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ゲームの始まり(1)

転生したら転生してないの俺だけだった

〜レムリア大陸放浪記〜


1-12.ゲームの始まり(1)


翌朝、約束通り先先代は現れた。


「いやあ大変やったけど、何とかなりそうや。天帝はんも今回の件はえらい怒ってはってな。あの会社にキツう言うてくれはった。今後一切この世界には転生させへん。メグルはんに関しては、最高の条件で冒険者ギルドのある世界に再転送ではどうか?って言うこっちゃ」


俺は真っ青になったヨウコの顔を見ながら聞いた。

「ヨウコも連れて行けるのか?」

「それはでけへん。この子は、この世界の輪廻に縛られとるさかい」

「ではこの世界に留まる」

「ふふふメグルはんは、本当にヨウコが好きなんやな。昔を思い出すわぁ。わてのあの人も一番辛い事に耐えて、わてと添い遂げてくれはった」

辛い事が何か、聞かなくても判る。


「昨日の時点でもな、あんさんだけが大東の魔手から逃げる事なら出来たんや。遁術とか教えたら、あんたなら使えるやろ」

多分使えると思う。今度教えて貰おう。

「ええよ。ただ他の問題がある。メグルが例えヨウコを連れて逃げても、このジョウザを離れた途端、ヨウコの記憶は消える。違う女の子と逃避行や」


「それでは意味がない」

「せやな。で昨日天帝様の所へ行ってきた」

あれ?様付けになった。さっきは天帝はん、昨日はおじさん呼ばわりだったのに。これはアレだな。親しみは持ってるけど、いざ直に合うとビビると言う。ヤクザで言う怖い伯父貴か…。


「天の(ことわり)を管理するお方やさかい、今回他のシマからの横ヤリを許してしもた弱みがあるのや。ちょっとおしっこちびったけど、何とかあんじょう決まったで」

例えじゃないんだ。本当に怖かったんだな。


「ほな天帝様の裁定を告げるで」

ヨウコが、背筋を伸ばして座り直す。俺も隣に正座する。先先代の顔が荘厳に輝く。

「朱雀還流は76代ボン候補の地位を剥奪。その記憶と能力は残したまま、全土通行構い無しとする」


へえ、先先代本当に頑張ってくれたんだ。

「この世界にて、何を成すかは自らで定めよ。尚今後に悪をなす事がなき様、当分の間目付けを置くものとする」

目付け?

「ヨウコは記憶を抹消し、新たに生まれる真のボンに従う妖狐となる」

え?それじゃ話が違う!


立ち上がろうとする俺の肩をヨウコが抑える。小さく

「大丈夫。先先代がきっと考えて下さる」と囁く。

「さて先先代には、眷族を新たに設け、ヨウコの魂を移し替えよ。ヨウコが今後どの様に生きるかは、勝手とする」

俺たちは深く平伏した。


「先先代様、ありがとうございます。魂魄となられても、眷族を生み出す霊力を保って居られるとは…。ヨウコ、感服いたしました」

「んな訳あるかいな!そんなもんこさえたら、当分再起不能や。これには先代が力を貸してくれた。あの子は優柔不断で、情の薄い子や思てたけど、お前の事は心配してたんやな」

「お義母様が」

そう言うのか。じゃあ先先代はお義祖母様…。いややめておこう。孫に絶対おばあちゃんと呼ばせないタイプだ。


「ふん。賢明じゃ。妾も天帝様からお目付け役を言い使ってしもたので、眠ってしまう訳には行かんのでな。代わりに先代が百年の眠りについてくれる」

この煩そうな姑から百年離れられるのは幸せかも…

「今何か思ったか?」

いえ何も。


「眷族と言うても、外観はわての15の時と変わらん。つまりヨウコと瓜二つじゃ。ちょっとヨウコよりおっぱいは大きいがな」

「ほうそれは」

ガシッとヨウコの肘鉄が炸裂した。


読んでいただきありがとうございます。

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