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予習と復習は違うモチベーションなのではないか

 高校時代、一気に勉強についていけなくなった思い出がある。

 周りが優秀で、自分はなぜできないのかと悩んだ。

 中学のときに通っていた学習塾の力で、たまたま入試に合格できてしまったのが悪いのだと、逆恨みまでしていた。

 予習復習をせよ、と高校で初めて言われた。

 今までそんなもの、しなくてもよかった。

 そして残酷なことに、それをしたところで、高校ではついていけなかった。


 今思うと、予習というのは、自分の興味で用意されたカリキュラムより先をいくことだと解釈している。

 用意されたカリキュラムを先になぞったところで、同じことを授業でやるのだから、あまり意味がない。

 そうではなく、その教科に関連することで、自分が興味のあることを勉強していく。

 例えば、数学だったら、なぜXという文字を使うのか、定理ってなんだろう、これは誰が見つけたのか、懸賞金のかけられた問題についてなど、知りたいと思えることを連想していくといいと思う。

 それが授業に直接結びつくことは少ないだろう。

 でも、その教科を好きになるかもしれない。

 授業は他者軸で進行される。

 そこについていけなかったとき、復習が必要になる。

 ここがわからなかったな、何を言っていたのだろう。

 この視点は、自分の興味で勉強していても、見つけることのできない疑問だ。

 受け身でなければ得られない成分であり、苦痛を伴うものだろう。

 だからこそ、すべて受け身にしないためにも、自分軸の興味に従う勉強が必要だと考えた。


 しかしながら、現実問題として、そんな時間はないだろう。

 授業が終わり、帰宅して、自主学習に充てられる時間や体力は限られている。

 そこに自分の興味に従った勉強を挟む余裕は普通ない。

 仕方なくやる勉強か、好きでやる遊びで埋まるはずだ。

 そしてときに、睡眠時間すら削る。

 エリートであろうと、凡人であろうと、社会に時間を奪われ、枯渇し、自分のために寝る間を惜しむのである。


 振り返れば、あれは軽いうつだったのだろう。

 小児うつ、疲れていたのだ。

 あのときどうにかすべきだったし、どうにかしなくても、どうにかなっているという結果が偶然あることも事実だ。


 なぜこうも社会は余裕がないのか。

 今、コメダ珈琲のジェリコを飲みながらこれを書いている。

 しみじみ思う。

 30歳を超えた今、妻を仕事へ、子供を保育園へ送り出したたまの休みにしか、こうして、ゆったりと自分の時間を取ることができない。

 それでいいのかもしれない。

 それじゃ良くないのかもしれない。

 本当のところはわからない、わからないまま幕を閉じるのが人生だという気もする。

 今年、母を看取って思う。

 厳密に言えば、父と妹に看取らせてしまった。

 忙しいという皮をかぶって、本当は現実から逃げたかっただけなのかもしれない。

 母は、何かわかって死んでいったのだろうか。

 人生について、何か見つけて死んだのだろうか。

 きっと、他の皆と同じように、何もわからず死んでいったのではないだろうか。

 暗い話ではない。

 赤信号、みんなで渡れば、というニュアンスだ。

 念仏は意味がわからない。

 意味はわからなくても、合唱することに意味があるという。

 みんなそんなもんだけど従っている、と体感すること。

 高校時代、同じように学業についていけない仲間がいれば、それでも笑って登校して、一緒に赤点を取って補習を受けてくれる奴がいれば、私も正々堂々生きられたのではないかと思う。

 そんなやつと出会えない性分である私もまた事実。

 しかし現に、そんなもんだと笑える今、過去の自分という仲間がいて心強いのだ。


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