表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1841/1942

48-4.ルールはルール

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


48-4.ルールはルール


「ちょっと確認したいんだけど、過去から召喚されたゴンドワナ人達は、純血同士では繁殖能力を持たない。って間違いないよね?」

師匠が聞く。社長も先ほど黒板にまとめる時に、確認してきたので、スミティにも聞いて間違いない。と答えたのだ。


「二人とも懐疑的なんだね?」

俺が聞くと

「いや、運命神とか四次元人って、なんでもアリじゃないか。そのラプラス神?の定めたルールなんて、軽々と超えそうな気がしてさ」

確かに結局俺たちは

「運命神の敷いたレール上で走らされているだけの駒じゃないか?」

という無力感に陥る事が多い。


「それはね」

ビッグセブンだけなら直接話してもらえばいいのだが、パピーズがいるので、俺がスミティの考えを代弁する。

盤上戦遊戯(チェス)を想像するといい。四次元人は俺たちに色々な運命を与えて、自分が望むゴールに世界をもっていこうとするゲームの競技者だと考えてごらん。例えば盤上戦遊戯でこちらの魔術師(マジシャン)に空中飛行の術を与えて、城兵や歩兵の頭を一挙に飛び越えて、敵の王将(キング)を襲ったとしよう。これでゲームは勝ちになるかい?」

「それはっずっこいよ」

ステルが叫ぶ。


「そうだよね。盤上戦遊戯の魔術師にはそんな長距離攻撃(ロングジャンプ)の能力のルールはない。だから運命神だ四次元人だと言っても、三次元の我々の世界で神が設定したルールを変える事は出来ないんだよ」

「でもレムリアでは実際にレムリア神の定めたルールに対して、改めようとする動きもあるんでしょ?」


オコたちは、レムリア神がもっと上級の宇宙生命体の書いたプログラムだと言う事までは知らないが、レムリア神の方針が誤りであり、是正の動き(オブリトゥス神)があることは承知している。

パピーズたちは

「何それ?初耳」

みたいな顔をしているが。


「うん。ゲームのルールを変えよう。という動きはある。そしてその背後に運命神の手が働いている可能性は十分あるよね。だが現状は如何に運命神でも、ルールに従う他はない」


生前俺はMLB(メジャーリーグベースボールの野球が好きだった。

特に野茂以来、イチロー、松井、松坂と言った名選手が渡米し、十分にアメリカでも日本選手が通用する事が分かってきて、ついにアメリカにもいない二刀流の大谷翔平が渡米し、これから大活躍。という時点で、こちらに来てしまったのは残念でならない。


MLBは日本のプロ野球に比べ、新しいルールを採用するのが早い。

ここ数十年のルール改正で、一番大きな変更は

「DH(指名代打)」

制度だろう。

日本ではパリーグが採用している。


MLBではアメリカンリーグが採用しているが、投手がバッターボックスに立つのは、デッドボールやファール自打球などで選手生命が立たれる危険性があるし、打線の流れが途切れてしまう、つまらなさがあるのでDH制度は合理性がある

もちろん完封した上に自分でホームランを打った一点だけで勝ち

「野球は一人でもできる(※これは新聞記者が見出し用に勝手にでっちあげた言葉で、本人は言っていないらしい)」

と言う名言を残した江夏豊の様な特例もあるが、江夏も普段は強打者だったわけではない。


大谷の場合は日本ハムが

「パリーグならばDHをやりながら二刀流が続けられる」

と勧誘し、MLBに行く気満々だった大谷を口説き落とした。

おそらく大谷があのまま高卒でアメリカに渡っていたら、外野手か投手のどちらかに限定されていただろう。


日本ハムで大谷は、日本のプロ野球でも類を見ない二刀流選手として、打撃、投手成績共に優秀な成績をあげ、DHのあるアメリカンリーグのエンゼルスに入団した。


同じロサンゼルスのドジャースは高校時代から大谷に注目しており、伝説の大投手カーショウのプライベートな予定をキャンセルさせてまで大谷勧誘に同席させ、後でカーショウが

「大谷はアメリカンリーグにくるつもりは最初からなかった。DHがないから。俺は何をしに行ったんだろう?」

と(球団幹部に対して)怒ったという逸話もある。


今後エンゼルスとの契約が切れた暁には、ナショナルリーグの球団はDH制を採用しないと大谷を取れないだろう(※そうなった)。


「まあ純血至上主義者に滅ぼされた人々もいたろうから、そういう人々を呼んでくれればいいのかもね?」

とオコが言う。

「それが、なかなかそう言うわけにもいかないかもしれない」

「どういう事?」


「ゴンドワナの旧人類の歴史など知らないけれど、俺の前世での伝説で『アマゾネス』という部族の話があってね」

「どう言うの?」

おはなしと聞いてステルが食いついてきた。

「女戦士だけの国だった。と言うんだ」

「何それかっこいい!」

「まあ実在は疑わしいんだけどね。女だけの国だから、当然結婚制度はない」

「じゃあどうやってはんしょくしたの?」


「娘が必要になると、近隣諸国の逞しい男を攫って子供を作る」

「男の子だったら?」

「殺してしまう。相手の男もだ」

「うへぇ、なんちゅうざんにん」


「こうして女戦士の血統を維持した。と言うのだが、まあこれは特殊な例としても、混血容認派であってもエルフの娘とかを拐かして子供を作り、その子供たちさえ手に入れば、もうエルフ女性は不要。後は生まれた子たちで結婚していけば、純血ではないのでラプラスの呪いには縛られない。と言う手を使う者たちもいただろう」


「じゃあなんでそう言う人たちの子孫はいないのかしら?」

「そういうやり方を激しく憎む純血至上主義者たちに殺されたんじゃないかな?」


なんだかどっちが悪いのかわからなくなってきた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ