表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

2/37

2話〜クラフト〜

2話〜クラフト〜




俺達は森の近くにある。

小さな村へと来ていた。


この小さな村を第一拠点として、準備ができ次第、森の中で自由なスローライフをしようと思う。

昔から自然の中で暮らしたいと思っていた。



俺たちが村についてすぐのことだった。


俺達はとりあえず村長の家に向かうことにして事情を聞くことにした。


ドンドンドンッ!!!


扉を叩くと中から優しそうな老人が出てきた。


俺たちは村長に事情を説明すると快く受け入れてくれた。

小さなボロ小屋を貸してくれるという、これで一応は住める場所は確保できた。


だが、住むにはいまいち狭く穴も空いている。


俺達はまず寝床を確保するために行動を開始した。小屋の中を見渡すと奥に部屋がある。そこはベッドがあり机もある。だが埃まみれだ。掃除をしなければならない。

まずは窓を開け換気する。そして掃除道具を貸してもらい拭き掃除を始める。ベッドシーツは汚れているので洗濯が必要だ。水がないので川まで行かなければならない。井戸の位置を聞くの忘れていたな……


明日また村長のところに行くか……今日はもう疲れた……ひとまず食事を摂ることにする。

食料はある程度持っている。森に自生している薬草や木の実などを集めてあるので飢え死にすることは無いだろう。


軽く森で拾った木の実などを食べて腹を満たした俺達は夜になったので小さな小屋で過ごすことになる。


すると、白石さんが俺のスキルを聞いてきた。

確かに俺のスキルも気になるよな……


「ねぇ?黒瀬のスキルってどんななの?」

「えっとな……俺のスキルは【クラフト】って言ってな」

「クラフト?」

「簡単に言えば何でも作ることができるんだ」

「すご!!そんな凄いスキル持ってたんだ!!」

「あぁ……ただ問題があってな……」

「問題?」

「まだ何も作った事がなくてな……正直使い方も分からないんだ」

「そっか……」

「でもまぁ大丈夫だと思うぜ?なんかできそうな気がするし」

「そうだよね!」

俺達は少し雑談を交えて楽しく過ごしていた。


明日は朝早くから動く予定なので早めに眠ることにした。

翌日……俺達は朝食を食べ終えると村長の家に行って井戸の場所を教えてもらった。

それから薪割りなどを手伝っていた。そうこうしているうちに昼前になり一度帰って休憩することにする。

午後からは畑仕事を手伝いに行った。鍬を使い土を耕していく。慣れない作業に戸惑いながらも頑張った甲斐あってなんとか終了した。夕飯の時間になり村の人達と一緒に食事をする。

食事はパンとスープといった簡単なものだったが美味しかった。


そして、手伝った報酬として木材を貰うことができた。


明日は小さなボロ小屋を修復しようと思っている。

とりあえず今日はゆっくり休んで明日に備えようと思う。




次の日の朝……


早起きした俺は身支度を整えて外に出ると昨日の木材を使って家の修繕をするつもりである。


「まずは初めてだから穴が空いている部分を修復するか」


借りた道具で木材を切っていく。

やったことがない作業だがスキル【クラフト】のおかげなのかすんなりと木材を切ることができる。


出来上がった板を穴が空いている床の部分に置いて釘を打つ。

何度も叩いて打ち付けると綺麗に仕上がる。

これをあと数回繰り返して全ての穴を塞ぐことができた。

続いて壁の隙間も同じように埋めていく。

かなり時間がかかりそうだったので白石さんにも手伝ってもらうことにする。

俺達は協力して作業を進めていった。かなり集中していたので気づかなかったが既に夕方になっていた。

もう少しで完成というところで中断し夕食を食べた後に続きをしようと決めてその日は眠りにつくのだった。


次の日の朝……


昨日同様俺は朝食を済ませてからすぐに作業に入る。

残りの箇所を少しづつ丁寧に修復していく。

途中、白石さんも手伝ってくれたのでスムーズに進めることができた。


しばらく経ち全ての作業を終わらせた。

完成したばかりの建物を見て感嘆の声を上げていると白石さんが言った。


「ねぇ?これってもう使えるんじゃない?」

「うん……そうだな……とりあえず試してみるか……」


俺は恐る恐るドアノブを回すとギィィ…… という音が鳴りドアが開いた。

俺達は喜びながら中に入ると室内の様子を見て驚く。

昨日まではボロ小屋だったのに中は立派な小屋になっていたのだ。

しかも綺麗だし広々としている。


「すごい……こんなに変わるんだ!」


白石さんの嬉しそうな声が響く。


「ほんとうに……凄いな……俺もここまで変わるとは思わなかった」

「黒瀬のお陰だよ!」


白石さんに褒められて照れ臭くなると同時にとても嬉しい気持ちになる。だがここでふと疑問に思うことがある。なぜこうも簡単に作業できるのかだ……おそらくはこのスキル【クラフト】のおかげなのだろうがそれにしてもおかしいと思う。


そこで俺は白石さんに聞いてみる事にした。

白石さんはハッとして少し考えてから答えてくれた。


「あたしも最初はよく分からなかったけど……多分黒瀬が想像してる以上の物を作れるんだと思う」

「なるほど……つまりイメージすればなんでも作れるということか……」

「多分だけどね……」


確かにこのスキルがあれば色々なことが出来るようになるかもしれない。


それにしてもこの

【クラフト】

というスキル……結構便利な能力を持っているのかも知れない。

 

感想、評価、ブックマークよろしくお願い致します!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ