少しだけ寝るとするか……」
俺はそのまま眠りについたのだった。
俺は昼頃に起きた。体が重い。昨日は徹夜だったからか少し睡眠不足だ。目を擦りながら部屋に行くと白石さんがいた。
「おはよ」
「あ!やっと起きたのね!」
「ん?なんか楽しそうだな」
「へへーん♪実はさっきこんなものを見つけちゃったんだよね!」
「なんだこれ?」
「これはね!魔導書だよ!」
「魔導書って……」
「読んで字のごとく魔法の書なんだよ!読んでみる?」
「遠慮しておくよ」
「つれないなぁ〜せっかく面白いのにぃ〜」
「それより白石さんは何をしてるんだ?」
「私はね!魔法を使えるようになるかなって勉強中!もしかしたら、自分で服を作れる魔法があるかもだし」
「そうなのか……」
「黒瀬が作ってくれた服もいいけど……自分で好きなのが作りたいなぁって思ってね♪」
「まぁ頑張れよ」
「うん!頑張るよ!」
俺は白石さんの隣に座り白石さんの勉強を見守ることにした。
しばらく眺めていると白石さんが話しかけてきた。
「ねぇ?」
「どうした?」
「ちょっと質問してもいい?」
「構わんぞ」
「私って可愛いと思う?」
「藪から棒だな……」
「いいから答えてよ!」
「まぁ可愛いと思うよ」
「本当にそう思ってる?」
「嘘ついてどうするんだよ」
「ならよかった」
「突然どうしたんだ?」
「いや……なんか不安になってきてさ……」
「大丈夫だって」
「そうかな……」
「そうだな自信持てよ」
「うん!わかった!黒瀬ありがとね」
「おうよ」
俺は立ち上がり外に出ることにした。
「どこ行くの?」
「散歩に行ってくる」
「行ってらっしゃい!」
散歩をしながら考える。
帰ったら作業の続きをしないとな。
「衣装作りって難しいな」
それか1週間かけて衣装は完成した。
白石さんは喜んでいたが肝心の本人はまだ着ていない。
なぜなら……恥ずかしいという理由らしい。
俺としては早く着てもらいたいのだが……仕方ないので別の作業を始めることにしたのだった。
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