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49-30.手がかりを探して

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


49-30.手がかりを探して


ただ、このアイデアは実現していなかった。

ワタリガラス運送社長としての日常業務はオルフェに委任していたが、師匠と結婚して俺たちの仲間に入り、八咫くんが生まれ、大氷原にヤクスチランワインの貯蔵倉庫を作り。


と言う事をやっているうちに、とてもレムリアの王族・貴族・富裕層にカクテルという新しい酒文化を拡散している余裕がなかったのだ。

「まあ、安易な結末だけど、あの村人たちがフギン族、ていう可能性だってあるわよね?」

「確かに、他の地域では感じない特異性が彼らにはあったね」


それはどういう事なのか?

と聞いたところ、人前で絶対にフード付きのマントを脱がない、というのだ。

「おふろのときも?」

とステルが聞くが

「滞在したのが一日くらいだったし、そんな多くの人々と会った訳ではないんだよ。子供もいなかったしね」

確かに子供であればそんなフードなどは嫌がって脱いでしまうだろう。


俺は前世で大好きだった映画

「スターウォーズ、エピソードⅣ」

に出てきた砂漠の廃品回収屋、ジャワ族をイメージした。

ジャワ族は、サンドクローラーと呼ばれる先端が船の様に尖ったでかい箱型のキャタピラトラックに乗った1mそこそこのヒューマノイドで、全身をフードとマントで包み、目だけが怪しく光る連中だった。


彼らは残骸やガラクタを集めて周り、役に立ちそうなパーツを人間に売る。

という商売をしていた。

C3POが彼らに捕まり、危うく解体されそうになっていたっけな。


「背はステルくらいはあるけどね。いやステル、鳥ジャガーバージョンで、ファイティングポーズを取るのはやめてくれ、テントが壊れる。そう、いつもの猫娘の130cmくらいの身長だよ」

「なんだよわっちいのか」

「いや、正体が分からないから、弱いかは分からない」


「もし彼らがフギン族なら、屋敷の使用人だからそんなに腕っ節は強くないだろうな」

「でも魔法が使えるて、ユリニウスさが言わぁしたでなも」

「一応魔族だからな。そしてフギン族がもし伝説の烏天狗なら」

「異我の羽鳥一族の忍法を伝えた。と言う一族かも?」


「それってムニン族の方じゃないの?」

「ムニン族はレムリアに渡ってきたのがもっと古いんじゃないかと思う。おそらくラグナロク前だろう」

オーディンはラグナロク前のレムリアの主神であり、フギンとムニンというワタリガラスを諜報活動に使っていた。


だがレッサー魔族のフギン族とムニン族は、それぞれワタリガラスを祖先神としていたらしいのだが、魔界にはオーディンに相似する神はいない。

魔界にいるのは魔神だが、魔神がワタリガラスを手懐けていた。と言う伝承はないそうだ。

あくまでもレッサー魔族は上位魔族の(しもべ)、と言う立場だったのだ。


ワタリガラス自体はレムリアにも魔界にも棲息しており、フギン族とムニン族は自分たちの祖先神(トーテム)をワタリガラスとしていただけだったのかもしれない。

この辺はまだ謎が多く、フギン族とムニン族が、社長の探している烏天狗なのかも、まだ分かっていない。


「まあ行ってみればわかるよね」

と言う師匠の言葉で、トトムに先導されて俺たちはアノ山脈とやらに向かう。

その山脈はいわゆる大山脈の千以上ある支脈の一つで、俺たちは来たことがなかった。

ステルは上を飛んだことならある。と言っていたが、降りたことはない。と。


まあそれがどこかは、この物語とは直接関係がない。

なぜならば、俺たちがその地に到着した時、村などなかったからである。


「確かにこの辺だよな?」

「ククゥ」

トトムが肯定の意味の鳴き方をする。

住居も焚き火の跡すらない。前に来た時にあった、黒スグリの果樹園もない。


「新婚旅行中に見た、夢だった。とか?」

オコが尋ねるが、これにはトトムが

「キッキッキ」

と否定鳴きをする。

師匠に限ってなんらかの幻覚魔法にかかる可能性は低い。

その上二人を下ろした後村には入らず、ハンティングに出かけていたトトムも、村の存在は見ているはずだ。


「つい3年ちょっと前の話なのよ」

社長が涙声になっている。

消えた住民の運命に思いを馳せているのだ。

だが

「ハニー、彼らは誰かに滅ぼされたり、誘拐されたりはしていないよ」

と師匠は言った。


「ダーリン、どうして?」

「住居や果樹園の痕跡が全くない。これは僕たちが夢を見ていたか、彼らが用意周到に痕跡を消した立ち去ったかのどちらかだ」

「でゃあぶん(みゃあ)に生命の反応はあるんだて」

パーサが言う。


つまり彼らは意図的に消えたのだ。

※49部の主な登場人物

◯旅の仲間(ビッグセブン+α)

メグル(ウラナ)…主人公。元ボン76世(未)。旅行家志望。生真面目なまもなく18歳(僕)と結構浮気症な66歳(俺)が同居している。"国民的英雄"に加え、"改革者(イノベーター)"の称号を獲得。更にマーリンから"人類の代表(略して人代)"を押し付けられる。

聖狐天の父となる。朱雀国ガルーダ元帥となる。

オコ…メグルの妻の元妖狐。メグルとの子作りを夢見ている。弓の達人。弱者の味方で直情的。聖狐天の母となる。大聖母。

コンコン…先先代妖狐。通常は子狐に憑依しているが、最近は仙桃の力で元の姿も長くとれる。

ステル(ラン子)…鳥ジャガー神。ラン(獅子)とヘレン(白虎)の娘。メグルをあるじと慕う優しい少女。第6章で進化を遂げ成体、幼体(子猫)以外に猫耳娘の形態をとる。第26部でさらなる進化を遂げ、龍神ケツァルコアトルにも化身。別名悪食。

パーサ…元八娘2号。シバヤンから譲渡され、メグルの侍女となった名古屋弁美少女。諜報活動に大活躍。自称第二夫人。大型肉食獣アヌビスと美しい牝馬に変身出来る。

今後は小説家になるらしい。

ノヅリ…バクロン第3王子。魔法省長官を辞し魔法修行の旅に出る。メグルの師匠。コリナンクリンの夫。

コリナンクリン…ワタリガラスの鳥神。運送業ワタリガラス商会の女社長。ノヅリの妻。

"僕"…"俺"の中に共存する肉体の本来の持ち主。スミティと共にウラナに様々な助言をする。

八咫…ノヅリ師匠とコリナンクリン社長の息子。寄宿舎学校に通っている。

トトム…師匠と社長が駆る飛竜(ワイバーン)。知性が芽生えつつある。

○聖狐天神界

聖狐天…オコを崇める人々の信仰が造り出した神をオコの分魂とメグルの造った依代(フィギュア)で具現化した新しい神。ウラナ夫妻の娘。

シャミラム…聖狐天四天王の一人。元北風の巫女。

サンコン…聖狐天四天王の一人。オコの先々先代の鼎尾妖狐。

二娘…聖狐天四天王の一人。ナンバーズ一の武人。

メルファ…聖狐天四天王の一人。元暴風の魔女メル=ハバ。

ドルマ…ゴルモア大草原の元霊犬。聖狐天を守護する魔喰い。よつばを産む。

○ナンバーズ

一娘…ナンバーズの統括。シバヤンの宮宰。

五〜七娘の母。

二娘…武人。聖狐天に仕える。八娘の母。

三娘…シバヤン宮廷の家事一般を取り仕切る。完全なお掃除をする侍女人形。

四娘…隠密活動に特化。上警で働く侍女人形。

五娘…キャーリーの親友。足が速い。

六娘…唯一人間と同じ消化器官を持つ。記録の神殿で修行中。

七娘…背が高い。宇宙での活動に特化。

八娘…パーサ。クローン分裂したもう一人の八娘のパー子は、人間のパナとなりバクロン元第5王子にして元国王アルディンの妻。

○その他の神・人

アドミン…管理者。スミティを派遣する。

スミティ…アドミンに派遣されたエージェント。メグルの脳内で、メグルの宿主意識の少年と暮らし、メグルに助言する。

マーリン…古代の魔術師。元人類の代表。因業爺。超古代の英雄神イーオンの転生。太古の名はアダムらしい。ゴンドワナでは白いフクロウを依代とする。

ベンガニー…元ジョウザの侍女。大ベストセラー作家。今回はコンサートツアーギョウザ公演のプロデュースと新しい"3メタル物語"の脚本を担当。

小孫妹…ベンガニーが飼っている金糸猴の小猿。

パピーズ…レムリアとゴンドワナを行き来出来る4人の犬人の子(ウラナ、オコ、ノヅリ、セイコのαと4匹の橇犬の仔犬(同β)。

3メタル…初代妖狐の娘白銀丸、初代妖狐の義妹の黄金丸、赤銅丸。

レナルド・ダンチビ…妖狐の里の天才発明家兼工房長。

イグルー…大氷原の族長の娘。ヤクスチランワイン貯蔵庫責任者。ベンガニー本のヤクスチラン語翻訳者を目指している。自著名"威愚瑠烏"

トマレ…大氷原の少女。

ウメダ…元チャガマン公国の王子、現在はアマランタインの夫。ハーフエルフ同士の子。

アマランタイン…千年の眠りから覚めたエルフ女王。

ハツホ…ウメダとアマランタインの息子。

レムリア…レムリアくん。レムリア坊や。ミグルディアの命名。マーリンとハトホルの子。高位の生命体、またはプログラムと思われる。ミグルディアによって新たに『幼な子の君』と名づけられる。

マリス・プロタ…元マチアス・ナビル。名付けの聖女ミグルディアの名付けによって、新しい名を名乗る。

ミグ・プロタ…元ミグルディア。ミグルディアはマーリンの養女。名付けの聖女。

テケ…ルディン村にいた孤児。体力抜群でボディガードに抜擢された。

レイラ…山賊村の姉妹の妹。抜群の動体視力を持ち、上警の捜査官になった。

エール…山賊村の姉妹の姉。結界の展開能力に優れ、上警の捜査官になった。

羽鳥子蔵…異我忍者の上警捜査官。仲間の負った怪我を代わりに引き受ける能力を持つ。

○オコの家族

吐心…父。蓬莱系移民。

サリナ…母、妖狐の里一の踊り子だった。

御供…オコの弟。二娘とメルファに師事。請われて女神モリガンのタイラン軍に入隊。

リュナ…オコの上の妹。商才に長ける。

(マナ)…オコの下妹。魔性の妹で今はローカルアイドル。

○神々

ダガムリアル…古代神の一人。滅亡したドワーフの祖先神で工芸の神。キャーリーと結婚。

シバヤン…ペンジクの有力神。破壊と創生神。

パトゥニー…シバヤンの妻。慈母の女神。

キャーリー…シバヤンとパトゥニーの娘。ダガムリアルの妻。漆黒の女神。太古の女神スバーハと習合している。

アヌビス…ナイラスのミイラ作りの神。パーサの義兄。馬鹿助。

マァト…太陽神ラーの娘、冥界審査官、冥王補佐、アヌビスの恋人(アヌビスからだけ)

記録の神殿の神官…本名は漆黒大陸の神オニャンコポン。

アンゴルモア大王…ゴルモア人の大草原冥界で暮らす先祖神。

モリガン…タイラン島の女神。実体はナイラスのマヤ・ティティ。マヤ・ティティはモリガンの頭の中で夫のイグナスIII世と共存している。

ターワン・ラメン…古代ナイラスの元帥で御供の守護霊。タイラン島の猿人を指揮するため御供を左腕にして復活する。

レムリア神…ついに明らかになったレムリア最高神は宇宙生命体天御中神だった。レムリア神は天御中神の作ったプログラムで、生命の創造と進化を担当。

ワダツミ大神…蓬莱の海神。ムーの主神でカナロアと呼ばれたが、本当はオケアノスと言う古代の海神。正体は宇宙生命体天御中神の組んだプログラムで、生命の環境を整える役目を負う。

朱雀王…朱雀神界の主神。メグルの主筋。

高御産巣日神…天御中主神、神産巣日神とともにレムリアを訪れた神。天御中主神の作ったプログラムか?別の宇宙生命体か?

日見呼主命…蓬莱の主神。正体は不明。

スクナヒコナ…ヒーナル。波乗りする小さな神。ワダツミの子として、ワイハ人をムー島嶼に導いた。正体はワダツミ大神の創造した上位エージェント。

伎芸天…所属神界のない芸能神。芸能事務所社長。実は醍醐如来の娘にあたる。

フォクシー御酒子…3メタルの振付を担当する世界的振付師。

三元道士…マーリンの弟子の一人でコリナンクリン社長の同級生の親友。

ドスル…名前を奪われた元古代神ロキ。放浪しながら魔女を追う。現在は軍師。

パトニカトル…現レムリア神界最古の神。酒神。ヤクスチランの主神。オオモノヌシとも言われる。

ハトホル…ナイラスの女神。マヤ・ティティの母。前世はイブ。

ハマチャーン…ペンジク神界の猿面の神。

斉天大聖…上警の上級捜査官。水簾洞の主人でハマチャーンのクローン兄弟だった。

クロノス神…運命の神。レムリア人・神々が、漠然と思う時間の神。実際には時間局を統括する四次元神。

醍醐如来…醍醐教の主神。

大日如来…醍醐教密教の主神。

不動明王…大日如来を護る五大明王の一人。だけでなく、大日如来の意を伝えるCOO役でもある。

薬師如来…醍醐神界の医療・薬学の総帥。

観世音菩薩…醍醐神界のお助けヒーロー。33の変化体を持つ。

シンダル王…エルフの祖先神。

制咜迦童子…不動明王の眷属八大童子の八男。

孔雀明王…密教守護神で、ペンジク由来の強力な女神。

西老猴、北武猴、南温猴、東徹猴…水蓮洞の四大猴。

魔光仙女…斉天大聖の娘で売れっ子漫画家。水簾洞の金糸猴。通称マコちゃん。

ディード…ポエミの神。幼名エリッサ。亡命魔神。

○敵

合理キー(仮)…パーサの首を捻じ切った謎の怪力マン。正体は天使のプロトタイプ。

ヨルムンガンド級…オケアノスが警告するラグナロクでの強敵。精神操作系の術者だと思われる。

カペラ…スミティと同等の宇宙生命体の部下。

ケイオス…アドミンと同等の宇宙生命体。

天使兵(アンジョ)…宇宙空間でスサ大神を拘束していたフェンリル級怪力天使。生物ではない様だ。兵団単位。

怪僧…黒衣の修道僧の姿の魔女の新しい部下。天使を操る力を持つ。正体は蓬莱東国の銅居。

虚無の女神…宇宙生命体でも制御出来ない、天体を飲み込んでしまう負の存在。ブラックホール的なもの。

◯第49部の登場人物・神

オベロン…リリパッド族パチモンの司令官。

オベリウス…リリパッド族パイセンの司令官。

タエ…リリパッド族パチモンの娘。

タニエ…リリパッド族パイセンの娘。

ユリニウス…タニエの父、元パイセン司令官。

(ヒゲの)ユリニウス…ユリニウスの父。


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