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47-36.ゴンドワナ観光案内

転生したら転生してないの俺だけだった

~レムリア大陸放浪記~


47-36.ゴンドワナ観光案内


「ちょっと考えをまとめさせてください」

マリスは古畑任三郎の様に額を抑える。

「分かる様な気がします」

ミグが言う。

「レムリアではない異世界が存在する事。人代様の事を考えれば、信じられますわ」

「俺の事?」


「仰ったじゃないですか『俺の前世は異世界にある』って」

「ああそうだったね。だが俺のいた前世はゴンドワナではないんだよ」

「そうなんですね。ではゴンドワナとは、どういう世界なんでしょう?」

「人代様はどうやってそこに行かれたんですか?」

二人に質問された。


俺は順番に話し始めた(以下第7部より)。

「俺たちは大氷原の民を大氷原熊の襲撃から助けた。そこで彼らから凍てつく海の向こう側にあるという島について情報を得たんだ」

「大氷原はレムリアの南の果てにあるんですよね?」

「そうだ。位置的には、ペンジクの南の海と、その凍てつく海は同じ海のはずだ。大氷原の民は犬橇で海を渡って、かなり沖の方まで漁に行くらしい」


「北に向かえば気温が上がって、氷が溶けるのですね?」

「その通り。だがその先は行けない」

「舟がないから?」

「折り畳み式の釣舟も持って行くらしいが、危険すぎて長く居られないようだ」

「危険?」

「氷を破ってイッカクという化け物が襲ってくるようだ」

「イッカク…、ユニコーンですか?」

「いや、馬じゃなくて鯨の一種らしいね」


「僕、聞いたことがあります。長い真っ直ぐな角が一本生えている鯨の一種ですね?」

「そうそう。こいつが危なすぎて、ペンジクからの航路が築けない。というのが、今まで大氷原やヤクスチランがレムリア人に知られていない理由なんだよね」


「なるほど、それで人代様と愉快な仲間が冒険の旅に出たんですね?」

「あったりぃ〜!さいしょはステルが行ったんだよ。でも、ボヨヨーンって」

「空からステルが侵入を試みたんだけど、結界に阻まれて、進めなかった」

「島はね、あったんだよ。でもボヨヨーンって」

その島の事をパトニカトルは知っていた。

マウリア島というのだが、誰も行けないのだとか。


「でもイッカクは、ラスボスだ無かったんだわ」

とパーサ。

「もっと凄い敵が?」

「ああ。海神様さ」

「それも神話図鑑で見ました。三叉の鉾を持った大男ですよね?」

「そうそう。ムーの伝説ではカナロワという海の神だ」

「ムー!凄いなあ」

マリスは神話オタクだったらしい。


「そんでね。カナロワじいちゃんは、足がタコなの」

「図鑑では上半身しか描いて無かったです。海の中では蛸?」

「そう。まず手下の大ダコテンタクルズを倒したんだけど、ついに登場したラスボスは、下半身がタコの海神だった」

「それも倒した?」

マリスは普通の男の子モードだ。

「いや和解した」


「それでステルたちに足をくれたんだよね。食べなって」

「え?猫にタコはダメなんじゃ?」

「ステルはだいすきだよ」

「ステルはなんでも食べるのよ」

「へえ、悪食(あくじき)なんですね」

「あ!それミグ、名づけ…」

後世にステルの別名が悪食になったのは、これが原因である。

「ごめんなさいステルちゃん。変な名前つけちゃって」

「へいきだよ。かっこい名まえありがとう」

「ステルちゃん…。良い子ね」

後世にステルの別名が良い子に、はならなかった。


「俺たちはカナロアから、その先にあるマウリア島について聞いた。その島には大魔王ヴァルガが葬られており、カナロワはこの海域に人間が近づかない様に護っている。と」

「ムーが沈没してリストラにあって、ここでガードマンしてはったわけですわ」

コンコンが近所のおじさんみたいに語るが、ムーと聞いてまたマリスの耳がピクっと動く。


「結局俺とオコと師匠だけが許されて島に上陸できた」

「他の皆さんは?」

「カナロワおじいちゃんのりゅうぐうじょうにしょうたいされたの」

「素敵ですねえ」

ミグがうっとりしている。


「それで俺たちは、マウリア島に上陸して、祠に埋葬された大魔王ヴァルガの霊に面会した」

「怖く無かったですか?」

「まあ俺たちはシバヤンにも会っていたからね」

「ペンジクの…。破壊の神ですか」

「今は創造の神だけどね。それで依頼を受けて、ヴァルガと共に、ゴンドワナに旅をしたんだ」


「凄い展開ですね。ベンガニー先生が小説にしそうだ」

「多分そのうち出版されるよ(君たちが上手くやればね)」

「アタシは赤い狐、主人は紅色の小鳥、そしてノヅリ師匠は緑のたぬきだったわ」

いやオコ、緑じゃ無かったろ。

「ヴァルガ大魔王はそのままですか?」

「いやマリス君、ヴァルガはゴンドワナでは大魔王ではなく、力ある神なんだ。この旅ではヴァルガは灰色の老狼の姿だった」

「なんと」


「そこで俺たちは、エルフやドワーフ、ドリアードに巨人、さまざまな物を言う動物にも出会った。その中に犬人もいたわけさ」

「そして、マルモシウス様が僕らを選ばれました」

「マルモシウス?」

「犬と犬人たちの神さ。普段はレムリアの神界に住んでる」


「選ばれた。とは?」

ミグが尋ねる。

芯食ってるぜ、ミグ。


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