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歌い歌わされて

アドルに渡す魔術具が欲しかっただけなのである。

どこで手に入れればよいか分からなかったから聞きたかっただけなのである。

どうしてこんなことになったのだろうか。

流行りの恋歌を練習していたが、それだけでなく昔からの歌や、聞いたことのない歌も教えてもらった。

自分の声に合わせて作ってくれた新曲らしい。

すごく期待されているようである。

歌を教えてくれた先生が、


「もっと高音を出せるようになると、更に良くなりますよ」


などと言い、サリラ家に通って練習して魔術具に入れるための曲を仕上げ、公演に臨む準備をする日々が始まった。

魔石交換手の仕事は手を抜かないと決めている。

定時に上がれる仕事で良かった。

歌はもともと好きなので、上達すると嬉しい。


「恋歌が聴きたいな」


と言うアドルの声がよみがえるたびに、練習に熱が入った。

その間にも魔術具は売れて、金貨の袋が増えていく。

家に置いておくのも物騒なので、最近流行り始めた貸金庫というものに預けることにした。

ちゃんと帳簿につけてゆく。

金額の感覚がマヒして、他人の帳簿をつけているような感じではあるが、仮にも文官のはしくれ、金銭管理も苦手ではないのである。

人の気持ちは移り気なもの、小鳥の魔術具の人気もすぐにすたれてしまうだろうが、自分にケガや病気などの万が一の場合があってもこれだけあれば大丈夫だろう。

庶民の自分には本当にありがたい。

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