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俺たちの放浪はこれからだ!(1)

転生したら転生してないの俺だけだった

〜レムリア大陸放浪記〜


1-40.俺たちの放浪はこれからだ!(1)


タンジンが旅立った翌日、俺たちは術を解いて街へ出た。

隣のオアシスまで、荷馬車で10日。徒歩で20日。

商団は昨日出た所だとか。

まあその商団の荷馬車にはタンジンが乗っているので、どのみち乗れなかった。

とりあえず歩いて行く事にする。


街と言っても石造りの役所や商会を除けば、日干しレンガで作った民家と、後は天幕が張られたバザールだけだ。

ほとんどの店舗は大きな宿泊用の天幕の入り口を全開にして、その前に布を敷き商品を並べるだけ。薄暗い天幕の奥では、店主が常連と茶を飲んで談笑している。

売る気あるんか!と言う様な店だ。


中央のいい場所には、幾つかの商会が布を日よけ屋根にして、交易で得られた商品を置いている。

万一ジョウザから来た者が居ないとは限らないので、午後の人通りが少ない時間を狙って、襟巻きを鼻まで巻いて目だけ出して買いに行った。


旅の装備を置いている店で、二人用の天幕を買った。店主は

「このリア充が!」

と言う様にニヤニヤしている。

「この広さならば、ゆっくりお楽しみになれます」

オコもウキウキしない!

「行くよ、姉さん!」

と、そんな仲じゃない事を強調しておく。


それから別の店で大きな背負い籠と、10L位入る大きな水用皮袋を5つ買った。オコが皮袋の入った背負い籠を背負おうとすると、

「旦那、お姫さんに背負わせちゃ、男の名折れですぜ」

と店主が余計な事を言うので俺が背負ったが、全部の袋に水が入ったら、絶対持ち上がらないだろう。オコは平気だそうだ。天秤で運んだ水はもっと重いらしい。


一番外れに、筵を敷き近在の農民が食料品を置いている。

カナートと呼ばれる地下水路を使って、近隣の農場にも水を供給しており、オアシスとしてはかなり成功しているようだ。


ちなみに前世の俺は、オアシスと聞いて砂漠で旅人が幻で見る様な

「砂漠の真ん中にヤシの木が生えていて、泉が湧いている」

様な連想をしていたが、そんな所に水が出る道理はない。オアシスはここの様な山脈の麓。山頂の雪が溶けて、伏流水として麓に泉が湧き出ている場所か、大河のほとりにある。


朝早くから開いているバザールは、昼までには野菜などは売り切れてしまうが、俺たちが欲しいのは干し肉と乾餅だけなので、十分な量を買えた。

持ってきた商品の殆どを売り切って上機嫌の店主は、自分のおやつに持って来た仙人掌(サボテン)の蜂蜜漬を分けてくれた。ゼリーみたいで美味しい。


水も買わなければいけない。

オアシスと言うだけあって、井戸はある。水量は多いが、蒸発を防ぐため、かなり深く掘り込んであり、螺旋状の階段を降りて水を汲む。

旅人が汲むのは許されてないので、水売りから水を買う。水袋5つ分で、さっきの食料品より高かったが仕方がない。

5つの袋に全部水を入れて背負い籠に入れ、先程の教訓から二人で街外れまで下げて行く。なんかオコが鼻歌を歌っている。

「ふたりの〜はじめての〜きょうどうさぎょう〜」

どこで聞いた?そんなフレーズ。


徒歩だとこれでも全然水が足りないが、街道から山麓を何日か奥に進んだ村から、街道の数箇所に水売りが来ると言う。ここの数倍高いらしいが、その村の重要な産業なのだろう。


ちなみにどんな大きい荷物でも運べる

「マジックボックス」

と言う様な便利なものはない。

古代魔術の文献で見たことがあるので、いつかは手に入れたい。


さて旅の支度は出来た。


第1部もあと一話で終了です。明日は最終話41話の投稿になりますが、

多分第2部1話も明日投稿しそうですw


読んでいただきありがとうございます。

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