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僕の大好きな幼馴染  作者: 愉香
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幼稚園



僕の隣に住んでいるのは、僕と同じ年の女の子。


名前はさかき美織みおりちゃん。


美織ちゃんは僕と同じ幼稚園に通っているはずなのに


あまり会わない。


「なんで美織ちゃんはいつも幼稚園に来ないの?」


それは幼なかった僕には素朴な、当然な疑問だった。


悪意などまったく無く、むしろ会いたかったから


出た疑問だったのかもしれない。


今思えば、


もうこの頃から


僕の心の中心は美織ちゃんだったんだ




「なんで美織ちゃんはいつも幼稚園に来ないの?」


その言葉は激しく私を傷つけた。


5歳。幼稚園最後の年長クラス。


楽しい行事も沢山あるこの年だが、


私は毎日を幼稚園で過ごせずにいた。


体が人より弱いらしく、無理をするとすぐに


熱を出してしまうのだった。


私だってできることなら毎日幼稚園に行きたい!


友達と遊びたい!


でも行けない。


休んでいる日はベットで寝て安静にしているだけ。


何も出来ない。起き上がる事もままならない。


でも幼稚園は大好きだったから、


体調が落ち着く日は頑張って行った。


そんな私の状況を何も知らない、隣の家に住む


同じ歳のしゅうくんの言葉は、


1番触れて欲しくない核心を上手に射抜いた。


それから私は秀くんの事が大嫌いになった。


しかも秀くんは活発で、いつも友達と園庭を


駆け回っていた。


いつも笑顔で周りには友達が沢山いた。


元気いっぱいな秀くんになんか


私の気持ちなんてわからないわよ!


羨ましさから、ほぼ逆恨みだった。


私は幼稚園内ではもちろん、幼稚園バスを待っている


間も秀くんと話さなかった。


秀くんが「おはよう」と笑顔で声をかけて来ても


ママの陰に隠れて無視した。


母親同士は仲が良かったのだが、そんな私の態度に


2人は苦笑いしていた。



小学校の入学に向けて体力をつけなくちゃ!


そんな思いから私は体調の落ち着く日には


ママと一緒に必ず散歩をした。


みんなよりは体が弱いにしても、


せめてもう少しだけでも、


学校に普通に通えるくらいの体力はつけたい!


約半年間かけて、最初の内はペースが掴めなくて


ダウンすることも多かったけど、


卒園が近くなってきた頃には


少し体調をコントロール出来るようになっていた。


ママも小さい頃は体が弱かったというので


ママに似たのだと思うが、その分ママも、


パパも娘の気持ちをよく理解してくれていたし、


協力してくれた。


幼稚園では軒並みに楽しい行事を棒に振ったので、


小学校生活を大いに期待した。


友達を作って、毎日学校に行って!


小学校の生活が待ち遠しくて仕方がなかった。



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