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帝国皇子付きの憂鬱2

閲覧ありがとうございます!



どうやらあちらもまだチームメイトを探している途中らしく、魔人が一緒で良いならと快い返事をしてくれた。

僕自身は特に彼女達の種族はどうでも良かった。

先の条件をクリアし、実力があってこの試験を突破出来るなら誰がチームメイトでも良かったからだ。



それにしても、魔人と進んでチームを組むとは随分と変わった人だな。



異種族嫌いで有名なヴィアラクテア王国に限らず、主に人間の住む土地では魔人というのは魔物の血が混じっているために忌諱されることが多い。

ごく稀にだが魔物の血が暴走する者がいるからと言うのを聞いたことがある。


勿論それだけではないだろうと僕は考えているが。




これに関して今は置いておくとして、彼女が組むのを約束しているという魔人については詳しい情報を知っておく必要がある。


帝国の戦闘訓練では魔人と連携をすることも対戦することも想定されていなかった。

我が国で軍隊所属でない者に施す訓練の目的は主に対人戦と防衛戦。

よって攻めるよりも守りを固めて少しでも逃げる時間を稼いだり応援の到着を待つのがセオリーだ。



彼等には混じっている魔物の種類によっては固有魔法というものを使うことが出来ると聞いたことがある。

その種類は様々だそうで、姿を消したり癒しの魔法を使える者もいるのだとか。

人間では女性にしか発現しないと言われる癒しの魔法だが、魔人ではどうなっているのか気になるところだ。







そうして集まった面々はある意味程よくバランスの取れた良いチームだった。

得意な属性魔法の偏りは少なく、見るからに接近戦タイプのニーナに援護型のクラレス、そして知識が多く固有魔法の関係から中距離又は遠距離サポート向きのジャスパー。


そして接近戦が苦手だと言うがそれ以外にマイナスのないレヴェリア。

彼女に至っては能力が未知数と言わざるを得ない。

僕は鑑定魔法こそ持っていないが、それなりに目は良い方だ。

なのに彼女の持つ能力の全体像が全く見えてこない。



属性魔法がひと通り使えるという発言にも驚いたが複数の魔法を流れるような動作で同時使用した挙句、極め付けは無詠唱での発動。

こんな意味の分からない存在を僕は今まで見たことがなかった。





大陸でも指折りの戦力を誇る我がガレリア帝国軍隊長達ですらここまで高度に魔法を使いこなせてはいないだろう。



そんな彼女の実力を知る機会はすぐに訪れた。


休憩所から移動した先で待機していると僕達のチームを見てひそひそと噂している人の中に明らかに上位の実力者がいた。

全員が一定以上の実力を持っていることがその見た目や隙の無い動きですぐに分かった。



正直格上の相手なので勝算は低いと思っていた。

魔人は人間とは違い固有魔法という特殊な魔法を使える者はいるが、それが今回どれだけのアドバンテージになるか未知数だったからだ。





いざ試合が始まるとニーナが特攻してしまったので僕も続く必要があり、そのお陰かもしくはあちらが僕達を格下と見て手を抜いていたのか先制攻撃をすることが出来た。


しかしすぐに彼等は体勢を立て直し反撃を仕掛けて来た。

不覚にも隙を突かれ雷魔法で体の自由を奪われ、一瞬ではあったが気を失ってしまった。


先程お茶を淹れてくれたレヴィの無詠唱かつ流れるような魔力操作を彷彿とさせる彼等の魔法にやはり只者ではなかった、と歯噛みした。




目を覚ますと僕の使った風属性魔法による拘束の仕返しなのか、更に高度な竜巻状の風属性魔法で体を拘束されていた。


何とか魔法を破ろうと詠唱を唱えるも、彼方の魔法の方が強力なようで打ち破ることは難しいようだ。

魔法を消したり無効化する魔法は存在しないので止めるには術者本人に止めさせるか、更に強い魔法で打ち消したりするしかない。


ふと周囲を見回せば、ニーナが相手チームに倒され地面に埋められている最中だった。



くそ、僕が捕まらなければ!

早くこの竜巻を何とかしないと。




体を動かそうにもまだ魔法の効果が残っているのか痺れていて自由が効かず、更に風で拘束されているため身じろぎもまともに出来ない状態だった。

そんな中、ただでさえ格上の相手チームが3人もレヴィの元へ向かっていて内心負けを覚悟した。


しかし彼女の無詠唱というだけではない魔法捌きと接近戦が苦手と言っていた筈なのに無駄のない動きを見てふとある作戦が浮かんだ。

そこへちょうどジャスパーが土の山の影を走り抜けるのを見かけ、更にそれに気が付きながらもスキンヘッドのリーダー格が籠目掛けて走って行くのが見えた。




もしかして彼は感知魔法が使える……?

それにあの出立ち、何処か見覚えがあるような。



ハッと彼の正体に得心がいったと同時期にクラレスが僕を救出しに来てくれた。

恐らくクラレスの魔法でもこの竜巻を打ち消すのは難しいと判断したので、まずは先程思い付いた作戦を彼女と共有することにした。





彼等は格上の、恐らく10年前クロノバレドで英雄と呼ばれた男が率いているチームだ。

真っ向勝負ではこちらが負けるだろう。


レヴィが2人戦闘不能にしてくれているので残り2人を僕達が分断しリーダーだけをレヴィに当てようと考えた。

先程の身のこなしを見るにリーダー1人ならレヴィが対処可能であると判断したからだ。



彼女がリーダーの相手をしている間にニーナを送り込み2対1に持ち込む。

そして隙を突いて籠を奪い隠れているジャスパーへ渡す。

ここまでが僕の考えた作戦だ。




だがこの作戦を成功させるには彼等をバラけさせ、リーダー以外を確実に戦闘不能にする必要があった。

その方法について思案していると、僕の作戦を聞いたクラレスから意外な提案をされたのだった。



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