12話〜銭湯完成!〜
12話〜銭湯完成!〜
俺達が作った銭湯が完成すると村中のみんなが集まってきた。
「凄いですね!こんな大きな建物を見るのは初めてです!」
「しかも温泉付きなんて贅沢すぎるよ!」
などと口々に言っており大変好評だったようだ。
「黒瀬くん達のおかげだな」
と村長が言うので俺は照れ臭くなり頬を掻いてしまった。
「いや別に……」
と謙遜するも内心は嬉しさでいっぱいになっていた。
それから俺達は銭湯の中に入り各々の感想を言い合った後解散となった。
そして翌日……
ついにこの日がやって来た。
そう!今日は待ちに待った入浴デーなのだ!
朝早くから多くの村人達が銭湯に集まってきた。
もちろん俺と白石さんも一緒だ。
ちなみに今は男湯の方にいる。
女子の方はと言うと白石さんが担当しているため問題はないだろう。
なので今は男同士裸の付き合いということで親睦を深めることにしたのだ。
「いや~やっぱ風呂は最高だな」
と言いながら全身を洗っている村人達を見て微笑ましく思う俺であった。
そんな中、一人の少年が話しかけてきた。
「お兄さん。僕も入りたいんだけど……いいかな?」
「もちろん構わないよ。好きなだけ入りな」
「ありがとう!」
と言うと嬉しそうに駆けて行った。
その後ろ姿を見送った後湯船に浸かり疲れを癒すことにした。
すると背後から声を掛けられた。
「黒瀬さん。少しよいか?」
「何ですか?」
振り返るとそこに居たのはなんと村長だった。
一体何の用だろうと思っていると彼は続けた。
「実はのう……わしもたまには息抜きしたいと思うての……偶にここで遊ばせてもらえぬかの?」
「別にいいですよ」
「おお!本当か!恩に切るぞ!」
と言って去って行った村長であったがその後ろ姿を見て俺は思った。
(なんだかんだで楽しんでるんだな)
「まぁいいか……」
と呟くと再び湯に浸かるのであった。
久しぶりのお風呂堪能する俺。
まさか、異世界で銭湯を作るなんて思わなかった、といっても立派な銭湯とはほど遠いが。
シャワーも無いし、ただ温泉を引いて川の水で丁度いい温度にしたお湯を浴槽まがいに入れてるだけだが。
完成はしたが納得はいっていない。
これが、俺のクラフトスキルの限界なのだろう。
一方、女子風呂では白石さんを筆頭とした村人の女性達がお風呂を楽しんでいた。
「うわー!凄いね!」
と私を中心にキャッキャッと騒ぐ女の子たち。
「ほんとすごい!」
「今まで井戸の水で体拭くだけだったのに……信じられない……」
「まさか異世界に来て温泉に入れるとは思わなかったよ」
「うんうん!」
と同意するように首を縦に振る他の女性たち。
「それにしても広いなー!」
「こんなに大きなお風呂初めて!」
「私もー!」
とワイワイしながら騒いでいる彼女達を見て微笑ましく感じる私だった。
それから銭湯は村全体の娯楽施設となるのだった。
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