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第2実技試験4

閲覧ありがとうございます。



「……っと………ちょっと、聞いてる?」


「……ハッ!ごめん、もう一度言ってもらえる?」


「だから、全員木札を引き終わっても試験内容を説明して棄権者がいなくなるまで試験は始めないそうよ。それなら時間があるから相手になる魔物を見に行く?と話していたのよ」


「ありがとう。そうだね、行こうか」


「全く、そんな状態で試験を受けて大丈夫なの?」


「ちょっとボーッとしてただけだから大丈夫!」




どうやら私が呆けている間に話が進んでいたみたいだ。


近くにいたセレスティアが意見を聞こうと上の空だった私に話しかけてくれていたが、生憎と頭に入って来なかった。

もう一度ごめんね、と言うと別に……とそっぽを向かれてしまった。



こちらが悪いので仕方がないのだが思わずこれがツンデレ……とセレスティアの顔を見つめてしまった。

するとじろりとこちらを見て目が合ったセレスティアにまた小言を言われる前に、慌てて魔物の収容された檻のあるゾーンへ向かうことにした。



前を歩くニーナ達は耳が良いのかコレはどの魔物の鳴き声だ、とかアレは固有魔法を持たない種だゾと教えてくれたりしていた。

魔物について教えてくれるのは助かるが、まだ私達が相手にする予定の番号の檻は見つかっていない。




出来ればそこでも解説してほしいなぁ。

と失礼にも思っていたらそのバチが当たったのか、一際大きな檻が3つほどありその周囲に三角コーン代わりの樽が四方に幾つも置かれていて、樽同士を繋ぐようにしてロープが張られているところを見つけた。


その檻の格子扉に結ばれているプレートをよく見ると私の持つ木札と同じ237と書かれているではないか。



え、なにこの嫌な感じ。

見るからにこの中にいる魔物は危険ですよ、と言わんばかりだ。

それに木札の番号と同じ番号の檻の魔物と戦うって言ってたよね?




中にいる魔物を覗こうと近付くもよく見えない。

他の魔物の檻は中が見えていて、魔物側も外にいる私達を威嚇しているので双方見えているようだ。

なのにこの檻3つは鉄格子があるのは分かるのに中身が真っ暗だった。



これじゃなんの魔物が相手なのか分からないな。


ふと隣を見るとセレスティアも目の前の3つの檻を見つめていて、彼女の手元にある木札は189番。

そして檻に目をやると私の番号である237番の隣にはお約束のように189と言うプレートが掛けられていた。




この特別待遇な檻3つのうち2つが私とセレスティアか……ホントに嫌な予感しかしないぞこれ。


お互いに遠い目で檻を見ていると、他の3人は自分達のところを見終わったらしくこちらへやって来て声を掛けられた。




「ワタシの相手はアシッドグリズリーだったゾ。西側に生息していると聞いていたが北にもいるんだナ!」


「私は大型のフェンリル近縁種だった!前に見たレヴィの使い魔よりも獰猛そうな子だったよ」


「小型の猫っぽい魔物だった……猫……」


「もう皆見てきたんだね。ピティ、フェローは私の師匠の使い魔だよ」




ピティの記憶力に驚きつつちゃんとその件に関しては訂正を入れておいた。

使い魔、いるにはいるけど色々大変な子だし。


ピティはそっか!と明るく返すと、お姉ちゃん達はもう相手の魔物は見たの?と聞いてきた。

その言葉にセレスティアがふるふると頭を左右に軽く振ると例の中身の見えない檻を指差した。

ついでに私も自分の木札を見せてアレだよとアピールしておいた。



私達のリアクションを疑問に思ったピティがつられるように檻を見ると、やはりさっきの私と同じ疑問を抱いたようだ。



「あれ?この檻、なんで中が見えないの?」


「他の檻は見えていたのにナ。匂いもしないし、本当に魔物がいるのカ?」



くんくんと鼻を動かして匂いを嗅いでいるニーナに驚いた様子のセレスティア。

すかさずクラレスが魔人は感知魔法が得意で人よりも嗅覚や聴覚が発達していることが多いとフォローしていた。



クラレスの言葉にそうなの、と少しホッとした声色で返すセレスティアに私も何となく詰めていた息を吐いた。

今まで魔人と接したことがなく、しかもヴィアラクテアの出身とあって無意識に身構えてしまったのかも知れない。

ピティと違って彼女はあまり感情を表に出すタイプではないから尚のことだった。

同じ気持ちだったのか、納得したようにニーナを見たセレスティアにクラレスも安堵からはぁと息を吐いた。




因みにクラレスは水の中に住む魔人なので陸の魔物をあまり見たことがなく、小型とはいえ猫っぽい魔物に緊張していると言っていた。

あの固有魔法を上手く使える状況に持ち込めればと思うが、それはクラレスも考えていることだろう。

あとは音波による魔法攻撃も感覚の鋭い魔物には効果的かも知れない。





檻の前に張られたロープの傍でたむろしていると、ふらふらと青白い顔の青年が私達を睨み付けながら指差した。



「何を呑気なことを言ってるんだ……!この中の魔物がどんなヤツかなんて、ちょっと想像すれば分かるだろ!?」



え、急に何?

戸惑う私達へ向かって青年はこの檻の特別待遇の理由について話し始めた。



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