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実技試験当日1

閲覧ありがとうございます!



あの後ニーナはカロルと待ち合わせしてタ!と言って屋台の串焼きを齧りながら走って行ったので喉に串が刺さらないようにね、と声を掛けて私も宿へ戻った。



部屋へ到着すると師匠はまだ帰って来ていなかったので、実技試験について考えながら魔力操作の練習をすることにした。




ここ3年、学院の入試に向けて勉強をする傍らちゃんと魔力操作や魔法薬の研究もやっていた。


魔法薬の効能を付与したお茶はその種類や味を増やし、効能の幅を広げた。

昨年、師匠にアスマリアのことを打ち明けたがその時言われたのは、

「アルテナスの王族が取引先?凄いじゃない。あそこはヴィアラクテアと違ってガードが硬いから中々売り込むのが大変なのよ?薬学科の生徒の魔法薬も扱ってる筈だからこの機会に功績作っちゃいましょ」

師匠は師匠だった。


あの人は研究者気質なので利益よりも自分がやりたい研究を出来る環境や人間関係の方を重視する。

本当ならヴィアラクテアに卸している魔法薬を使った新商品をアルテナスに売っているなんて知られたら面倒なことが起こるに決まっている。


しかし案の定喚き立てた彼の国を新たな魔法薬を独占販売させることで黙らせてしまう交易手腕が師匠にはあった。


こういうところが有名になる一因なんだろうなぁ。





あと主に修行したことと言えば魔法薬以外だと、召喚魔法はかなり頑張った。

あれから師匠の頼み事は難易度を増し、ついに近場のダンジョンまでお使いに行かされるようになってしまったからだ。

帰る為の足を確保する意味もあって召喚石がない時用に習得した。








もう一つ、もちろん忘れてはいけないのが私の中の女神様の力だ。

1人でいる時しか話さないが女神様とはほぼ毎日魔法のことから日常のことまで会話をしている。

私が8歳の時からの付き合いなのでもう5年近く一緒にいるが、未だに何故女神様と呼ばせるのかや本来の名前は教えてくれない。


それに歪みのことも最初に説明してくれた時しか話題に出ていない。

試しに聞いてみても、いずれその時が来たら。それが女神様の口癖みたいになっている。


事情は何も分からず仕舞いだが能力については死活問題なので一部を教えてくれた。


女神様の能力は話を聞いていると無効化に近いものらしい。

この世界の魔法に果たして存在するのか分からないが、無効化なんて師匠から一度も聞いたことがないのでもしかしたら1500年前に失われた〜的なヤツかも知れないので逆に尋ねられなかった。


何をどこまで無効化出来るかはまだ分からないが女神様の魔法は通常魔法を使う際に出現する魔力リングを出さずに使用することも出来るという初見殺し仕様だ。

今回の実技試験でもリングの発現さえ気を付ければ使えるだろう。













結局昨日は師匠が戻らなかったので1人で夕食と寝支度を済ませてさっさと寝てしまった。

公開された試験時間が思ったよりも速かったので宿を朝早く出るつもりだったからだ。



宿のスタッフへ事前に話を通していたので朝食を早朝に部屋へ持って来てもらい、食事を終えて着替えや支度を済ませてから最後にネックレスを外してポーチへしまう。

今日は手荷物制限があるので宝具は持って行けない。


このネックレスは装着者の魔力回復を促すようで女神様の魔力はこの5年でかなり戻ったそうだ。

ただ全盛期と比べるとまだまだだそうで、今後日常的に魔法を使うことを前提として更に回復スピードを上げるならもう一つ欲しいところだとぼやいていた。

色々規格外の女神様節にそんなほいほい宝具級の魔道具があってたまるか!とツッコミを入れてしまったのは無理もないと思う。



いつものローブに師匠達から貰った蒼いリボンの髪飾りを装備した。

ローブのポケットには折り畳んだ要項の紙と石と財布を入れ、まずは森林地区へ向かった。










今日は実技試験があるからか、やけに人が多く行き交っている。

特に今は朝市の時間帯だから地元の人が買い物をしに来ているのは当然として、昨日よりも早く出たはずだが人出や賑わいは昨日以上だ。


そういえばアスマリアも入試に参加するから国王がイベントを開催するって聞いたしその影響かも知れない。



この国は南のヴィアラクテアとは違い魔人の入国や入学を特別制限していないが東の国々からは距離があるため、見慣れない彼等の姿は市場の通りでも目を引いた。

目的地は恐らく同じなので魔人や冒険者、貴族らしき身なりの少年少女たちに着いて行くことにした。




アルテナス神興国内は全般的に道が狭いらしく、大通りでの移動でも小型の馬車が主流となっている。

街道へ出る時には専用の装甲馬車や大型の魔物が引ける様な装具を足す必要がある。

逆に大通りから路地に入ると荷馬車しか入れないので貴族平民関係なく徒歩での移動になる。



それでも観光客や人の往来が絶えないのはここが学院の功績の恩恵を最も受けている場所で、研究や最新の魔法薬にその素材まで揃っているからだろう。

魔法に関して数多く発表されている論文の中には大陸の北へ行くほど魔力操作に優れた生き物が存在していると言うものもある。

師匠も南より北の方が魔力操作がし易いと言っていたこともあったし、土地が何か影響しているのかも知れない。








門の前には大勢の人がいた。

ザッと見た感じ200人以上は居そうだ。



この人混みじゃ知り合いを探すのは難しそ「レヴィいた!探したゾ!」


ん?なんか声がした?



人のざわめきでハッキリ聞こえなかったが、誰かが私を呼んだ気がする。

辺りを見回しても人が多くて声の主が分からない。



気のせいだったのかな、と門へ流れる人波に身を任せたその時。




「おい!ワタシを無視するナ!!」


特徴的な語尾のイントネーションと声でニーナだ、と思った瞬間体に大きな衝撃を感じた。



背後から恐らくニーナだと思うが、誰かが抱き着いて来た勢いで前の人にぶつかった。

ぶつかった相手は男性のようで堅い背中に鼻を打った。


思いの外私が吹っ飛んだのでニーナが慌てて大丈夫カ!?と聞いてくるが、鼻の痛みで大丈夫じゃないと咄嗟に返すことができなかった。



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