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17話〜白石さんとの関係〜

17話〜白石さんとの関係〜



ある日の夜、いつものようにベッドに入ると眠気が襲ってきたので目を閉じて眠りにつこうとする。


(俺は白石さんの事が好きなのだろうか?)


そんな事を考えてしまう。正直言えば分からないというのが本音である。

白石さんの事は大切な友達だと思っている。だがそれ以上の感情があるかといえば微妙なところだ。

もし告白をしたらどんな反応をするのだろうか?と考えてしまう。

そもそも付き合うとかそういう事について考えていないということもあるかもしれない。

俺には白石さんへの特別な感情があるわけではないからだ。


(白石さんの事は友達としてしか見ていない)


だから好きという気持ち自体がないのだ。しかし村長の言葉が脳裏に焼き付いて離れない。


(白石さんを他の誰かに取られてもいいのか?)


という言葉だった。確かに嫌だ。だがどうすればいいのだろうか?何もできないまま時間だけが過ぎていくのだった……。


翌朝起きて朝食をとり終えると工房へと向かった。工房では白石さんと一緒に作業していた。

お互い無言のまま作業を続ける。気まずい空気が流れているのを感じるが何も話せない状況が続いていた。

それからしばらくすると休憩時間となり一旦家に戻る事にした。その道中で白石さんが口を開いた。


「ねえ、黒瀬。何かあった?」


突然話しかけられた事に驚いたが平静を装い答える事にした。


「いえ特には」


と返すと彼女は少し困ったような表情を浮かべた後こう言った。


「最近ずっと元気ないみたいだけど大丈夫?」

「大丈夫です」


と返すとそれ以上追求されることは無かった。

その後家に帰り工房で再び作業を始めるのだった。


「はぁ……」


溜息をつきながら作業を進める俺だった。


(このままではいけないな。何かを変えないとダメだ)

そんな事を考えながら作業を続ける。

(まずは白石さんとちゃんと向き合って話さないとな)

そう決意するもなかなか行動に移せずにいた。


それから数日が経過し俺は決意を固めていた。

そして今日こそは話そうと思っていた矢先だった。

タイミング良く白石さんが声を掛けてくれたのだ。


「黒瀬。話があるんだけど」

「え?ああはい」

「ちょっと座ってくれるかな?」


そう言われて椅子に座る事になった。

「実はさ……」

と切り出す彼女の言葉を待つことにした。


「私ね……好きな人が出来たんだ」


と衝撃的な発言をされた俺は固まってしまった。

(え!マジか!?)


「それでね……その人と付き合いたいと思ってるんだけどどう思う?」

「そ、そうですか。いいんじゃないか?」


(まずい!動揺しているのがバレないようにしないと)


「ありがと!やっぱり黒瀬に相談してよかった!」

「そ、そんな事ない」



「いや~照れちゃって可愛い♪」

「うるせぇ!」


(まずい!ドキドキする。白石さんの好きな人って誰なんだ?)


「それじゃあさっそく明日デートの約束をしてみようかな?」

「はぁ……頑張って」



「うん!頑張る!応援よろしくね!」

「はいはい」


(あれ?おかしいな。ショックを受けている自分がいる)


その後白石さんが部屋に戻ると俺も自分の部屋に戻ったのだった。

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