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敏腕マリベル

無計画で強引な開拓地拡大のせいで、生活の場所を奪われた、今まで共存していた原住民族との戦。

そのせいで辺境の治安が悪化し、商業の流れが止まり、辺境の文化と平和が壊れてゆく。

辺境警備ではお金が溶けてゆく。

先の見えない厳しい生活に疲れ果てた開拓地の民はメーユに帰らせてもらえなくて困っている。

追い詰められた原住民族は捨て身で攻め込んできている。

原住民族の作る希少な手仕事は芸術品として高値で取引されていたのに、それが途絶えて周辺諸国は怒っている。

辺境からの税収が年々下がり、商人たちが来なくなった宿場町が寂れて上納金も減っていっている。

原住民族が荒らすので、開拓地から結局作物はろくに採れない。


マリベルの用意した紙束には、ここ10年の1年ごと、地域ごとの細かな数字が記されていた。

だいたいは理解するが、魔石交換手の自分には分からない部分もある。

ハポン軍の精鋭部隊に囲まれてリーリアムラーが駆け付けたのは夕暮れ時。

食事も断って、美しい元女宰相が国王に懇切丁寧に……ちょっと、いや、かなり厳しくお話しされたらしい。

隣国であるハポン国との国交断絶までちらつかされて、真っ青になって涙目だった、と後ろで控えていたマリベルが愉快そうに笑った。


「急いでハポンで和平協定を結ぶことになったらしいわ……ルルファスが無事で本当に良かった」


自分もアドルに今すぐ会いに行きたい。


「国王からサリラ様に打診が来るはずよ。和平の象徴としてコトリに前のように歌わせるということだから」


それは母に連絡しなくては。

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