ハッピーニューイヤー
今日は終業式。帰りの挨拶を済ませさっきまで騒がしかった教室は一瞬にして静まり返った。
「椿希は年越しどうする気なの?」
「え、いや家族と過ごしますけど、、」
「ふーん、よし年越しパーティーうちでしようよ、てかするぞ」
「えぇ、いやいや、」
「ほら帰るぞー」
半ば強引に年越しパーティーを決行したのは如月梨咲
梨咲に連れていかれているのは雪音椿希
「あの二人本当に仲いいよね」
「昔からあんな感じなんだったっけ?」
二人は幼馴染で昔から梨咲が強引に遊びに誘っては椿希を振り回している。
「わ、分かったから、ひ、引っ張るのをやめろ」
「ダメだね、離したらすぐどっか行くじゃん」
門を出てしばらく歩いて分かれ道に出た
「じゃ、としこ、しパーティーで?」
「そうだねえ、楽しみにしてて」
椿希が手を振ろうとすると梨咲が耳元で囁く
「期待しててね…」
「え、」
「じゃあねえ」
椿希が聞き返す暇も無く梨咲は走って行ってしまった。
「あ、あいつ…何だったんだ?」
椿希はその後も家に帰るまで、夕食中、布団に入ってからも梨咲のあの意味深な言葉について考えていた。
(期待…パーティーの事だろうけど、耳元で…)
そう考えているうちに椿希の耳が赤くなっていき、体温も微かに上がっているように感じる。
(顔、近かったな…)
考えれば考える程体温は上がっていく
(やめよう今考えたって意味ない。どうせ当日には分かることだし)
それからは他のことで気を紛らわせ眠りについた。それでもパーティーまでの間で何回か会うことがあった為そのたびに思い出しては結局当日まで考えない日は一日もなかった。
「はあ、」
(なんか気重いなあ、まあでもせっかく梨咲が誘ってくれたし、楽しみなのに違いはないし、、)
椿希が悶々と考えていると目の前のドアが開く
「椿希…お前何ぶつぶつ言ってんだ?」
「あ、いや、少し考え事を」
「まあいいや、ほら準備はできてるんだし早くパーティーしよ!」
そう言っていつも通り椿希の手を引く。
リビングに向かうとテーブルの上にはお菓子等が置いてあった。
「あら、椿希くんいらっしゃい」
「どうもこんばんは」
梨咲の隣に座ってお菓子を食べたりテレビを見たりする。そうしていると時間はもう既に22時半を回っていた。
(あとは年越しそば食べて終わりかな、特に何もなかったな。やっぱり考えすぎだったかな)
そんな事を考えていると年越しそばが運ばれてきた
「いただきまーす!」
「あ!椿希またほうれん草残してる!!」
「こ、これはっ、」
椿希はほうれん草が大の苦手で去年の年越しそばでもほうれん草を残していた。
「もう、食べないなら私が食べるから!」
「えっちょ、」
そう言うと椿希のお椀を取って食べてしまった。
(今まではなんて事なかったのに、幼馴染って言っても一応男女だぞっ、)
梨咲はいつも通り照れることも焦ることもなく後片付けをしていた。
「じゃあ、そろそろ帰り…」
「ん?何言ってんの?ほらほら」
「えっ」
梨咲に引っ張られ二階に上がった。目の前に見えるのは梨咲の部屋の扉。
(え?いや、え?)
いつも冷静な椿希もこの状況には焦りを隠せない。
「え、ちょ、もう時間が」
「いやいや、年越し!カウントダウンしなきゃ」
「えっえ!?」
「ほらっ、3・2・1」
「「ハッピーーーニューーイヤーーーーー!!!」」
「今年もよろしく!椿希!!」
「よ、よろ…えっ!?」
いきなり梨咲が抱きついてきて椿希はベッドへ倒れ込んだ。
(え?ど、どういう状況!?…え、まって、なんで梨咲が抱きついているんだ?おれに)
椿希は何一つ理解できないこの状況に梨咲に声をかけることも引き剥がすこともできなくなっていた。
椿希は梨咲に押し倒されたような形になり、動揺しっぱなしだった。
「ねえ椿希、私ずっと椿希のこと好きだったの。年越しで告白しようって」
「な、なるほど…?」
「うん。かわいい、いきなり過ぎてなんにも理解できてない」
「かわ、いい…?」
「うん、だから付き合って欲しい。椿希」
「は、はい…よ、よろしk…」
「やったーーーー!!!」
黄色い声を上げながら梨咲は抱きついた。
椿希は未だ状況理解できず、ただ確かな梨咲への好意を抱き、頭は沸騰寸前だった。
「じゃ付き合ったってことで…、初キス、もらうね」
「え?」
混乱状態のなかの椿希の頭にも確かに届いた「キス」という言葉。理解する間もなく視界は暗くなった。
「やった。好きな人とキスしちゃったーーーー!!!!」
と言いながら梨咲は自室で暴れまわった。一方椿希は、沸騰寸前の中にキスをお見舞いされ完全に頭がパンクし、悶えていた。体温も上がりまくり、耳も真っ赤になっていた。
そんな感じに、騒がしい年越しを過ごし、付き合った二人は今まで通り、椿希は梨咲に振り回され、また一年を過ごしていく。らしい
終わり!!!
ちゃんと書き終えました。