表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

28/37

28話〜恋人同士〜

28話〜恋人同士〜




俺は村人達と2階建ての一軒家を作り上げた。

村人達は拍手喝采をしている。

その中心に俺は立っていた。


「黒瀬〜!よくやったなぁ〜!」


トールさんが大声で叫ぶ。


「トールさんのおかげです」



「何言ってんだ!殆どお前のスキルでやってたじゃねーかよ!」



「ははっ……」


俺は照れ隠しをする。


「ほらよ」


トールさんは俺の肩を軽く叩く。


「ありがとうございました」


俺は頭を下げる。


「気にすんな。それよりよ。約束忘れてないだろうな」



「もちろん覚えてますよ」



「ならいいんだ。じゃあまた明日な」


トールさんと村の男達は去っていく。俺はその後ろ姿を見送ると自分の新居に入って行く。


1階部分はリビングダイニングキッチンになっており家具などもある程度揃っている。またトイレや風呂場などの水回りもあり生活必需品も充実している。


2階は寝室や客室などで使われておりベッドがある部屋もある。その他にも物置があり色々なものがあった。俺は各部屋を見て回った後に1階へ降りてくると彩音が来てくれた。


「彩音」


俺は声をかける。


「なに?」



「この家はどうかな?」



「素敵だと思うよ」


彩音は微笑む。


「そっか……良かった」


俺はホッと安堵の息を吐く。


「それと……」


彩音は頬を赤く染めている。


「ん?」



「私もここで暮らしていいんだよね?」



「当たり前じゃないか。一緒に住もう」



「うん」


彩音は嬉しそうな表情を見せる。



そんな彩音を見て俺も自然と笑顔になる。 


俺はこの家を拠点に生活することに決めた。俺と彩音は手を取り合って家を後にする。そして家から出ると村の中央にある広場に向かうあの彩音に告白された場所だ。



俺は覚悟が決まっている。

この異世界で彩音と生きていく。


そのためには再びこの場所で彩音と向き合わなければならない。


今度は俺から告白をする。

彩音はあの日と同じように俺の作った服を着ている。


あの時、逃げてしまった弱虫な俺じゃない。


強くならないと自分に自信を持たないと彩音の隣に相応しくない。


立派な新居を建てたからだろうか。

俺は自信が持てる。


そして、俺は彩音に告白する。




「俺と付き合って欲しい!一生お前を守る」


俺は彩音の目を真っ直ぐ見て言った。

彩音は驚いた顔をしている。


「本当にいいの?」

「もちろんだよ」

「ありがとう」


彩音は泣いていた。


「ねぇ海斗……あたしのこと好き?」

「ああ。愛してる」

「あたしもだよ……」


俺と彩音は抱き合う。

周りから祝福の拍手が聞こえる。

彩音と付き合うこととなった、俺と彩音は恋人同士になった。







それからの俺と彩音は2人で協力して畑仕事をしたり。

時には喧嘩をしたり。


穏やかな日々を過ごしていた。

そして夜になり寝室のベッドの中に入ると俺は彩音の手を握る。


「ねえ?海斗?」

「なんだ?」

「キスしてもいい?」

「ああ」


彩音は目を閉じると唇を重ねてきた。

柔らかい感触が伝わってくる。

初めての体験だったので緊張してしまう。

しばらくすると彩音は離れていった。

俺達は互いに見つめ合って笑い合う。


ここから、異世界での本当の再出発である。


いつまでも彩音と一緒に平和に暮らせますように。


と、俺は願うのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ