ひきこもりの半生
私はひきこもりである、そしてその心中の弱さゆえに作家を目指すことにしたのである。
そうこれならば、家という、それなりの安全圏でぬくぬくと書くことができるからである。
私はそれなりに世間常識を知っていて、そしてそれなりに好き嫌いがある。
しかし心があまりにも弱いため、世間で戦うのは無理だと思ったのだ。
だから私はせめてもの社会貢献をしようと、作家の道を選んだのである。
そうして今日もあらゆるワードを使い、とにかく書き上げて、とにかく一発当てたいという思いしかなかった。
紳士的に書くのをやめ、思いのままに、全てをぶつける。
ああ、なんと爽快なことか。
そしてまず私は、恋でもしようと思った。
とにかく作家だけでは、つまらない、ついでに恋でもして、もっと人生をいろどってしまえばいいじゃないかと。
しかしどうだろう。
今の私は、一人である。
そう、ここまで万年ぼっち生きていた。
どうすればここから、巡り巡って恋ができるか考えた。
作家である分、思考は柔軟で、方法はすぐさま思いついた。
そう、出会い系である。
名が体を表すとはことのことだ。
ともかく、ネットにて出会い系を検索し、サイトへ登録した。
どうであろう、すぐさまメールが届いた。
私は心底、心躍っていた。
しかし出会い系とは一説によれば、桜商法というのも聞いたことがある。
どうしたことか。。。
私は悩んでいた。
そしてとにかくメールはしようと思った。
相手から届いたメールには、挨拶の一言と。そして不思議な一言が添えられていた。
それは。。。
"メール代が発生しました"
というアラートメッセージだった。
私はこれはやはり、お金を取るだけのものかとすぐさま捨てた。
そして新たな出逢いを求めるべく、まずは運命的シュチエーションである場所にはびこることにした。
まずはスターバクスター、敬称スタバにて。
優美なる用い振る舞いで、声をかけられるのを待つことにした。
まず運命的小道具を用意した。
まず一つ目は、できる男というイメージであるアッポーのパソコン
そして二つ目は、凄腕の男というイメージのアッポーウォッチ
そして最後に、ビシッとした男というイメージの蝶ネクタイの燕尾服
完璧である。
これでどこからどう見ようと、完璧な男前である。
そして始まった、逆ナンパ待ち、"スタバウェイティング"
颯爽と窓際のカウンターテーブルに着く
ここでの利点はまず二つある。
窓際カウンターということで、外からも目を引くことができること
そして極め付けのもう一個の利点が、横一列であるカウンターなら、お茶をさーっと横滑りさせてキャッチするあれができるからである。
まず、あたりを何気なく見渡す、あくまでも誰も狙っていないという、余裕を顔に浮かべながら。
そして品定めは終わった。
私が声をかけられたい女の人は、自身の席から三つ隣のゴシックロリータがよく似合う、清楚可憐な少女であった。
しかして、考えが、まとまらない。
ここで、相手の出方を待つか、はたまたお茶をさーっとしてキャッチする、あれをするかということだ。
私は考えたあげく、お茶さーっと作戦を開始した。
まずは席を立ち、スタバの店員にバーボン一つといった。
店員はテクニカルな手さばきで、バーボンを作りあげた。
そしていざ、バーボンスライドが始まる。
私はカウンターテーブルに深く腰掛け、まるで中世のガンマンのような顔つきになった。
そしていざ、手首をっすっと動かし、スライドさせた。さーーーーっと移動していく。
見事に、黒髪ゴシックロリータ少女の前で止まった。
私に?といった感じにこちらを覗いた。
すかさず私は、ガンマンが銃をふかすような、感じで、人差し指をスナップさせて、どうぞっ!
といった。
彼女は、クスッと笑い。
えっと?
といって困っていた。
その、お近づきの印にどうぞ
私は場の空気が一変しないように、決め手の一句を言い終える。
あー?もしかして、狙ってます?
見事に心中を察せられた、いやそうであっていいのだが、しかしこう面と向かって言われると、気恥ずかしさに拍車がかかるというものだ。
ともかく、こう告げた。
結構本気です。
ド直球な方ですね、話くらいならいいですよ。
なんということだろう、これは、やはりしてやったりか、と内心うへっへしながら、席を詰めて、真隣へ。
その、結婚してください。
え?
開始早々、猛烈なアタックに、彼女はもちろん、周りのお客や、店員までもが、それは行きすぎだろー、ということを心中に浮かべているに違いない、険悪な表情を浮かべていた。
だからその、結婚です。
あーあーあー、なるほどーー、あなたはいわゆる、困ったさんですね。
なんというか遠ましすぎて、わからなかったが、しかし、断られているではないと、内心自分を慰めながら、果敢に挑む。
いえ、マジで恋しています。
なるほどーではキープで。
その聞きなれない言葉に、とにかく脳内をあたって、意味を深く考えてみた、そして結論しては、直訳した意である、保留、もしくはとっておく、という意だ。
しかしここは、本当のことを聞かねばわからない、作家として新たな言語への追及は大切だし、何より、恋したい子のお言葉なのだから、調べずして、なんとするか。
その、どういう意味でしょう?
並んで待ってくださいという意味です。
私は今しがた、意味を深く考えた、並んで待つ?ん?どういうことだ、この子はもしや、モテまくりの、告られまくりなのか、と考えたが、しかしそれもおかしな話だ、なぜなら、私は作家としての、断固たる女を見抜くすべを知っていたからである。
そう彼女からは、キャバ嬢ぽい、ダークなオーラを感じないからである。
その?普通の女の人ですよね。
違いますよ、とってもハードスケールです。
ともかく、これ以上話していると、なぜかアブノーマルな不足に自体になりそうだったので、とりあえず、店を出ることにした。私はあくまで純粋な恋がしたいのだ、すぐさまその子を捨て置き、次の恋路へ走った。
店を出て、空を見た。
世界はどうしてこんなにも、むっふっふなんだ、帰ろう、帰ろう。家へ。
そうして私はとにかく帰ることにした。
もうやはりひきこもっているくらいが、私には最適な環境だろうと、改めて思うほどに。
そうして気づけば、私はまた家で作家をしていた。
やはり板についたことをしていると、楽でいいし、何より楽しい。
正直これだけの生活を続けるだけでも、いいのだが。
やはり恋がしたい、それも純白な恋がしたいものだ、作家特有の周りすぎる頭故の、少し無勉強な子が好みという。そういう自分にないところを求めてしまうところがある。
そして自宅恋愛というのがあるらしく、ツイタタを始めた。
自宅恋愛とは、説明すれば、簡単なので、伏線的なものとして今はしないでおこう。
ツイタタとはオンライン上でのコミュニケーションツールである。
これをうまく使うと以下のことができると、アッドチャンネルに書いてあった。
1恋
2金
3友
とても魅力的なツールである。
しかしまだプロセスがわからないままであった。
すかさず、検索して。どうすれば、恋、金、友、が手に入るか、なんかあくどい思いになりながらも、検索した。
早速ヒットした。
世はすごい、欲すれば欲するがままの情報源が載っているのだ、なんということだろう。大丈夫なのだろうか。
どれどれ読んでみるか。
目を通してみると、驚いた。
恋をしたい方は、まずフォロワーを作り、そうして仲良くなって、恋ををしましょう。
お金を作りたい方は、まずフォロワーを作り、アフィリエイトに登録して、1見1円でしょう。
友を作りたいかは、まずフォロワーを作り、仲良くなって、言わなくても友達だよねって気付きましょう。
と、結構世知辛く、いやユーモラスといくべきか、とにかく身になる術と、頭に来そうな術を手に入れたのだった。
そうしてフォロワーを作るべく、頑張り出す。
1day..
2day.....
3day......
と、いうか、いささかこれでは回りくどいやり方すぎると気づいた。
なぜなら、フォロワーを作るまでは順調にできるのだが、いざコミュケーションをとるとなると、一言二言が関の山なのだ。
私はやあり現実とは、こうもあれよあれよという間には、うまくいきっこないと、恋の道を断念しようとした、その時であった。
好きです!かかれた画像が届いた。
私は驚いた。
どういうことだろう、これは、
その画像には奇妙な点が多々あった、なぜか少し色合いがまだらという、ふぁーっとしているのだ、私は恐る恐るズームした。
するとどうだろう、、、、そこには、、、、私の写真が小さくたくさんあった。
そう、モザイクアートで好きです、発言であった。
私はゾッとした、なんだこれは、これはあらてのストーカーか、
とにかく私は自宅恋愛をやめることにした。
ちなみに自宅恋愛とは、お招き恋愛とも呼ばれる、それのバーチャル版であった。
ともかく、私の人生は、今こうして、作家だけとなったのだった。
ともかく、ここでおしまい。
ちゃんちゃん。
バットフィーリングストーリーここに極まれり