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歴史2

閲覧ありがとうございます!



アスマリアからアルテナス神興国の建国に関わるという聖書の一部を教えてもらったものの、疑問が新たに浮上することになった。




物語での″せいねん″の容姿は褐色の肌に赤い瞳だという。

しかし建国者モレストスの血を引くと思われるアスマリアは金色の髪に白い肌、翠色の瞳でとても血縁がありそうな感じはしない。



ただ1500年も経っている王室なので、もしかしたら途中で色々な血が混じったり王権が移ったりしている可能性もある。




「アルテナス神興国の国王って途中で王位が違う血縁に変わったりとかはしていないの?」


「家系図も残っているけど、近隣の国や貴族との婚姻はあったから多少容姿や血に変化はあると思うわ。でも直系しか継いでいないはずよ」




なら途中で嫁いだ人達の特徴かも知れないな。




もう一つ気になるのは女神様″となった″少女の容姿か。

金色の髪に青い瞳。

この大陸では青い瞳は滅多にいないという。


師匠曰く″見たことがない″そうだ。

そして師匠の友人たちにも見たことがある人はいないという。

賢者として世界を旅しているセルージュさんが言っているので、かなり珍しい部類なんだと思う。



瞳に関しては東の国は魔物と混じった影響でかなり個性的な色合いもあるって聞いたからもっと特殊な瞳の人もいるかもな。

アルティ学院創設も建国と似た時期らしいから、それなら国王が関わっていてもおかしくない。






「じゃあアルティ学院もその建国者のモレストスが創設したの?」


「時期的には関わっているはずだけど、その記録も痕跡もないのよね。学院にも王宮とは独立した書庫や記録があるから、入学すれば見られると思うわ」





以前師匠が言っていた各国や研究機関などで歴史や記録を抱え込んでしまい、全てを把握している者がいないらしいということを思い出した。

おそらく今一番各国の歴史や内情に精通しているのはセルージュさんだと思う。


今は東の国を拠点にしているそうで、こちらへ帰ってくる機会があまりない。

現在の東の国は幾つもの小さい国が集まって出来ているが、未だ南の国に支配されている地域もあるから紛争や内戦が絶えないとか。

最後に会ったのは1年以上前だったかな。元気にしていると良いけど。








アスマリアと話し込んでいると、タイミングを測ったようにローレンスがテーブルに広げていた勉強道具を整理して声を掛けてきた。

いや、彼のことだから実際に測っていたんだろうな。




「アスマリア様、ご迷惑をお掛けしました」


「ローレンスお疲れ様。少しは役に立った?」


「はい。教材をお貸し頂きありがとうございます」


「消耗品はそのまま使って良いわ。紙ももっと必要でしょう?」


「お気遣い感謝致します」





どうやらローレンスはアスマリアから勉強道具を借りてアルティ学院の入試勉強をしていたらしい。

筆記試験があるみたいだけど、どんな問題が出るのかな?




「どんな問題が出るの?」


「一般教養や魔法基礎が基本だが、基礎的な薬草や歴史の知識も必要になる」


「い、一般教養……」




一般教養ってどんな?

師匠これ答えられたの?あの人常識的な振る舞いあんまりしてくれないけど。


他はともかく教えられた覚えのない項目に密かに戸惑っていると、アスマリアが入試について補足した。




「入試は年に2回行われるの。試験は筆記と実技に別れていて、名のある後見人のいる人や貴族は筆記試験が免除されるわ」


「ローレンスって公爵家でしょ?筆記試験は免除されるんじゃ?」


「あぁ。だが入学後に王子殿下のそばに控えることになった時に学内成績が低いのは問題があるから今のうちにやれることはやっている」




そうか、ローレンスは本来受けられるはずの教育をまだ受けられていないから他の貴族よりも知識面で劣っている可能性があるのか。

生来の性格が努力家のようだから予習云々に関しては問題ないのではと思うが、きっとそれでは本人が納得しないだろう。


何よりせっかく手にした機会をふいにする奴ではない。





「そうだね。でも学院の入試は2年以上先でしょ?ちょっと早くない?」


「実は座学はある程度で終わらせる予定なんだが、問題は実技の方なんだ」


「さっき聞いたけど、筆記と実技があるんだってね」


「入試もそうだが、入学後に騎士学科へ入ることになるだろうから基礎的な剣と魔法の技術も身に付けたいんだ。幸い、これに関しては勅命があるから騎士団が協力を申し出てくれた」




騎士学科?聞いたことのない単語に首を捻っていると、アスマリアがすかさず説明を入れてくれた。




「アルティ学院には2年生から希望する学科を受けることができるの。ただし一年の期末試験と学科編入試験に合格しないといけないわ」



う、期末試験……頭が……。

懐かしいような苦しいような、悩ましい記憶がうっすら蘇った。

そんな私の気持ちなど知るはずもないアスマリアは更に続けた。



「貴族の男性の大半は2年生から騎士学科へ編入するのがある種のステータスなのよ。女性の殆どは婚約者探しだから魔法使い学科のままの人も多いわね」




彼女の説明では、アルティ学院の入試は一般教養や基礎的な魔法などの知識について問われる筆記と魔法による実技試験があるそうだ。


筆記は貴族であれば家庭教育で学べる範囲ということで免除されるそうだが、実際は学院に出資している貴族への特別待遇の意味合いもあるという。


そして魔法による実技は毎年教員や志願者の人数などによって変わるため過去の記録はアテにならないそうだが、何年かに一度かなり高難度な試験が行われることがあるらしい。




入試に合格するとまずは全員が魔法使い学科へ入ることになる。


学院は13歳から18歳までの6年間の学習を前提としており、13歳以上かつ魔力を所持する者であれば誰でも受験可能だが必ず受験者は後見人を立てなければならない。


2年目からは各自希望の学科へ移動したり魔法使い学科に残ったりして総合的な授業と専門的な授業を受けることになる。



複雑な制度に頭がパンクしそうになりつつ、神妙な顔を作って何度か頷いた。

そこまで説明するとアスマリアは思い出したように軽い口調で言った。



「大丈夫よ。わたくしもレヴィと一緒に勉強するから!」



………はい?



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