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僕の大好きな幼馴染  作者: 愉香
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決戦の時

パチッ 目が覚めた。


今日はよいよ決戦の時ー


時刻は6時。


窓を開けると冷気が入ってくる。


しっかり朝食をとって


いつもより早く学校へ向かう。


待ち構えていたのは春花ちゃん。


手先の器用な春花ちゃんが


私の髪の毛を赤いリボンを交えて


サイドの編み込みにしていく。


後ろは普通にポニーテール。


怜那ちゃんにも同じ髪型を完成させていく。


それから発声やリレーのフォームを確認し、


最後の調整をみんなで確認し合う。



あれからの2週間


秀くんは私の前に現れない。


顔を見たら気持ちが崩れる。


お互いにそう思っているのかもしれない。


謝りもフォローもしなかった。


それが今の私の気持ちだから。




「…しかし、さすが廣澤くんね。


高々2週間で白組の結束力を


ここまであげるなんて。」


怜那ちゃんがうんざりした顔をする。


「相手にとって不足ナシだな。」


小宮山くんも集まり始めた白組を見て言った。


選手入場の時がやってくる。


ここで久しぶりに秀くんと会うことになる。


私は極力顔を見ないようにしようと思う。


袴に着替えると一気に気が引き締まった。


「美織、カッコいいよ!」


「榊さん、素敵!いつものかわいい感じと違って


いいわ!」


女子達の褒め言葉に乗せられて後は心を


落ち着かせる。


向こうから長い白タスキに学ランの秀くんが


歩いてくる。


…マズイ。


この期に及んで カッコいいとか思ってしまう。


私は背中を向けてほっぺたを叩く。


痛みで気合を入れ直す。


「…榊さん大丈夫?緊張してるでしょう?」


小宮山くんが心配そうに顔を覗き込んでくる。


ゆっくり目を閉じて呼吸を整える。



私、幸せだよ。


これ程みんなに囲まれていた事、今までなかった。


1つの目標の為にみんなで話し合って


準備して、協力して、すごく楽しかった。


赤組のみんな、クラスのみんな。春花ちゃんに、


小宮山くんに、怜那ちゃん。


それからー


秀くん… こんな気持ちを持たせてくれて


みんな、ありがとう。



「…?榊さん?」


私が俯いて何も言わないから、小宮山くんが


心配してくれてる。


温かい。


「みんな、ありがとう!頼りない団長だけど


今日はよろしくね!」


にこっと笑ってみせた。


なんか…もうすでに泣きそうなんですけど…(笑)


その場にいたみんなで和んでしまった。


「美織。そういうのは優勝してからするんだよ!」


怜那ちゃんにどつかれる。


いつか秀くんに言われた事を思い出す。



『誰かと協力して力を合わせられる事、


協力してあげたいって思わせる力がある


みおちゃんは十分、すごいんだよ』



私に本当にそんな力があるのなら、今日、


みんなを優勝に導けます様に!!!



感謝が背中を押す。


怖さも緊張も無くなって


自然と秀くんの横に並ぶことが出来た。


うん。でもやっぱり…


秀くんカッコいいな! 


そう思ってしまう気持ちも正直に大事にしよう。


ちらっと見てきた秀くんににこっと笑ってみる。


「?!/// 」


秀くんには顔をそらされた…


頑張るぞ!


秀くん、覚悟しててね!


私一人じゃない、みんなで挑んでいくからね!


振り返ると小宮山くんが後ろで頷く。


その後ろには応援団員。それから


1年生〜6年生が続く。


「お姉ちゃん、かわいい〜!」


無邪気に手を振る1年生に手を振り返す。


選手入場のアナウンスが入る。


「さぁ!赤組行くよ!」


おお〜っ!


私の掛け声にみんなが声を上げた。




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