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第4話:アクスター王家②

「……ヴァイド兄様、メレノラ様」


 第三王子であるヴァイド兄様と、陛下の第二妃であるメレノラ様だ。

 この二人は俺だけではなく、母さんのことも敵視している。

 それは単純に王位争いの敵であると同時に、自分の方が陛下から寵愛されていると考えているからだ。


「ヴァイド兄様。レインは目を覚ましたばかりです。そのように言うのは――」

「なんだ貴様! 兄である俺様に口答えをするつもりか!」

「ライル兄様はそんなつもりはありません、ヴァイド兄様!」

「女は黙ってろ!」


 ヴァイド兄様は上二人の兄と、一人の姉以外にはこうして高圧的な態度を取る面倒くさい相手だ。

 他の兄姉たちは俺のことなんて歯牙にもかけていないのに、こいつだけはいちいち絡んでくる。

 自分を誇示できる相手が俺やライル兄さん、エナ姉さんしかいないからなんだろうけど……マジで面倒くさい。


「ヴァイド。あまり声を荒らげるものではありませんよ。このような無能を相手にはね」


 そして、最も面倒くさい相手がこいつ、メレノラ様だろう。

 母さんが第三妃、そしてライル兄さんとエナ兄さんの母親が第四妃。つまり、こいつも母さんたちより自分の方が上だと思っているのだ。

 陛下は第二妃から第四妃に区別はないと宣言していたが、その言葉の意味を全く理解していないというわけだな。


「目を覚まされてよかったですわね、レイン殿下」

「……ありがとうございます、メレノラ様」

「ただ、ヴァイドやゲイルの邪魔だけはしないでちょうだいね。いいかしら?」

「……善処いたします」


 俺がメレノラ様の言葉に返事をすると、答えが気に食わなかったのかすぐにヴァイドが噛みついてくる。


「善処するだと? 答えは分かりましただけだろうが!」

「いいわよ、ヴァイド。しっかりと教育することね、レリシア。何せヴァイドは五年前に意識を失っているのだからね。いわばまだお子ちゃまってことでしょう?」


 なるほどな。こいつらは俺の精神年齢が一〇歳で止まっていると思っているようだ。

 実際は七英雄から現実時間で三〇〇年という長い時間、みっちりと修行を受けてきている。

 心身ともにだいぶ成長しているのだが……まあ、教えてやる義理はないか。


「……えぇ、気をつけさせますね」

「よろしくね。それじゃあ」

「ふん!」


 母さんの返事を聞いたあと、ヴァイド兄様とメレノラ様は悪態だけを吐き出してから去っていった。


「……もう! なんだったのかしらね!」

「本当だよ! レインも、レリシア様も、誰も悪くないのに!」


 そんな彼らの態度に憤ってくれたのは、やはりライル兄さんとエナ姉さんだった。

 こんなにも優しい二人が俺のことを好いてくれているのは、素直に嬉しい限りだな。


「ありがとう。ライル兄さん、エナ姉さん」

「本当にありがとう。でも、ローレル様のご迷惑にもなってしまうし、嬉しいけどあまり私たちにかかわらない方がいいわ」


 だが、優しいからこそ、こちらの都合に巻き込むわけにはいかない。

 ローレル様は第四妃であり、彼女のスタンスも王位争いに興味がなかったはず。

 そして、誰にも媚びることのない、中立の立場を取っていたと記憶している。

 だからこそ、ライル兄さんもエナ姉さんも、こうして俺と普通に接してくれているわけだけど、そのせいで立場が危うくなるのは避けたいところだ。


「そんなこと気にしていませんよ、レリシア様」

「そうですよ! 私たちはレインと仲良くなりたいから、こうして来ているんですから!」

「二人とも……」


 本当にどうして、二人が俺の一つ、二つ先に生まれたのか。

 もっと早く生まれてくれていたなら、もっと優遇されていただろうに。


「僕たちのことはどうでもいいんだよ!」

「そうよ! レイン、本当に目を覚ましてよかったわ。体調は大丈夫なの?」

「はい。侍医もそう言ってくれました。まあ、落ちた筋力はリハビリが必要ですけどね」


 ライルたちが俺のことを気にしてくれているので、これ以上先ほどの話を引っ張りのは失礼だろう。

 そう思い、俺はやせ細った腕を軽く持ち上げながらそう答えた。


「リハビリか。大変だと思うけど、頑張ってね!」

「それで、また動けるようになったら、私たちと遊んでね!」

「もちろん! 俺の方こそ、仲良くしてくれてありがとうございます」


 母さんやライル兄さん、エナ姉さんには本当のことを伝えてもいいだろうか。

 ……いいや、止めておこう。どこに耳があるのかも分からない。

 それに、俺が特別な力を持っていると分かった時、その秘密を探ろうと三人に接触を図る者が出てくるかもしれない。

 いつかは伝えることになるだろうけど、それは今じゃない。

 俺が三人を守れるだけの力をつけてからでも、遅くはないだろう。

 それに、ヴァイド兄様やメレノラ様……いいや、ヴァイドやメレノラは俺だけではなく、母さんにも幾度となく嫌がらせをしていた。

 二人に仕返しをしなければ、俺の気が収まらない。

 それに、ヴォン様も言っていたもんな。やられっぱなしで英雄とは言えない、ってな。

 まずは体をある程度動かせるようにならないとな。

 そのためのリハビリ、頑張るとしますか!

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