第1実技試験2
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声を掛けてくれた少年に名前を聞くと、ギルと名乗った。
私も名前を教え、ニーナと合流したいと伝えると着いて行きますと快く頷いてくれた。
これでニーナを入れて3人になった。
あと2人誰か居ればチームとして登録しに行くことが出来る。
南の出入り口を見ると登録待ちの列が出来ていて、仮に今集まっても並ぶことになるだろう。
ならまだ人を集める時間はありそうだ。
運動場内は大分人が減り、最初の半分以下になっていた。
皆ある程度は人が集まっているようで3人組や4人組が多く見受けられた。
ギルとニーナを探している間にも数回声を掛けられたが、こちらが3人かつ魔人がいることを伝えるとじゃあいいと去って行った。
中にはお前達だけ来ないか?と言ってくる不届き者もいた。
やっぱり性格悪い奴多いな。
だだっ広い運動場の北側出入り口までやって来ると人がかなり疎になって来た。
というか他の場所に集中している感じだ。
ここに何かあるのか?
それとも受付のある南の出入り口から1番遠いから?
ニーナを探しているのに人気のないスペースへ来てしまった。
ぱっと見誰もいな、あれ?
誰もいないと思っていた場所に見たことのあるふわふわがいた。
何となく人気がない理由を察しつつ、迷うことなく彼に声を掛けた。
「ジャスパー!この会場だったんだね!」
「ん?あぁ、レヴィか。奇遇だな」
「やっぱり筆記試験受かってたんだね」
「おお、出し合ったところ結構出てたな」
なんだろう……ジャスパー、元気無い?
「ねぇジャスパー、どうしたの?」
「……今回の実技試験はオイラと相性悪いみてぇだ。見ろよ、これだけ避けられてちゃ話しかけることも出来ねぇ」
「ってことは1人?」
「当たり前だろ」
悔しそうな声で言ったジャスパーに少し安心した。
試験を諦めたわけではなさそうだったからだ。
そうなら時間もないことだし、単刀直入に話をしてしまおう。
「じゃあ私と一緒のチームになってよ。私も全然人が集まらなくて困ってたんだ」
「……は?」
相当驚いたのかジャスパーはくりくりの目を開いて口をぽかーんと開けていた。
それを見て思わずふふっと笑ってしまった。
え、何その顔可愛いんだけど!
やっぱりジャスパーって色味もグレーだしジャンガリアンっぽい。
「良いのか?横のヤツも、」
「僕ですか?別に構いませんよ。チームを組むのに種族が同じでなければいけないなんて制約はありませんでしたから」
「もう1人魔人の子とも約束してて、これから合流するところなの」
恐る恐るといった感じで聞かれたが、こればっかりはギルの考えを言ってもらった方が話が早いので口を挟まなかった。
私がもう1人魔人が入ると言うと更に驚いたように息を呑んでいたのだが、いかんせん今は時間がない。
「時間もないし、ジャスパーに入ってもらえると嬉しいんだけど」
「願ってもねぇ。レヴィ達が良いんなら是非入れてくれ」
「決まりだね。じゃあ行こっか」
ぽつんと佇んでいたジャスパーに手を差し出し、ネズミの魔人だからか指が3本しかない彼の手を掴むと北側出入り口から移動した。
移動中、彼が小さくありがとうな、と呟いたのは何となく聞こえてないフリをした。
人気がない場所からザッと見ていて一際煩い方に行くことにした。
いや、ニーナがもし他の人を勧誘してるなら声が煩そうだなとか、そんな理由じゃないよ?
……静かではないと思うけど。
もういっそのこと南側出入り口で大人しくしていた方が良い気がしてきた。
そう思って足を止めた時、横からレヴィー!!!と大声で私を呼ぶ声が聞こえた。
この声はニーナだ。それ以外考えられない。
声の方に顔を向けると、やはり茶色の猫耳をピンと立てたニーナがいた。
何故か右手が後ろに回されている。
何か持っているのだろうか。
よく見るとニーナの足の間から何かが見えた。
なんだろう、そこはかとなく嫌な予感がする。
とりあえず見なかったことにして話を進めることにした。
「レヴィ!!やっと見つけたゾ!!」
「私も探してたよ、ニーナ。誰か一緒に組んでくれる人は見つかった?」
「何人か声を掛けたんだがぜんっぜん相手にされなかっタ!でもコイツを連れて来たゾ!!」
そう言って自信満々に後ろに回していた右手をグイッと正面に持って来た。
するとズルリと金色の毛玉、じゃない金色の髪を持つ何かが目の前に落とされた。
あれ、この子ってさっき私とニーナを見ていた子じゃない?
金色の髪に毛先が水色のその子はやはり大人しそうな印象の可愛い顔だった。
ただ大分ニーナに振り回されたのか、その顔は完全に白目を剥いて涙と鼻水まみれで元の可愛さがマイナスに振り切れてしまってはいたが。
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