第1実技試験4
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人見知りへの対処法、まず無理に目を合わせない。
彼女が起き上がったことで不要になったローブを持ち上げて軽く洗浄魔法をかける。
すると今まで自分が枕にしていたことに気が付いたらしく顔をサッと青くして慌てた様子で言ってきた。
「ご、ごめんなさっ!わたし、それ、汚れが、」
「大丈夫。私が勝手に敷いただけだから。それよりも具合は悪くない?」
「ぁ、だ、大丈夫……です」
「良かった」
今1番大事なことだ。
人見知りでも対人恐怖症でも良いから入ってくれるなら有難い。
もう1人でいる人がいないから今を逃すと次いつ見つかるか分からないのだ。
話しはしているけどローブを着たりしているので目線はまだ合っていない。
でもニーナのことは謝らないとだからそこはキチンと目を見る。
「ニーナが無理に連れて来ちゃってごめんね。誰か一緒に組んでる人はいるの?」
「……いいえ。わたし、誰にも声を、かけられなくて、その、」
「じゃあさ、私達のチームに入ってくれない?」
「え?」
なにをそんなに驚いているんだろう?
パッと見れば私達は4人。あと1人欲しいのは見れば分かると思ったけど。
あ、あとで合流すると思われているのかな?
「ちょうどあと1人一緒に組んで欲しかったんだ。一応聞くけど、魔人が2人いるけど大丈夫?」
「ぇ、ぁ、だ、大丈夫……わたしも、魔人だから」
「そうなんだ、良かった。じゃあ早速登録に行こうか!名前は?私はレヴェリア。レヴィって呼ばれてるよ」
「……わたしクラレス。クラレスヴィーナって、いうの」
「そっか。よろしくねクラレス」
「ぅん、よろしくレヴィ」
途中まで目を彷徨わせていたクラレスだが、挨拶の時はちゃんと目を合わせてくれた。
3人と合流する前に人と話すのは苦手?と聞くとうん、と小さく頷いた。
特にニーナのような話が勝手に進んでしまうタイプはどうしたら良いのか分からなくなってしまうらしく、積極的に関わってこなかったという。
学校の大人しいグループがパリピに自分から絡むくらい難しい事なんだろう。
無理に関われとは言えないけど、せめて試験の間だけはお互いに協力し合えると良いな。
3人には私から一緒に組んでくれることと、話すのが苦手みたいだからあんまり質問攻めにしたりしないようにね、と話しておいた。
素直に頷いてくれた2人に対し残る1人はよく分かってない顔をしていた。
なので今度はその1人に向けて一気に沢山話しかけたり返事を聞かずに行動したりしないこと!と伝えた。
そいつはやはりイマイチ分かっていない様子でんーと適当な返事をして来た。
お前のことだぞ、ニーナ!!
今の言葉は主にお前に向けて言ったんだぞ!?
顔の横からピキッと音がした気がするので漫画だったらきっとコメカミに青筋が立っていると思う。
まぁ最悪魔法でシバけば良いか。
なんか思考回路が師匠に似て来た気がするけど気のせいだよね。
クラレスが加わったので、これで晴れて登録しに行くことができる。
南側の出入り口へ向かい列に並んで周りを見てみると、未だチームを作れずに彷徨っている人も何人か見受けられた。
なりふり構っていられないだろうから、魔人だろうが貴族だろうが誘ってしまえば良いのに。
チームが作れなかった人達がどうなるか説明されていなかったが、力づくで勧誘しようとしたり相手と揉めている人が誘導されて行くのを見るときっと試験脱落になるんだろうと悟った。
最初こそおどおどと話していたクラレスだがニーナをあしらったギルの話術で受付まで列が進む頃には詰まりながらも会話が続くようになっていた。
ギルって何者?
ガレリア帝国から来たって言ってたけど、絶対平民じゃないよね?
柔らかな物腰と穏やかな話し方は暴走しがちなニーナと萎縮し易いクラレスを見事に手懐けている。
貴族か名のある商人の家でもないとこんな芸当出来ないと思うんだけど。
ついでに身に付けているものもラリューヌさんの服みたいな高級品ばかりだし。
受付には筆記試験の時にお世話になった緑の髪の綺麗な顔をした男性が立っていて、彼から渡された紙にチームのメンバー全員の名前と種族、申請する魔道具を記入する。
読み書きが苦手なニーナもそこは問題ないそうでヨレた文字だったがちゃんと名前を書いていた。
種族は人間、魔人、魔物とチェック項目がある。
それぞれ私とギルは人間、ジャスパーとニーナ、クラレスは魔人の欄にチェックを付けた。
記入した紙を渡すと昨日渡された石を出すように言われた。
それぞれポケットを漁り親指大の鉱石を取り出して5個机の上に置いた。
すると隣に木箱が置かれてローブや荷物をそこへ入れるように言われた。
先程申請した髪飾りを着けたままローブを脱いだ私はそれを丁寧に畳んでから木箱へ入れた。
それに倣うように他の人たちもローブや装備を脱いで木箱へ入れていった。
メンバーで魔道具を申請したのは私とクラレスだけのようで、あとの皆は手ぶらで装飾の類も着けていなかった。
クラレスは首からネックレスを下げていて何かしらの補助用魔道具なのだろう。
大切そうに握りしめながらローブの入った木箱を不安そうに見つめていた。
全員が準備を終えると男性から金属の小さな籠を渡された。
そこには私たちが先程渡した鉱石が5つ入っていて、これを試験で使うと言われた。
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