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20話〜白石さんの企み〜

20話〜白石さんの企み〜



ある日俺は工房にて作業を行っていた。


「白石さんのメイド服か」



クラフトスキルを持つ俺にとって簡単な作業だ。布を裁断しミシンを使って縫っていくだけで完成する簡単なものだ。


(こんなことで本当にいいのかな?)

そんな疑問が頭を過るものの作業に集中するために頭から振り払う。


完成したものはなかなかの出来栄えであった。


「流石だぜ」


自画自賛しながら完成品を眺めていると扉をノックする音が聞こえた。


「はい?」


尋ねるとそこには白石さんの姿があった。


「白石さんか」



「黒瀬。できた?」



「ああ…出来てるぞ」



「じゃあ早速見せてもらってもいい?」



「おう。もちろんだ」


俺は完成品を見せた後説明を始めた。


「これが俺が作ったメイド服だ」




すると白石さんは


「おぉ〜すごい!!」


と驚いた様子で感嘆の声を上げる。そして俺に抱きついてきた。


「おい…いきなりどうしたんだよ」


慌てて引き剥がそうとするもののなかなか離れようとしない。それどころかますます強く抱き締められる始末だ。

(柔らかい感触が……)


「ありがと♪すっごく嬉しい♪」


満面の笑みで感謝の言葉を口にする白石さん。その笑顔を見て俺は照れ臭くなった。


「喜んでくれて良かったよ」

「黒瀬には色々迷惑かけてるね」

「そんな事ないぞ」

「今度お礼させてよ」

「別にいいって」

「遠慮しないで!お礼させて欲しいな」

「分かったよ」

「うん♪楽しみにしててね♪」


(一体何が貰えるんだろう?期待半分不安半分だな)


「ところでさ……この衣装に合う靴ってあったりする?」

「靴?」



「そう。出来れば可愛い奴がいいなって思って」



「うーん……」


言われてみれば確かにメイド服に合う靴がない。


「作るか?」



「え!本当!やったー!」


無邪気に喜ぶ白石さん。俺は彼女の要望に応えるために作業を開始した。今回はメイド服に合うブーツを作ることにする。デザインに関しては白石さんと一緒に考えることにした。


「ねぇ黒瀬……これちょっと短すぎない?」



「そうか?丁度良いと思うけど」



「もっと長い方が良いかも」



「分かった。修正するから待っててくれ」



「うん♪」


数時間後


「どうだ?」



「いい感じ!」



「それは良かった」


(よし!後は仕上げるだけだ)


完成間近のブーツを前に気合いを入れ直す俺。その時ふと思い出した事があった。


「そういえば白石さんはいつ告白するんだ?」



「まだ決めてないけど近日中にはする予定!」



「そっか。頑張れよ」



「うん!ありがとう♪」


白石さんは嬉しそうに微笑んでいる。


「白石さんなら大丈夫だよ」

「黒瀬がそう言ってくれると心強いな〜」

「それじゃあ仕上げにかかるよ」

「うん♪」


その後白石さんと共に作業を進めた結果無事にブーツが完成した。


「すご〜い!可愛い〜!」


喜ぶ白石さんを見て俺も満足していた。

「黒瀬って本当に器用だよね〜」


「まぁな」

「また私に作ってよ♪」



「考えとく」

「絶対だからね!」


こうして白石さんの依頼は終わった。

しかし……白石さんの恋はどうなったのだろうか?

気になる所だ。


 

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