2日目:森、森、森っ!!
────僕は、どれくらい歩いたんだろう…
────もう分からない…
「あれ?ここ、さっきも…はぁ、はぁ…通った…はぁ…ような…」
僕は、あれから10時間以上歩いていた。しかし、歩いても、歩いても森の出口のような光は見えない。
自分が今どこにいるのかもわからず、自分の持ち物に水はない。歩き続け、喉がからからに乾いている。
そして、僕はあまり運動が得意ではないから、10時間以上歩き続けただけで、もう体力は尽きたらしく、目の前が真っ黒になった。
「あ…れ…?」
僕は、誰もいない森の中で力尽き、気を失ってしまった。
…
「こーらっ!君たち、まぁーた森の形変えて誰にいたずらしてんのさっ…」
「グフッガァーッ!ゴッゴッ、グワァーッガッ!」
「うん?森に侵入者?そんなのいるわけないさっ!」
「ガガガッ!」
「わかったよ、ついていけばいいんだね?珍しい侵入者は、どこさ…」
*******
僕は、とても懐かしい夢を見ていた気がする。一人の女の子を泣かしてしまった、昔の記憶。
(ああ、あの時僕もまだ子供だったからな…)
「んっ…ん?
!!
いったあああああああああああああああああああああああああああ!!!?(泣)
えっ?何?」
「おおー!目が覚めたさ!笑」
「いや、目、覚めましたけど!何したんですか?」
「スネ毛を一本一本丁寧に抜いてたさ」
「いやいや、それ丁寧っていう言葉いらないと思うんですけど!って、なんで、僕のスネ毛抜くんですか!?」
「?抜きたかったから?さ…」
何が悪かったのか、なんでそんなに怒ってるんだ?という顔でこちらを見る少女。よく見たら、クラスで確実に三本の指に入るくらい可愛かった。
「抜きたくても抜いちゃいけないんですよ?相手の気持ちを考えないと、相手が不愉快な気持ちになってしまいます汗」
「そういうもんなのかさ…(しょぼんっ)」
あまりにも落ち込みすぎる彼女を見て、僕はどうしていいのか分からず、オドオドして、彼女の周りをウロウロしていた。
すると、そんな僕の様子を見て彼女は急に真顔になって言う。
「ウロウロすんな!落ち着くのさ!」
「…はい汗」
「よしっ!そうだった!!お前に聞くことあるさ!」
「僕なんかにですか?汗」
「んむ!」
「…なんですか?(ドキドキ)」
「名前は?」
「名前は、平良太です。」
「年齢は?」
「16歳」
「ふぅーん…じゃあ、最後に…」
「……(ドキドキ)」
「私のスリーサイズ知りたいさ?」
「!!?…知りたいです(真顔)」
「ガガガッ!ガアアアアアアアッ!!」
「!!!?なんっ、なんですかぁ!?」
「そうだったさ。いやぁー、自分の願望が先走ってしまったのさ…」
「これ、ぬいぐるみかなんかですか?なんか、すごくゴツゴツしてて、それでいて少し柔らかいとこもあって、ちょっとリアルですね汗」
「ぬいぐるみ?そんな生き物は、知らんさ。それよりも、お前の目的を教えるさ、あの森にいた理由を…。返答次第によっては、お前を殺す」
(ええええええええええええっ!!)
────なんで、殺すの部分だけ『さ』がつかないのさ
────あっ、僕の方についちゃったよ汗
────どうしよう…
────彼女に殺されないためには、なんて言えばいいんだろう?
────頭を回せ
────あっ、ダメだ。回す頭もない汗
「僕が、あの森にいた理由は…」