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紹介1

閲覧ありがとうございます!



なんとか筆記試験は終わったので、あとは結果を待つのみだ。


試験問題はそのまま持ち帰って良いと言われたので、宿へ帰ってすぐに自己採点をした。

結果は自己採点が合っていれば合格圏内だ。


ネックだった一般教養も直前にジャスパーと問題を出し合った場所が何問か出てくれたのでとても助かった。

彼の出題方法は的確で似たニュアンスの問題も多く出ていた。

私でこれならきっと彼も合格圏内に違いないな。



実技試験については筆記試験の合格発表時に詳細が公開されるそうで、それまでは筆記試験を免除されている貴族達も知らされていないという。


師匠達の時は一人一人得意な魔法を使って見せて審査員が採点する方式が取られたそうだ。


今回はどうなるんだろうか。

試験中は髪色を隠せないのであんまり注目される内容じゃないと良いな。










筆記試験の次の日、珍しく師匠が時間あるでしょ?出掛けましょう!と乗り気なので試験結果が出るまで城下町を観光することにした。


学院の生徒がよく利用することもあり城下町の市場は専門店も多く立ち並ぶそうで、それ目当ての観光客もいるくらいだと言う。

師匠が利用するということはそれなりに貴重な魔道具や素材があるのかも知れない。






宿泊施設の集まる通りを抜けると地元住民が多く行き交う市場にやって来た。

師匠は受付の時の様にローブを被って目立つ緋色を隠し、慣れた足取りで変わらないわね〜と言いながら迷いなく進んで行く。

その後ろを同じくローブを被った私が早足に追いかける。



食料品が並ぶ屋台を抜けて生活用品を売る店のガラス窓を眺めながら奥へ行くと、嗅ぎ慣れた薬草の匂いが漂ってきた。



どこに何の店が入っているか師匠には分かるのか、迷いなくプレートにカリーエと書かれた一つの店に向かいドアノブを回した。

店先には星のエンブレムがついており、魔法素材を扱っている店であることが分かる。


内開きの扉が動くとカランカランとドアベルが鳴り年季の入った木が軋む音が聞こえた。

昼間の明るさで暗く感じる店内だが魔道具の明かりがあるため棚の商品を見るのに不便はなかった。



店内は魔法関連の商品を扱うお店に多い雑多な感じは無く、瓶詰めされた魔法薬と薬草の保管された棚にそれを計るための秤、鉱石が幾つか展示されているだけのシンプルな内装だった。


師匠は店番のいない無人の店内をぐるりと歩き回ると商品をやり取りするための机に置いてあるベルを鳴らした。



りーんと何度か響くように鳴ったベルを机に戻すとそばに置かれた椅子に無遠慮に腰掛けた。

行き慣れた店なのだろうが、こうも勝手な態度で大丈夫なんだろうか。

アルティ学院の管理人のお婆さんが後見人の書類を見た時のリアクションを思い出して何だか溜め息が出た。



少し待つと店の奥の扉から金髪の男性が両手に瓶を抱えてやって来た。



「おや、これはこれはアムリネ先輩ではありませんか」


「久しぶりね。アレイスト。元気だった?」


「……先輩?」


「こちらはまさか、セルージュ先輩との?」


「違うわよ。この子はレヴィ、私の弟子よ」





弟子という師匠の言葉を聞いた途端、男性は瓶を一つ床に落とした。

ガシャン!と大きなガラスの割れる音に驚いて僅かに肩が跳ねてしまう。

かなり動揺しているのか、落とした瓶を拾う仕草もなく男性が師匠に詰め寄って来た。




「あ、アムリネ先輩の?先輩、弟子はとらないと言っていたじゃないですか!」


「そうだった?」


「私が弟子入りを志願した時は見向きもされなかったですけど?」


「あの時はそういう気分だったのよ。それよりもこの子がアルティ学院にもし入学したら色々手伝ってあげてちょうだいね」


「全く貴女って人は……先輩の弟子ならまず合格するんでしょう?決まっているようなものじゃないですか」




え、どういうこと?この人、師匠のことを先輩って呼んでるということは、学院の卒業生?

随分と気安い仲なのか不遜な態度の師匠を咎めることもなく、そして師匠もリーレットさん達と接するように気楽にしている。


私が困惑しているのが分かった男性は魔法で瓶を片付けると私にも椅子をすすめてくれた。

椅子に腰掛けると急にすまなかったね、と一言添えてから二人の関係を教えてくれた。




「アムリネ先輩とはアルティ学院で出会ったんだ。彼女は歴代でも上位の成績優秀者で卒業してからも数々の研究を発表している凄い人なんだよ」


「そうなんですか?」


「彼女は自分から言わないから私も卒業するまで成績優秀なことしか知らなかったんだがね。いざこうして店を始めたらなんて人と一緒にいたのか!と驚いたものだよ」




確か同じようなことをラリューヌさんも言っていたな。

近くにいると当たり前のように魔法で何でも熟してしまうし作ってしまうが、実際師匠がいない時に同じようにやろうとすると全く上手くいかないのだ。


男性は両手に抱えた瓶を机に置くと、魔法で棚の上に並べて行く。

作業をしている明るい茶色の目と視線が合うと、優しそうな顔で笑いながら言った。



「先輩の弟子ならきっと実技試験も突破出来るはずさ。その時はこの店をご贔屓にお願いするよ」


「もし受かったらその時はよろしくお願いします」


「自己紹介が遅れたね。私はアレイスト。ここカリーエは魔法薬からその材料、魔鉱石まで扱っているから、欲しい物があれば取り寄せも出来るよ」


「レヴェリアです。師匠は私の育ての親でもあります」


「え、、、」




今度こそ固まってしまったアレイストさんはこれまでの経緯を師匠へ問いただすものの、あまり話したがらない師匠に煩いと言われ黙らされていた。



思えばセルージュさんも師匠に対しては中々ヘタレだし、この人と相対する男性は皆んなそんな感じになるのかも知れない。



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