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帝国皇子付きの憂鬱3

閲覧ありがとうございます!



クラレスは固有魔法を使いこなせないと言っていたがそれは陸上という環境での話らしく、仮に発動場所が水中であったなら確実に使うことが出来るという。

彼女の固有魔法は音波による睡眠魔法で相手に聴こえていなくても音波が届けば発動するらしい。


睡眠魔法は毒属性魔法に分類されるがその中でも強力かつ扱いの難しい魔法だ。

まず術者が魔力を睡眠作用のある物質に変えた場合、どのような手段で対象に使用するかで使い勝手が変わる。




基本的には相手に接近しなければ発動せず、油断を誘ったり隙を突いたりして使用するのが一般的だ。

もし使えることが相手に知られれば対策を取られやすく、一発勝負の側面が強い為戦いでは序盤や近接戦闘時に使うことが多い。


ニーナを倒した推定英雄も恐らくその手を使い不意打ちで眠らせたものと考えられる。

だがよく見るとニーナが小さく身じろぎしているので目を覚ますのも時間の問題だと推測した。

彼はあまりこの魔法の適性が高くないのか、使われたのはそこまで強力な睡眠魔法ではなさそうだ。



対してクラレスは固有魔法として睡眠魔法を使うことが出来る、ということで適性は申し分ないと見て良い。

ただ陸上では使用出来ないとなるとどうやって彼等に当てるかを考えなくては。





思案しながらレヴィと3人の戦闘の様子を観察していると、土魔法と風魔法を上手く応用して相手を追い込んでいるのが見えた。


そうか!僕を拘束した人物は風魔法を得意としている、対してニーナを埋めた人物は土魔法。

そして魔法を同時発動出来る者は殆どいない。


英雄であれば同時使用も出来るだろうが、彼のチームメイトがそこまでの実力者であるとは思えない。

仮に使えていればレヴィの土魔法もしくは風魔法を打ち消すはずだ。


あの土魔法、使えるな。

クラレスの固有魔法を使える環境を整えれば、上手く罠に嵌めることが出来るかもしれない。




そうなるとレヴィが2人に魔法を使わせるまでに状況を共有したい。

ニーナを見ると既に意識を取り戻していてジャスパーが周りに穴を開けて回っている。


先にクラレスに考えていることを話すと最初は戸惑う様子を見せたが、英雄の相手をしているレヴィを見ると頭を振って真剣な表情でやるべきことを聞いて来た。




「あの、ギルさん……私はどうすれば良いですか?」


「もうすぐレヴェリアさんのお陰で僕にかけられた風魔法が解除されます。まずは彼女と合流しましょう。ニーナさん達に指示を出したいのですが、何か良い方法はありますか?」


「それなら私が伝えられると思います」




そう言うとクラレスはニーナ達の方向を向き両手で口元を覆うと手の甲に魔力リングが発現した。

そのまま何かを喋ると離れた場所にいる2人がパッとこちらを見た。

そしてクラレスの話を聞き終わると片手が地面から抜けたニーナが親指を立てて合図を送って来た。


恐らく先程話していた音波を応用した連絡手段なのだろう。

目的の人物に確実に届けられるのか、それとも範囲内の者にも届いてしまうのかは分からないがとても便利な魔法だと感心した。




レヴィの魔法を受けて這いつくばっている2人を観察すると、僕を風魔法で拘束した男が詠唱を始めたらしく周囲の竜巻の威力が急速に弱まって行く。

人間を浮き上がらせる程の威力の風が弱まれば体は重力に従って落下する。

落ちながらもタイミングを見計らい着地に合わせて風魔法を使い衝撃を抑えた。



着地と同時にクラレスへ声を掛けて交戦中の彼らに向かって走り、体勢を立て直した2人がレヴィに攻撃するのを邪魔する為に僕達も魔法を行使した。


何とか合流してレヴィに最低限の作戦を伝えると、彼女は軽く頷いてふわりと浮かび上がると手を頭上に翳して大きな魔力リングを出現させた。




僕が想定していたよりも大きなリングにえ、と思わず引き攣った声が出た。

どう見ても目眩しに使うような規模の魔法ではない。


確実に相手を殲滅させる目的ですよね?

僕の話聞いてました?

まさかあの規模の魔法で目眩しする気ですか?

あんなので砂埃起こしたら僕らの目も潰れますけど!


残念ながらそう声を掛けようにも既に発動状態であった為、間に合いそうになかった。



嫌な予感は的中しそのまま彼等の足元目掛けて見るからに初級とは言えない中規模の雷魔法を放出した。

一瞬、これがもし彼等に直接ぶつけていたら離れた場所で最初の方にレヴィに倒されたまま動かない相手の2人のようになるのでは?と冷や汗をかいた。

アレは恐らく状態異常の魔法だろうからまだ良いが、こっちは強力な攻撃魔法だ。

最悪オーバーキルになりかねない。失格する可能性すらある。


ぶわっ!!と勢い良く舞い上がった砂埃と言うより最早砂嵐が相手だけでなくこちらの目まで潰しに掛かってきた。

咄嗟に自分とクラレスの周りに風魔法を発動して避けられたから良いものを、不意打ちで喰らった向こうは悲惨なことになっていそうだ。




兎も角これで英雄以外の足を止めることに成功するだろう。

英雄はジャスパーに気付いた様子から感知魔法を使えるはずなので、籠を持つレヴィを追い掛けるだろう。


残る2人にサポートさせないよう、この砂嵐が機能しているうちに無力化する必要がある。

ニーナとジャスパーがこちらへ到着するまでに事を終えるのがベストだ。


クラレスに行きますよ!と声を掛けて砂嵐に怯んでいる男達へ向けて風魔法をぶつけた。



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