3日目:言い訳
「僕が、あの森にいた理由は…
…理由は…
山へ芝刈りに行ってたのです」
「!?
山に芝刈りにか、、、」
「はい、山に芝刈りに、です(真顔)」
僕は、自分でいいながら苦しい理由だなと思った。
────だけど、もうここは勢いに任せて乗り切るしかないっ!
「そんな訳ないさああああああっ!」
(で、ですよねぇー汗)
────ああ、ダメだ…僕殺される汗
────だって、もう目の前にいる少女は、僕の胸ぐらを掴んで、どこから出したのかわからない大きな鎌を僕に突き出してるんですよ…
────あっ、死んだ…(トホホ)
そして、僕は潔く死を受け入れようと、静かに目を閉じ胸で腕を組む。
(ああ、神よ…)
「ん?呼んだ?」
心の中で、神と呼ぶと本当に神様が反応した。
(アニメ、もう見終わったんですか?)
「今ね、1期見終わって!これから、すごく面白くなりそうなんだよー!まじで早くみてー!…で何?呼んだでしょ?」
(はい、呼びました汗あの、僕今にも死にかけてるんですけど、どうすればいいでしょうか?)
「そんなのもう、破壊しちゃえよ★」
(なんてこと言ってるんですか!?そんなこと出来るわけないでしょ!それに僕なんか、そこらに居る女子にも勝てないんですよ?汗)
「よっわ笑
あー、まじで呼ぶ人間違えたわー笑まあ、どうでもいいんだけど笑」
(すみません汗…って、どうでもいいって!?)
「いやさ、僕一応この世界の神様だから、世界を守んなきゃっていう設定があるんだけどさ、それ無かったらぶっちゃけ世界を救う救世主とか呼ばないよ笑」
「ええーー汗」
僕は、思わず声を出してしまった。
するとその声が、少女に聞え少女が胸ぐらを掴んでいる手の力を強くする。
ギリッと首が若干閉められている音が聞こえる…
────ひゃあああっ、死んじゃう汗
「いきなり何さ?お前…」
彼女の僕を見る目が、とても冷たい。
(泣きたい)
「トホホ…」
「何さ!男が泣くんじゃないさ!!」
「うぅぅっ、ちゃんと話すんで、手離してください…(泣)」
「…わかっ」
「グワッグッ!」
「え?離すなって?わかったのさ…」
そう言って、彼女はまた僕の胸ぐらを掴んでいる手に力を入れる。
────苦しい…僕には、苦しいのを喜ぶ趣味はないのに…
「ぼっ…くが!…あのっ、森にいた理由を…話さなかったのはっ!…多分それを君たちがっ!信じてくれないと思ったからですっ!」
「私たちが、信じられない理由さ?」
「はい。実は、僕神様にこの世界の救世主と間違われて、あの森に飛ばされたんです。そして、僕はどこへ向かえばいいのかわからず、ずっと森を歩き続けていました。歩き続けることに限界がきて、あそこで力尽き、倒れていたんです。」
「……」
「こんな話、信じられないですよね?」
僕は、自嘲気味に笑った。
そして、彼女の方を見ると、彼女は何か考えているような神妙な顔をしていた。
「私の名前は、マイル・イースリング。」
「えっ?」
「間違われてはいるが、救世主の君、平良太を歓迎するさ!」
「…信じてくれるんですか?」
「いや、まだ全然信用してないさ!だから、君をずっと傍で監視して、本当に救世主になるような人物なのか判断するさ…」
「それって、僕と一緒に旅に出てくれるってことですか?」
「うーん、平が旅に出ると言うなら、もちろん私もついていくさ…」
「そうですか…」
「迷惑か?」
「いや、全然!むしろこの世界のこと知ってる人がそばにいてくれるんだから心強いです!」
(やったー!心強い味方を手に入れられたあああっ(泣))
次の日、僕はマイル・イースリングと森を出た。