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第1実技試験6

閲覧ありがとうございます!



当時を思い出せば思い出すほど師匠発案のトンデモ理論による修行が難易度設定を間違えていることに気が付いてしまった。

そしてそれを何だかんだと乗り越えてしまった私、もしかして色々ズレてたりする?


驚愕する皆からの視線に耐えかねたので慌てて自身の発言に対してフォローを入れることにした。




「私に魔法を教えてくれた人がね、呪文や詠唱は使わないって言ってたからそういうものだと思ってたの」


「そんな人がいるのカ!?」


「さぞ高名な魔法使いに師事しているのですね。苦手な魔法などはないのですか?」




脱線しかけていた話を戻すようにギルが上手いこと繋いでくれた。

こういう人が1人いると話が進んで助かるわ。

変な空気のまま実技試験に臨むのは御免被りたいところだ。




「属性魔法は一通り使えるよ。特に苦手な魔法はないかな。強いて言うなら肉弾戦は戦力外だね」


「属性魔法が」

「一通り使えるだと!?」

「なんだっテ!?」

「ひぇ〜っ」



あ、またなんか間違えたっぽい。

更に空気が混沌として来た気がする。


ギルがオレンジ色の目を白黒させて困惑していたが、次第に頭を抱えるような悲壮さで額に手を当てて俯いてしまった。

ジャスパーも目を閉じて天を仰いでいて、2人に申し訳なさを感じつつも何故か面白かった。





「ま、まぁレヴェリアさんのことは一先ず置いておきましょう。ジャスパーさんはいかがですか?」


「オイラは土魔法が得意だ。あと固有魔法で体を普通のネズミサイズまで小さく出来る」


「それは有利に働きそうですね。ニーナさんは?」


「ワタシは火魔法ダ!固有魔法は魔獣化だゾ」


「魔獣化が使えるのか!?」


「すごい……!」




得意げにしているニーナと驚くジャスパーにクラレス、そしてイマイチ理解出来ていない私とギル。

正直魔人に関しての知識は筆記試験の範囲外であったので師匠やセルージュさんなどから聞き齧った程度のことしか知らない。

なのでニーナの言う魔獣化とやらがどれくらい凄いことなのかがよく分からなかった。



分からないことは聞くしかないと思い、驚くジャスパーに説明を求めることにした。




「ねぇジャスパー。魔獣化ってどういう魔法なの?」


「力のある魔人のみが持つ固有魔法で、入っている魔物の血を魔力で覚醒させて体をその魔物の形に変化させるんだ。元の魔物自体に力がないと覚醒しないし、もし覚醒しても魔物に近くなるせいで理性を保てない奴も多い。だから固有魔法として習得出来る者は限られるんだ」


「使うのが難しい魔法なんだね」


「そもそも魔人は固有魔法を使いこなせない奴も多いから、皆が皆持ってるわけじゃないけどな。でも人間とは違って感知魔法や身体能力強化の魔法は大抵の奴が使えるぞ」




興奮した様子で説明するジャスパーになるほどと頷き、だからニーナは感知魔法と固有魔法は別だと言ったのかと納得した。

人間では固有魔法という概念があまりなく、土地や家柄などで得意な魔法や使える魔法があるという程度の認識だ。


師匠によれば訓練によって魔法の練度を上げたり使える魔法を増やすことも出来るそうなので、その点では人間の方が使える魔法に幅があるのではないかと思う。

けれど魔人は感知魔法や身体能力強化の魔法が基本備わっているようなのでやはりニーナの言っていた通り、人間で言うところの生活魔法的な扱いなのだろう。




ジャスパーの話がひと段落する頃にはニーナはテーブルに突っ伏して寝てしまっていた。


こいつ、本当に自由過ぎないか?


ちょっと呆れたような、むしろ今後の授業とかが心配になるような。

複雑な気持ちで寝ているニーナを見ているとジャスパーがこう付け足した。




「魔獣化の魔法が使える奴は魔力消費量が多いから、よく寝たりよく食う奴が多いらしい。ニーナもこれから魔法を使うだろうから温存しているんじゃないか?」



なるほど、だからさっきテントの中を見て寝れそうだと言っていたのか。

てっきり私たちの話に飽きたから寝てしまったのかと思った。

テーブルに突っ伏すニーナが横を向いたので顔を見ると、何とも気持ち良さそうな表情でイビキまでかいていた。


……しかしこの爆睡具合を鑑みるに魔力消費云々もあるだろうが、きっと飽きたのもあるんじゃないかなと薄っすら思った。




またしても何とも言えない空気になってしまったが、ここまで来たらやり切るしかない。

ギルはついに眠りこけるニーナをスルーして最後のクラレスから話を聞くことにしたようだ。



「クラレスさん、貴女は何か得意な魔法や苦手な魔法はありますか?」


「ぁ、えっと、わたし、は……水魔法が得意、です」


「水魔法ですか。とするとこのパーティはとてもバランスが良くなりますね」



僕は風魔法が得意なんです。と笑顔で付け足したギルは次いでクラレスに固有魔法などはお持ちなんですか?と聞いた。

ギルの話し方は圧迫感がなく話し易いのか、次第にクラレスは詰まらずに話せるようになってきていた。



しかし途中、不意にクラレスが寝ているニーナの方をチラッと見ていたのに気が付いてしまった。


あ、もしかしてニーナが怖かった?

ふぅ、と息を吐き出しているのを見てそれは確信に変わった。




このパーティ、バランスは良いけど相性はちょっと分からないですよ、ギルさん。

そう心の中でギルに語り掛けた。



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