11-8.方針
※第11部の主な登場人物
◯旅の仲間
メグル(ウラナ)…主人公。元ボン76世(未)。旅行家志望。生真面目な15歳と結構浮気症な66歳が同居している。"国民的英雄"に加え、"改革者"の称号を獲得。更にマーリンから"人類の代表"を押し付けられる。
聖狐天の父となる。
オコ…メグルの妻の元妖狐。メグルとの子作りを夢見ている。弓の達人。弱者の味方で直情的。聖狐天の母となる。
コンコン…先先代妖狐。子狐と伎芸天女の童女に憑依できる。
ステル(ラン子)…鳥ジャガー神。ラン(獅子)とヘレン(白虎)の娘。メグルをあるじと慕う優しい少女。第6章で進化を遂げ成体、幼体(子猫)以外に猫耳娘の形態をとる。
パーサ…元八娘2号。シバヤンから譲渡され、メグルの侍女となった名古屋弁美少女。諜報活動に大活躍。自称第二夫人。大型肉食獣アヌビスに変身出来る。
ノヅリ…バクロン第3王子。魔法省長官を辞し魔法修行の旅に出る。メグルの師匠。コリナンクリンの恋人。
コリナンクリン…ワタリガラスの鳥神。運送業ワタリガラス商会の女社長。ノヅリの恋人。
◯ナイラス神界
アヌビス…ミイラ製造者の神。父はセトだが、実の父はオシリス。オシリスの体を繋ぎ合せて再生する。母はネフティス。パーサを妹とし、マァトに思いを寄せている。
ラー…太陽神。
マァト…ラーの娘。アヌビスに思いを寄せている。
セベク…鰐頭の神。セト家の執事。
レネネト…コブラの頭を持つ女神。セベクの妻。
ハトホル…愛と美の女神。永遠の17歳。
○狼の群れ
ウプウアウト…狼神。
サラ…ウプウアウトの母。
転生したら転生してないの俺だけだった
〜レムリア大陸放浪記〜
11-8.方針
翌朝、俺たちはウプウアウトの母親サラに別れを告げた。昨夜は親子共、狼の姿になって寛いでいた。母の元に甘えて丸くなって寝ているウプウアウトが、ふた回りも大きいのが微笑ましかった。
サラにも門番にも聞いたが、この里にはカラス天狗は居ないとの事。やはりカラス天狗は獣神や神獣ではなく、獣人(鳥人)の類の様だ。
アヌビスとウプウアウトは、近日中に戻って来る。とサラに約束して、俺たちに同行した。
「もうアシやマァトさんは諦めて、親子三人仲よう暮りゃあたら、ええんでないの?」
とパーサがからかうと、珍しくアヌビスは生真面目に
「そうは行きません。パーサとは、いつかお許しが出たらアヌビス種の子孫を残すため聖なる交配をせねばなりません。人型神としての私は、この旅が終わったらマァトに正式なプロポーズをするつもりです」
なんだか死亡フラグの様な事を言うのだった。
まあ旅と言ってもそれ程時間はかからないだろう(これもフラグになりそうだが)。
余り仕事に穴を開けると、せっかくMAXになったマァトのアヌビスへの好感度が半減する恐れがあるので、直ぐ出発した。
行き先は森ではなく、妖狐の里だ。
「これから三人のダンスレッスンなのに、センターが抜けるのは困るんだけど、ウラナさんには色々お世話になったし、いいわ。3日間だけシロネちゃん、貸してあげる」
レッスンの時は、伎芸天が代わりに天女を初代妖狐のお世話をするため派遣する事になっている。お世話と言っても初代さんはずっと寝て居るので、掃除をしたりするだけ。何かあったら白銀丸を呼ぶ事になっている。
実は別々に歌やダンスのレッスンは始まっており、今回が初めての曲合わせだそうだ。
「お力になれるかどうかは判りませんが、父から受け継いだ医術で、精一杯お年寄り狼の治療に勤めます」
白銀丸は久々の医療活動に、ちょっと興奮している様子だった。
聖子ちゃんは例によって俺たちに甘えていたが、第二の行き先が裂け谷と聞くと、少し顔色が変わった。
「実は裂け谷周辺の信者達から、気になる話を聞いて」
裂け谷には恐ろしい狼が住むと言われ、周辺の村人は誰も近づかないのだが、ある時から谷の上を飛ぶ鳥が急に失速して落ちていく様になったと言う。
「まるで殺生石やな」
コンコンが呟くと、聖子ちゃんは深く頷いて
「そうなんです。何か禍々しいものを感じて、調査させようかと思っていたんです」
殺生石は初代九尾妖狐の怨念が凝り固まった石で、触れば即死、上を飛ぶ鳥さえ落ちたと言われる凶石だ。高僧がこれを砕き、破片が世界に飛び散ったのだが、その欠片(属性の塊)をダガムリアルが無属性に精製し、聖狐天のコアにした。もしまだ発見されていない殺生石の欠片が原因なら、聖狐天としては放っておけないのだろう。
「ダガおじいちゃんも、もう一回殺生石欲しいって言ってた」
どこへ行ってもお年寄りに可愛がられるステルが呟く。
「では今回の旅の目的を二段階とします。最初に狼の森で白銀丸中心に年寄り狼の治療。それから裂け谷の調査」
聖子ちゃんも同行したがったが、ある程度目処が立ってから裂け谷に迎える事となった。
最終的には聖狐天の強い霊力で谷を清めて貰うとしよう。
そして勿論今回の作戦に絶対必要な二人が戻って来た。
前半:ビッグセブン+アヌビス+ウプウアウト+白銀丸。
後半:ビッグセブン+ウプウアウト+聖狐天(友情出演)
「そう。カラス天狗は居なかったか…。私、もう一回蓬莱に行こうと思ってるの。ウラナくん、その時は同行してくれるかしら?」
俺は社長に、朱雀本家訪問と蓬莱。そして赤小鳥の島訪問が、今後の目的だと告げた。
「それはいいね。トトムもステルと飛びたがってる。じゃ今回の仕事をちゃっちゃと片付けようか」
俺たちの頭脳。ノヅリ師匠が頼もしく言った。




