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入試対策3

閲覧ありがとうございます!



ラリューヌさんのお屋敷はとてつもなく広いが、どうやら私が案内されたのは本邸ではなくラリューヌさん個人の別邸であるらしい。

妙齢の貴族らしく結婚はしているが、旦那さんと相談して子供は持たないと決めているとか。


跡取りはお兄さんの所に甥っ子がおり問題がなく、夫婦揃って研究者気質のため子供を育てる時間と余裕はないと判断したんだそう。

それでも彼女は赤ん坊の私の世話を快く引き受けてくれたりマナーや教養を授けてくれたので、もし子供がいれば良いお母さんになったのかなと思う。


夫婦での判断なので残念だとか勿体無いなどという無責任なことは言わないし思わない。

それに子供はいなくても手のかかる使い魔のグロウがいるからそれらしい苦労は経験しているんじゃないかと思う。


ダッテアンペル、ナダメルノスッゴイタイヘンダッタ……。





私に当てがわれた部屋へ行く道すがら、ラリューヌさん直々に屋敷の中を軽く案内してくれた。

執事の男性は馬車の片付けがあるのかグロウに着けられた装具を外していた。




本邸と別邸を繋ぐ渡り廊下を歩いていると、整えられた美しい庭園……ではなく明らかに畑として整えられたであろう綺麗な畝があった。

あれ?貴族のお屋敷って畑があるものなの?


一瞬驚いて目が点になったが研究職らしい旦那さんもいることだし、案外珍しくないのかもしれない。

と自分を納得させた。……まさかこれが常識じゃない、よね?



でもこんなに庭も屋敷も全てが広いと持て余してしまいそうだと思うのは、私が庶民だからだろうか。












私が使っても良い研究室やダイニング、庭の一角などを教えてもらい寝泊まりするゲストルームに案内してもらった。

ラリューヌさん個人の客室のためか全体的にシンプルかつコンパクトなデザインでベッドとドレッサーとキャビネットが1つずつ付いている。


ラリューヌさんの名字を知らないのだが、カリギュラで泊まった高そうな宿屋と同等以上の内装だしきっと高い爵位に違いない。





荷解きと昼食のため小1時間の休憩をもらった。

因みにマナー講座は夕食からだそうで、お昼は目を瞑ってもらっている。


食後はラリューヌさんが学院で使っていたという座学用の教材や試験対策をお借りして基礎の勉強をすることにした。





勉強してみてやはりというか、なんというか。

一般教養や魔法使いの常識的な問題が難しく感じた。


師匠から教わったのは主に薬学に関係することだ。

魔法薬の材料となる魔物の素材や薬草、毒草についての知識とそれらの調合法。


基礎学力を見る、という名目でラリューヌさんの作った簡単なテストを受けてみたが見事なまでに知識が偏っていたらしく、彼女は苦笑いしながらアムリネらしいわと言った。




ただそれでは薬学科への編入試験を受けるならまだしも、入試をパスするには至らないと言われてしまった。

まぁ想像していたことなので頑張ります、と答えておいた。







アスマリアには前回会った時に夜の交流はしばらくお休みになると伝えてあるのでそちらは問題ない。

伝えた時は大分ぶすくれていたが、師匠から入試を受ける条件として元同級生達の指導を受けるのだと説明すればパッと顔を明るくして了承してくれた。


会えない間、アスマリアも国王から援助を受けられるよう花嫁修行を頑張って入試対策もやるという。

私よりそっちの方がよっぽど大変では?




やる気になってくれているので水を差すことはしなかったが、ローレンスにそれとなく忠告しておいた。

こういうのは先に対策しておかないと、もしアスマリアが途中で躓いてしまった時が大変なのだ。


そう伝えた時のローレンスの俺だけにやらせるな…!という顔は見ないようにしたので覚えていないということにしている。

多分私たちが入試を受けるまでローレンスと面と向かって会うことは殆どないだろうと思う。



以前会った時に近況を教えてもらったのだが、最近始まった騎士団の剣術稽古がとても厳しいと呟いていた。

それに加えて座学の勉強も公爵家から専属の教師が送られて来たという。


王太子の側近候補として年齢の近い高位貴族は入学時期を合わせているらしく、ローレンスの兄も2つ上と近いのだがローレンスが同い年である為こちらに白羽の矢が立ったのだとか。



息子2人ともを同時に入れなかったのは他の家へも配慮した結果なのだろうが、何となくそれだけではないような気がした。

公爵家から王宮にいるローレンスに教師を配属したそうなので、当主の同意の元ローレンスは入試を受けることになる。

それは同時にアスマリアではなく王太子へ仕えさせると公爵家側が宣言したと見て良いだろう。



そのことをローレンスに聞いた時、彼は顔を青褪めさせながら同意した。





「この前父上から初めて手紙が届いた。内容はアスマリア様の近衛を辞めて一度家へ戻るようにというものだった。王太子へ正式に仕える為の教育を施す必要があると書かれていたが、恐らくは以前の失言への意趣返しだろう」




失言というのはアスマリアがローレンスを養子に出す件で公爵家の当主へ言ってしまった、公爵家なのにたかが3人の子供を養えないなんて発言のことである。

悪手中の悪手だが、相手が王族であることと国王に忠義ある大臣でもあることからやり取りを公にしていないそうだ。


国王も大事にしないために沈黙しているようだが、実際には秘密裏に公爵家へ釈明と子供の1人を高官へ取り立てることを約束することで謝罪の代わりにしているとローレンスは話した。



そんなことまで話して良かったの?と聞くと、今まで聞いてもらっていた中には機密事項もあったのだから今更だと笑って言われた。

確かにそうだったな。





その後アスマリアから聞いた話では家へは一度戻ることになったそうで、それからは会えていない。

ローレンス的には入試までに家へ出入りできるようにしておきたいんだろう。

入試を受けるには後見人が必要になるが公爵家を差し置いて名乗り出る者はいないだろうし、王太子の側近候補なら当主公認でなければならない。


アスマリアはあれから反省しており何とか謝罪出来ないかと模索しているようだが、中々良いアイデアが思い付かないようで頭を抱えていた。



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