4日目:魔女
マイルが、森の方とは逆に歩こうとしているため、僕は極度の方向音痴なのかな?と思い、マイルに声をかける。
「えっ?どこ行くんですか?」
「ん?森を抜けるんだが?」
「えっ、森を抜けるって、どうやってですか?」
「空を飛んで、だが?そして、今から空を飛ぶための魔道具を取りに行くとこなんだが?」
「なるほど!…ってそんなことできるんですか!?」
僕は、驚く。すると、マイルはそんな僕を不思議そうに見る。
「何を言ってるさ?お前は…この世界で移動手段として空を飛ぶのは当たり前のことだが?」
「いやいや、僕の世界では当たり前じゃないですよ!?もう、世紀の大発明とか言って、世界中のネットやニュースがざわつきますよ!?」
僕の言葉が通じなかったらしく、マイルは顔をしかめている。
「ネット?ニュース?それは何さ?魔道具か何かか?」
「いや、あの…色々な情報を教えてくれるもので、一瞬で全世界に情報がまわるものです。この世界にないんですか?」
「なんだそれは!?それこそ、すごいじゃないさ!」
「いやいや、空飛ぶ方が凄いですよ!!ネットとか、ニュースは、僕らにとって日常の一部ですよ?」
「そんなすごいものが、日常の1部とかやばいさ!!」
────何もやばいことはないんだけどな汗
僕は、少しだけ自分のいた世界の日常が実はすごい事だと知り、少しだけ誇らしく思った。
「へへっ…でもマイルの世界の飛行技術もすごいと思うよ!」
「ありがとうなのさ。お前、良い奴さ…」
そう言って、マイルが取り出したのは箒だった。
────これは、凄ーーーーく、魔女っぽい汗
「ひとつ聞いていいですか?」
「ん?何さ?」
「マイルさんって、魔女…とかだったりする?」
「は?」
「あああああああっ、ごめんね!違うよね!汗」
「いや、あってるさ。それより私が、魔女だって言ってなかったさ?」
「うん、聞いてないですよ!?」
「そうか…私は、魔女の一族で最後の魔女さ…そして、魔女の中の魔女、天才にして天才さ!ふふっ…」
────まっ、まじか…汗
(僕、そんなすごい人に助けられたんだ…あと、一番最初に出会ったのが、すごい人で良かった(ホッ)心強い…)
「凄いんですね!」
「あっ、ああ…そうだ!私は、すごいんだ!すごく強くて、すごく美しい!」
────そこまでは言ってないんだけど、確かに美人なのは事実だ。
「はい、マイルさんはすごくキレイです(ニコッ)」
「────なっ!(カアッ)」
僕がマイルを綺麗だと言うと、マイルは顔を赤らめた。
「熱でもあるんですか?大丈夫ですか?」
「だっ、大丈夫さっ!!それ以上近寄るんじゃないさ!」
────そんなことを言われても、今はもう箒にまたがって、空の上だ。
「落ちますっ!!落ちちゃうんで、あんまり押さないでください(泣)」
「大丈夫さ!落ちても、死なないさ?ちゃんと着陸魔法あるだろ?それか身体強化魔法とかさ!」
「僕は、魔法使えないんです!!というか、使ったことありません汗使い方も知りません(泣)」
「お前、本当に救世主なのさ?」
「だから、間違いで連れてこられたんです(泣)僕普通の男子高生だったのに(泣)」
「あー、本当のことだったのさ…汗」
────本当に僕がこの世界でできることは無い…
(元の世界でも大してできることなかったのに…)
「僕にできることって言ったら、ご飯作るくらいしかないや…」
「ご飯?」
「うん…親は海外行っててずっと居なかったから、ご飯は自分で作るしかなかったんだー」
「それは、美味しいか?」
「うーん?食べられない味じゃないと思うけど汗」
「是非作ってくれさ!」
「ええ!?」
次回、料理作ります汗