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イチジク太朗   作者: 小南廿ふ
1/2

その弌

昔々ある小さな村の外れの小さな屋敷におじいさんとおばあさんが住んでいました。

ある日おじいさんは山へ柴刈りに、おばあさんは川へ洗濯に行きました。

おじいさんが柴刈りをしていると、それは大きなイチジクの咲く木を見つけました。

おじいさんがそばによるとイチジクはポロっと落ちました。

あまり高い木ではなかったからか、イチジクは全く傷んでいません。

イチジクがおいしそうだったので、おじいさんは持ち帰りました。

おばあさんは大きなイチジクを見て驚きました。

すると、イチジクの中から赤ん坊の泣き声がしました。

おばあさんは慎重に包丁をイチジクに刺しました。

中に赤い肌をした大きな男の赤ん坊がいました。

おじいさんとおばあさんは子供を授かっていなかったため大変喜びました。

おばあさんはこの赤ん坊を 太朗 と名付けました。

おじいさんはイチジクの種を東の山に撒きました。


十三年後、太朗はすくすくと育っていました。

たくましく、おばあさんとおじいさんの手伝いをよくしてました。

小さな村はすこし大きな村になっていました。

そのころ、鬼が西にある摩天山で悪さをしていると村中で話題になっていました。

村人たちは鬼を恐れていました。なぜかというと、鬼は人を食べてしまうからです。

人を食べなくても、山の、猪や豚や鴨や鶏や草や果実をたくさんとってしまうので困っていました。

正義感のつよい太朗は鬼を討伐しに行こうと決心しました。

おばあさんは反対していましたが、おじいさんは太朗の気持ちを汲み取って許容しました。おばあさんも根負けしました。

おばあさんは食べると百人力になるきび団子を作りました。

太朗は弓と斧を装備し、きび団子を8個持って村を出発しました。

西に進み、山を登ります。

犬に会いました。犬はきび団子を欲しがっていたので、きび団子をあげ、その代わりに仲間に加えました。

さらに進むと、猿に会いました、猿も同様にきびだんごをあげ、仲間に加えました。

川を超えて進むと、元気のない少女を見つけました。太朗はきび団子をあげ、少女に「ごめん。行かなくてはならないんだ。」と言いました。

さらに進むと、キジに会いました。キジも同様にきび団子をあげましたが、仲間に加わることを命じても聞かず、空へ飛んで行ってしまいました。

山を越えて、さらに西に進むと、鬼たちのいる集落につきました。

犬と猿と太朗はきび団子を一つずつ食べました。

集落の中に入り、ある赤鬼に太朗は言いました。

「お前たちが悪さをしている鬼か。村が困っている。私は討伐しに来た!」

すると鬼は言いました。

「私たちは何も悪さをしていない。古くに鬼は摩天山を統治していた。しかし、山の東側に人間がやってきた。それで私達は摩天山の西半分を、人間たちは東半分を統治しようと決めたのだ。だが最近になって人間たちは私達が統治している領域に踏み込んで荒らしている。山を焼いてしょちゅう山火事を起こしている。

私達鬼はそれを止めようと人間を殺めた。」

太朗は言いました。

「やはり、人を食べたんだな!」

「人間を殺めたのはまちがっていたかもしれない。しかし、私達は人間の肉なんて食べない。

鬼は人間に行ったのだ、山を焼くのはやめろと。しかし人間は逃げてその翌日に焼き始めたのだ。」

犬は吠えたが、太朗は鬼達の言葉を聞いて、持っていた武器を下ろし、集落を後にした。


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