新しいヨウコ(2)
転生したら転生してないの俺だけだった
〜レムリア大陸放浪記〜
1-19.新しいヨウコ(2)
「今日のダンドリは、まずこれからわての眷族を作る。それから、メグルはんも眷族の横に寝る。で、天帝様の契約解除書類をメグルはんのおでこに貼る。ボン様が抜けたら、妖狐は拠り所を失って幼体になり、妖狐の里に戻る。メグルはんは全力で眷族を抱きしめたり、技術の限りを尽くして色々して取り残されたヨウコの魂を誘う。ヨウコの魂が眷族の体に入り込めば完成や」
「技術の限りって…。俺何も知らないです」
前世でも、嫁さんしか知らなかったし。
「何やて!ボン様は房中術、習わへんのか?帝王学の基本やろが!って、習わへんか…。とにかく誠意を見せろちゅうことや」
「お義母さん、私ってスケベで誘われる女なんですか?」
「当たり前やろ!他に何があるちゅうねん。あんたメグルはんと、もっといちゃいちゃしとないんか?要らんならわてが貰うで」
だが断る。
「したいです。私はメグルさんとイチャコラしたい!」
そんな大声で宣言せんでも…。まあめちゃくちゃ嬉しいけど。
「天界もな、賭けの結果はほぼ見えて来た言うことで、次は二人の子供がどんななるか?おもろい、いや興味深い、いや意義深い。と言う声もあるのや」
二度も言い換えたな。賭けの対象にしたいだけだろ。
「さて眷族作るで。おーい嫁ぇー?」
「はいお義母さん。準備出来てます」
お姑さんに逆らえない、か細い声が聞こえる。この姑、人間の様に死なないから大変だな。百年の休暇はさぞ楽しみだろう。
「もういけるようやな。では取りいだしましたるこの依り代をご覧うじろ」
懐から人形を取り出す。ぬいぐるみだ。
「これは妖狐の里の少女達が手作りして、里の道の駅で販売している"愛々(プリティ)妖狐ちゃん人形や。これを置いてシーツを被せます。種もしかけもございまへん」
あるんだ道の駅。しかし手作りにしては可愛いな。これはクレーンで2000円突込んでいいレベル。充分に商品展開が見込めるわい(何の話だ)。
「ここに、先代の力を注ぎ込んで、わての眷族を作ります」
じゃあ別に先代さんの眷族でもいいんじゃ…。
「そこ!雑念を挟まない!」
シーツの下に横たえた人形に先先代が念を送ると、人形が白く光り、姿が大きくなってくる。どこかで"ううっ、ひーひーふー"と言う陣痛のいきみの様な声が聞こえる。頑張れ先代さん!
「上出来や」
人形はヨウコと同じ顔立ち、同じ背格好の少女がシーツの下に横たわっている。殆どヨウコと同じだ。
だが一箇所…
「これはスイカか?」
何か異形のものがシーツを持ち上げている。控えめに言って
「極大也是(凄いデカイ)」
思わず大東語で呟く。
「余り見んといて、わての15の体や、恥ずかしわ」
しなを作って恥じらう先先代が、控えめに言って
気持ち悪い。
見てないですよw
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