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初契約5

閲覧ありがとうございます!



とはいえもしも見つかったら絶対他にもやらかしていないか調べられるわけで。

きっとレジーナやアンペルのことだって突き止められてしまうに違いない。

むしろこの人クイーンに至っては使い魔にもしちゃってるから隠す気ゼロだし。




抑えきれない溜め息が漏れたところで師匠がレジーナのブレスで燃え滓になったソレを杖でパパッと片付け、ガスマスクを外すと部屋の中のよく分からない物と共にガチャガチャと仕舞ってからパタンと実験室の扉を閉めた。


話しかけても良さそうな雰囲気なのでさっきのよく分からないクリーチャーについて聞いてみることにした。




「さっきの奴、なんであんなの作ったんですか?」


「たまたま手に入れた昔の文献に新鮮な魔物の核を使った実験の記録があったのよ。ちょっと興味本位で見様見真似してやってみたけど、結果はイマイチだったわね」


「興味本位……こっちは命の危機を感じたんですけど!」


「減らない歩兵って書いてあったけど、あんなブレスもどきで燃えちゃうなんて実戦運用はてんでダメそうね。単なる覚書きだったみたい」


「倫理観ちゃんと機能してます?」




もはや開いた口が塞がらない、なんてもんじゃない。

とんだマッドサイエンティストじゃないか。


いや、これまでの奇行を思い出したら今更だとは思うけど。

本当にいつか何かしらの罪でしょっ引かれるぞ?


しかもあのクリーチャーを作ったのが単なる覚書きって……昔の壁画とか俳句とかみたいに言わないで欲しい。

未来で凄い!と皆に読まれているのが単なる偉人のプライベートな日記だったり手紙だったりするのと同じものを感じた。


きっとその時が来たら、私は何の罪状か心当たりがあり過ぎて分からなくなるに違いない。

むしろ1回くらいそうなった方が良いんじゃないかとさえ思う。





あまりのクレイジーさに呆れつつ、ふと抱き上げているレジーナを見ると大人しく私に擦り寄りながら何かを咀嚼するようにもごもご口を動かしている。


何となく違和感があったのでレジーナを持ち上げてよく見ると、満足そうな顔で何かを食べるような仕草をしている。

もしかしてコイツ、私の魔力吸ってる?



師匠は着ていた白衣を脱いで椅子の背もたれに引っ掛けながら、驚いた様子で椅子に座る私の向かいに腰を下ろした。




「あら!レジーナの額、使い魔契約の証が出ているじゃないの。いつの間に契約したの?」


「それを聞きに来たんです!指示通りレジーナに魔力供給してたら急にこれが出現したんです」


「相当気に入られたのねぇ。良いんじゃない?使い魔、いると便利よ。ただレジーナはまだ赤ん坊だから指示しても通じないと思うけど」


「……それってただの子守り兼魔力サーバーってことですか?」


「面白いこと言うじゃない。勿論レジーナ専用の、ってことね」


「そういえばレジーナ、ずっと吸ってるんですけどコレって良いんですか?」


「契約して自分の好きなタイミングで吸ってるだけだから放っといて良いわよ。どうせお腹一杯になれば吸えなくなるから。現にもうそこまで吸われてないでしょ?」


「まぁ、そうですけど。何となく吸われてるなってくらいで」




慣れてないから違和感があるのかな。

魔力を吸われるなんてこと滅多にないし。


そのうち慣れるわよ。と師匠が言うのでそうなんだろう。

何せ3体も魔物と契約しているし、内1体はドラゴンで消費量も桁違いのはずだ。

でもこの人と今まで一緒に過ごしていて魔力が枯渇している様子はなかったけど、魔力総量が多いとかなのかな?




「師匠は3体も契約してますけど、魔力が枯渇したりしないんですか?」


「普段過ごしている分には感じないわね。皆を一辺に駆り出すこともないし」


「じゃあ大規模な戦闘時なんかは分からないですね」


「早々ないと思うけど、もしあったとしてもフレアクリスタルや魔鉱石に魔力を保管しておけば良いのよ」




言いたいことは分かるけど、使い魔に供給可能な量を貯蔵出来るレベルの魔鉱石はかなり貴重な筈だからそもそも手に入らないんじゃ?


と思いつつもこの人はこう言う人だから、どうせあっさり出来ちゃうんだろうなと諦めにも似た感情を抱いた。


じとーっと見ているといつかのように良いこと思い付いた!と言わんばかりにニヤけた顔で此方を見てくる師匠に何となく嫌な予感がした。




「そうだ!折角契約したんだし、自衛のためにもレジーナを訓練しましょうか」


「訓練?でもまだ小さいから私の指示は聞かないんじゃ?」


「指示なんて常に出来るわけじゃないんだから、本人に考えさせれば良いのよ!」




うわ、出た!

こっちの指示を聞かないって分かってるのに戦闘訓練って、つまり私にサンドバッグになれってことでしょ!?



さっきのクリーチャーに吐き出したブレスを思い出して遠い目で明後日の方向を見つめた。

そんな私に構うことなく、師匠はやけに乗り気なテンションでクイーン達にも話を付けておくわね!と言って椅子から立ち上がると軽い足取りでパピヨンの玄関扉から外へ出て行った。



話を付ける、つまりアレか?

親バカ真っ盛りの2匹を師匠お得意の肉体言語で説得するってことか?



外から聞こえて来た爆発音で不本意だがその予想が当たっていたことを確信した。



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