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第2実技試験6

閲覧ありがとうございます。



数分の思案の後、セレスティアは試験に参加することを決めたようだった。

棄権すると宣言していた青年は私達に苦笑いしてこう言った。

「変わり者だな。……精々死ぬなよ」



むしろその言葉が死亡フラグっていうか。

心配してくれているのは有り難いんだけどね。



私もつい苦笑いしながら会場を去って行く青年に手を振った。

気が付けば周囲にいた野次馬も皆移動したようで残っていたのは私達だけだった。


ニーナが目を輝かせながらホントに戦うんだナ!見るのが楽しみダ!と拳を握って言っていた。

それって私達がやられるのが……?と笑みを向けつつも米神に汗をかいたのは私だけではないようだ。

クラレスも声には出していないが苦笑いしていて、セレスティアは勝てない可能性の方が高いのに注目されたくないわ、とむくれていた。








これから試験の詳細を説明する、と魔法で声を拡散した緑の髪の男性が壇上に上がるとバラけていた受験者達がぞろぞろと中央に集まっていた。

そういえば彼の名前を知らないな、と顔を見てから思った。


クリーム色の髪のクオーレさんは最初に教えてくれていたので、個人の裁量に任されているのかな?




「ここまで残った者なら問題ないか……。自己紹介が遅れたが俺はニイーズナー。学院では魔術学科を担当している。もし諸君が入学した際には授業を受け持つことになる」




ニイーズナーさんは堅い口調でそう言うと続けて試験について話し始めた。

どうやらこの堅い話し方は緊張とかではなくこの人の地なのかも知れない。




「先程話した通り、今回の第2実技試験では北のダンジョンで捕獲して来た魔物と戦ってもらう。30分以内に魔物を倒すか檻に戻せば合格だ。檻に戻す場合、魔法を使って誘導しても良いし拘束して無理矢理入れても良い。ただし30分を過ぎたり魔物を殺したら失格だ。以上、質問のある者は?」


「あの、良いですか?」


「なんだ」


「中の見えない檻があったんですけど、どんな魔物がいるんですか?」


「あれの中身は北のダンジョンの深層に生息する魔物だ。人が寄り付かない所に棲むため凶暴で、常に視界を遮って置かないと暴れるからああしてある」




誰かの質問に対するニイーズナーさんの返答に会場が一気にざわついた。


そりゃそうだ。

なんだってそんな魔物を捕獲して来ちゃったんだよ、と皆が思うのは当然だと思う。


そしてニイーズナーさん自身もそう思っているのか、呆れたように溜息を吐きながらこう付け足した。




「毎年実技試験では卒業生を中心に外部へ協力を要請している。そして今年も選ばれたある人物達が快く手伝ってくれたわけだが、何故か依頼した内容よりも上位の魔物を何匹か捕獲してきた。お陰で今年の実技試験は一部の受験者にとって中々の難易度になるだろう」



そう言ってニイーズナーさんは私達の方をチラリと見た。


この感じだと木札の番号は把握されていると見て良いのかな?

というか手伝った人物、余計なことしてくれたな。

善意の皮を被った嫌がらせなんてどっかの師匠を思い出して何だか頭が痛くなって来た。




「因みに手伝って下さった人物曰く、今年は愛弟子が受験するから気合い入れて準備しちゃったわ!とのことだ」




おいいいい!!

もしかしなくても師匠か!?絶対そうだろ!!


しかもまさかのその魔物に当たってますけどね私!

どんだけ運が悪いの!?

いや、むしろこれは師匠の呪いか?




ニイーズナーさんは相変わらずこちらをチラチラ見ているので、元凶の弟子が誰か分かっているのかもしれない。

私のせいではないはずなのに、何故か居心地が悪くなってニイーズナーさんからスッと目線を逸らした。


しかしその私よりも理不尽に被害を受けた人がすぐ近くにいた。



「何よその訳わかんない理由はっ!その弟子とやらのせいで私達に無駄に強い魔物が当てられたってこと!?」


「……あはは」



ホント、返す言葉もございません。

全ての不満は師匠へお願いします。


そういえばニイーズナーさんが手伝ってくれた人達って、複数形で言ってたけど1人は師匠が確定としてあとは誰だろう。


師匠の悪ノリに全力で乗る人……え、まさか。




魔術師のラリューヌさんはおっとり系だが意外とノリは良い。

だが魔物を捕獲するとなるとグロウが戦いたがるので生け捕りは難しいと思う。

以前アンペルに完膚なきまでにボコボコにされたとは言え、ラリューヌさんの使い魔だけあってワイバーンのグロウはちゃんと強い部類だ。


次いで錬金術師のリーレットさん。

確かアルティ学院にも研究の関係でよく来るそうなので、もしかしたら手伝うこともあるかも知れない。

ただあの人はちゃんと良識ある人なので試験で公平性を欠くようなことを進んでやるとは思えない。



となると思い当たるのはあと1人。

久しぶりにこの間会ったばかりの大賢者、セルージュさん。

そういえばわざわざ髪飾りを渡しにだけ来たにしては慌ただしく出て行っていた。


師匠も筆記試験からちょくちょく不在だったし。

確か実技試験当日も宿にいなかった。




……まさか、セルージュさんか?

確かに師匠に甘いしノリも良い。


娘のように可愛がってくれてるところ申し訳ないが、この分だとそろそろ思春期来ちゃいそうですよマジで。



今回の愉快犯達の目星がついてしまったところで、では試験を始めるぞとニイーズナーさんから声が掛かった。



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