表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/11

第3話:由木 馨

ファイと別れてバスの車窓から町並みを眺めながら馨はため息をついた。


何故ファイは自分に近づいてくるのだろう。


ファイとのつながりといえば、亡くなった祖母が彼の家庭教師であったことぐらいで、出会ってまだ1週間ちょっとだ。馨は知らなかったが、ファイは雑誌でモデルも引き受けているくらい有名なやつらしい。そんなやつが何故―。でも思い当たる節はあった。

 

 ミス・クレア。


彼女は魔女と呼ばれていた。彼女は苦しんでいる人たちを自らの魔法をもって救っていたらしい。馨はクレアのたくさんいる孫のひとりだった。

 祖母が亡くなったのは一ヶ月前だった。そして、どこからかぎつけたのかクレアの孫だというだけで、こうして今日も見知らぬ少女に相談を持ちかけられている。

 馨は一週間前、在羽ファイに助けられた。いや、正しくはポッコが助けられた。マクドナルドのハッピーセットのおもちゃに馨がこよなく愛するキャラクターのポッコがついてくるということで、馨は早速ハッピーセットを学校帰りに購入した。5つの種類を全制覇すべく、期待に胸を膨らませておもちゃを右手に歩いていたのだが、ポッコが滑り落ち、道路側へ転がってしまった。

 それを助けてくれたのが在羽ファイだった。

 馨は、その時助けられたポッコの指人形を握り締めた。

 在羽ファイも何か欲しているのだろうか? 

 相談事があるのだろうか?

 

わたしには魔力なんかあらへんのになあ、くうちゃん…。

馨は窓から見える月に向かいそっとつぶやいた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ