8-35.スキャンダル
※第8部の主な登場人物
◯旅の仲間
メグル(ウラナ)…主人公。元ボン76世(未)。旅行家志望。生真面目な15歳と結構浮気症な66歳が同居している。"国民的英雄"に加え、"改革者"の称号を獲得。更にマーリンから"人類の代表"を押し付けられる。
聖狐天の父となる。
オコ…メグルの妻の元妖狐。メグルとの子作りを夢見ている。弓の達人。弱者の味方で直情的。聖狐天の母となる。
コンコン…先先代妖狐。子狐と伎芸天女の童女に憑依できる。
ステル(ラン子)…鳥ジャガー神。ラン(獅子)とヘレン(白虎)の娘。メグルをあるじと慕う優しい少女。第6章で進化を遂げ成体、幼体(子猫)以外に猫耳娘の形態をとる。
パーサ…元八娘2号。シバヤンから譲渡され、メグルの侍女となった名古屋弁美少女。諜報活動に大活躍。自称第二夫人。大型肉食獣アヌビスに変身出来る。
ノヅリ…バクロン第3王子。魔法省長官を辞し魔法修行の旅に出る。メグルの師匠。コリナンクリンの恋人。
コリナンクリン…ワタリガラスの鳥神。運送業ワタリガラス商会の女社長。ノヅリの恋人。
◯その他の登場人物(神)
イグルー…大氷原の村の娘。村長の孫。メープル朝の末裔。
パナ…元八娘のパー子。人間となってアルディンの妻となる。
アルディン…バクロンのイザン朝第五王子。王位を捨ててパナと結ばれる。
神官…記録の神殿のマッチョな神官。料理を始め、おもてなしの達人。
エノキド…世界の果ての宿屋主人。
メラッサ…エノキドの妻。
◯ペンジク4神
シバヤン…南レムリア最高神の一人。破壊と創造の大神。
パトゥニー…シバヤンの第一夫人。慈悲と再生の母。
サンディ…シバヤンの作った美少女人造最終兵器でシバヤンの第二夫人。
キャーリー…シバヤンとパトゥニーの娘でサンディの妹。人生崖っ淵の最後の希望。漆黒の美少女神。
◯ナンバーズ
一娘…最初に生まれた自動式侍女人形にしてシバヤン家の宮宰。シバヤンも頭が上がらず、ナンバーズ全員に恐れられているスーパー秘書。
五娘…ナンバーズにしてキャーリーの親友。レムリア最速。
二娘…ナンバーズだが、現在は聖狐天の部下になっている。武芸の達人でメル、オコ、御供の師。
七娘…巨大スーツに乗り、宇宙での活動も可能なナンバーズ。
六娘…ナンバーズの一人。ナンバーズ唯一の人間の消化器官を持つサイボーグで、シバヤン家の料理長。
◯箱庭世界
ハヤテ…警備隊長。
ノモ…村長のコボルト。
影夫…力試しトーナメントに出て来た謎の存在。
ハピネス…箱庭世界魔物国の女王。
ゾフィア…第一王女。
レティア…第二王女。
◯冥界の妖狐たち
先代妖狐…若くして死んだのち引き篭もったため世話出来なかったオコを気にかけている。
戦狐…アンゴルモア帝国からジョウザを護った妖狐。
転生したら転生してないの俺だけだった
~レムリア大陸放浪記~
8-35.スキャンダル
「こっからが長いんや」
コンコンがため息をつく。
だいたい国の創世神話などで、初代の寿命はめちゃくちゃに長い事が多い。
小さな村落から始まって、その国が覇権を握るまでの何代もの王朝を一人の偉業にしてしまっている事が多いからだろうが、ジョウザに君臨する初代ボンとその妖狐はマジで長寿だった様だ。
その為二代目の妖狐のうちと初代(いやこの方だけは様を付けようか)様の家は随分離れたところにあった。
二回の野営を経て、ようやく初代様の家にたどり着いたのは夕方だった。
「起きて…はらしませんわな」
コンコンが扉を叩くと
「鍵は掛かってないですよ」
声が聞こえたが、初代様のものではなさそうだ。
幼い声。
「白銀丸かえ?」
「ああ、コンコンさん。お久しぶりです」
小さな白毛の子狐が出てきた。なんだか肖像にある初代様や、生き写しと言われる鼎尾銀狐に似ている。
奥の部屋に寝台があり、小さな老婆が眠っていた。
あれが初代様?
「コンコンさんこの方は?」
「ああ、白銀丸というて初代様の娘や」
「「「「「「え〜っ!」」」」」」
(冥界の空、アップ)
妖狐と言えば生涯不犯にして主たるボン様に仕えるもの。と言うのが決まりだが。
「初代様が蓬莱の陰陽師と戦っていた時、かなり手痛い傷を受けて、秘湯で治療した事があったのや。人間を憎んでいた初代様は、もう昔の様に奔放に人と交わる事は無かったが、世話をしてくれた夜狐(魔力はあるが神に等しいほどではない化け狐。よく人を化かす)の青年と情を通じ、この白銀丸が生まれたのや」
「私は夜狐の父に引き取られましたが、父の死の間際、実の母が九尾の玉藻御前である事を知りました。蓬莱を出た時は、母は既にボン様の忠実な妖狐になっており、私はジョウザで母と再会し、生い立ちを秘して侍女として仕えました。そしてボン様の崩御に殉じて冥界へ参ったのです」
初代ボンは自分の死に際して殉死を固く戒めたが、実際には妖狐は当然として、何人かの部下が後を追ったと伝えられている。
「なんで妖狐様は自分の娘ってみんなに言わなかったの?」
ステルには白虎に親娘関係を秘されるなど、想像も出来ない様だった。
「いろいろ大人の事情があってな。妖狐は神聖なものやから、子供がおってはまずかったんやろうな。わてもこの経緯を知ったんは死後の事や」
「それにしても、親が死んだからって、後を追わなくても」
自分はさっさとこの旅について来たのに、オコは小さい子が死んだのが納得行かない様子だ。
「止められてましたからね。でもどうしてもご飯が喉を通らなくなって…」
認められなくても、母を愛していたんだな。
「でも今はここで幸せです。おかあさんは『しかたのない子だね』と言って、私を初めて抱きしめてくれました」
オコはポロポロ涙を流している。血の繋がっていない二代妖狐に仕えるよりは、この子にとっては良かったのかもしれないが。
「白銀丸さんは黄金丸、赤銅丸と言う狐をご存知ですか?」
俺は思いついて聞いてみた。
「私が父に育てられた蓬莱の夜狐の村では、玉藻御前に従って戦った強い双子の姉妹の言い伝えがありました」
当時の蓬莱では王の命で大規模な九尾狐狩りが命ぜられ、強力な陰陽師が徐々に初代様を圧倒していた。一応王の臣下である夜狐の群れも協力を命じられたが、同族だけに同情する者も多く、白銀丸の父も初代様を匿ったのだった。
「もしや、生きているのですか?私にとっては叔母にあたる方々なので、お会いしたい」
「でも初代様はその者達を忘れている」
「はい、ボン様がおかあさんの辛くて罪深い記憶を消されましたので。私の事も最初は分からなかったくらいです」
「どうやって(白銀丸が娘だと)思い出されたのですか?」
「父が持たせてくれた蓬莱の忘れな草の力で」
茶の中に煎じて飲ませたそうだ。
「その神草、まだお持ちですか?」
「少しだけ」
初代様が目覚め、処方を知る事が出来たら、黄金丸、赤銅丸の事を思い出して貰おう。
「では、初代様にお出まし願おうかえ」
コンコンがポーションを取り出し、眠っている老婆の口に流し込んだ。
老婆の体が発光し、まるでサンコンの様な、いや美しさは遥かに勝る銀毛九尾の狐の姿になった。
人に化生すればさぞかし絶世の美人。これなら世界中の王達もイチコロだったろう。
「狐の姿で会見する事を許してな。人間の男には妾の姿は毒になるゆえ」
我々は思わず平伏した。これが初代様の凄みか。
なんとかワクチン副反応から無事生還した
模様ですm(._.)m
第9部もほぼ完成に向かっており、途切れなくお届け出来ますので、今後もご愛顧よろしくお願いいたします。
6/28 鈴波潤




