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第2実技試験9

閲覧ありがとうございます。



「おや?僕に何か言いたいことがあるんですか?レヴィさん」


「帝国の皇子様がわざわざ私達になんの用が?と思うのはおかしくないよね?」


「そうですね。まずはそちらにお邪魔してからお話ししましょうか」




腕を引いてスタスタ去って行くギルに慣れているのか身を任せて歩く皇子様。


萎縮しているのか喋らなくなってしまったニーナ達になんか大変なことになったね、と呟くとセレスティアが何を呑気な!と目くじらを立てた。




「帝国の皇子が人前で接触すると言うことは、その人物を皇族として認めた事になるわ。男性なら側近候補ね。女性なら……まぁ皇妃はないかもしれないけど、引き抜きや妾として囲うくらいなら皇族には良くある話よ」




特に後半部分を周囲の喧騒に掻き消されてしまいそうなヒソヒソとした声でセレスティアは言った。

そっか、と頷きでもそんな雰囲気じゃなかったよ?と返すとピティがお友達になりたいのかな?と首を傾げた。



その言葉に大きく溜息を吐いたセレスティアを横目にさすがの私もそこまで楽観視はしてないと彼女に向けて首を横に振った。


ニーナが皇子なんて魔王様の息子くらいしか知らないからどう接したら良いか分からないゾ?とクラレスに聞いていたが、クラレスはクラレスでそもそも普段は水の中に住んでいるそうなのでニーナよりも無縁だったんじゃないだろうか。


するとやはりそうだったようでニーナに向かってわ、私はもっと田舎に住んでいたから!と涙目で返していた。




ふとあれだけヒソヒソしていた周囲に目を向けるといつの間にか人がいなくなっていた。

もう試験の順番でも回って来たんだろうか?と思っていたら疑問を察したセレスティアから野次馬は皆隣の客席へ行ったわよと教えてくれた。



「え、皆移動しちゃったの?試験は?」


「皇子が来るのよ?呼ばれてもいないのに同じ席に着けるわけないじゃないの。……貴女本当に一般教養の試験通ったの?」


「ゔ、それを言われると……一応と答えるしかないというか」



「あ、皇子様達来たよ!」


「あの、私そろそろ順番なので失礼します……」


「クラレス、頑張ってね!」


「絶対合格するんだゾ!クラレス!」


「はい!頑張ります!」




ピティがギル達に気が付くのと同じ頃、154番を引いたクラレスが自分の出番が近いことに気付き席を立った。

初めて会った時は大人しい印象の彼女だったが今はニーナの大声に引き攣った声を上げることもなくなったので、意外に良いコンビなんじゃないかと思っている。



ギルと皇子様が来て私たちの近くに座ると簡単な自己紹介を始めた。




「改めまして、この方はガレリア帝国皇子グレイシャ様です。殿下、こちらがレヴェリアさんとニーナさん、先程席を立ったのがクラレスさんです。そこのお2人は初めてですね。僕はギルバートと申します。ギルとお呼び下さい」


「私はヴィアラクテア王国、グレトロ男爵家養女のセレスティア・グレトロでございます」


「同じく妹のピーティアラです。お会いできて光栄です」


「グレトロ男爵……確かサウスポティエとの境に領地のある家だったか」


「ご存知でしたか。当主様より魔力持ちであることが分かったので養子に召し上げて頂きました」




すらすらと受け答えをする2人に驚いたが、思い返せば筆記試験を免除されていたわけだから後見人に貴族がいて礼節を弁えているのは自然な流れだった。

養子であれば尚のこと自身の家の為に名乗り出てくれるだろう。



筆記受けさせたいからって手を抜いたどっかの師匠とは違いますね!

というかピティってピーティアラって言うんだ……ニックネームしか知らなかった。



今で十分識別出来ているので本名を知っている必要はないのだが、今回のギルのように実は偉い人だったら困るので考えものだ。


ついでに彼の名前がギルバートだと言うことも初めて知ったが、聞き覚えがないので特に何も思わなかった。





「そうか。……君は変わった魔力をしているな。俺は見ての通り目が見えないから感知魔法に頼り切りなんだが、他とは明らかに毛色の違う魔力だ」


「え、私がですか?」




以前師匠にも言われたことがあるが、私自身にはこれっぽっちも分からない。

もしかして私が異世界から転生したっぽいことや女神様と共生していることが関係しているのかも。



おや、そうなんですか?と首を傾げるギルと俺の感知魔法を疑うのか?と眉を顰める皇子様。

2人は気安い関係でもあるのか、まさかそんなことあるわけ無いじゃないですか!と大袈裟に言うギルに彼はニヤリと口端を上げた。



ただそれを初対面のしかも皇子様に言うわけにもいかず、そうですかね?と曖昧に笑うことしかできなかった。




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