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「使い手は素敵かな? 隠し事を秘めた男を騙すような女に見えるよ……」
「私が大剣だけで戦うと思った? 相手がやたら大きな武器を持っている時には、相手の隠している戦略を推測して戦うのが基本の基本のはず」
「大剣を使う宣言があったのかと思ったからな。てっきりカードを公開したの行為こそトラップだと思っていた」
「私は『この大剣、グングニルを使う』とだけ、言ったつもり。…ね? 使った、でしょ? それに、あなたを大剣で平伏せたいけど、そうは言っていられないんでね」
「ふん、必ずしも詭弁とは言えないか」
「仮にそうだとしても、女の詭弁はアクセサリ」
「ならば、男の詭弁は?」
「……さぁ。クソの入ったドブ川にも値しないだろうねぇ。あなたクラスの剣士でないならば、って条件が付くけどさ」
緊張したまま和める空気。ナフトはまさにそれを感じている。殺れる奴だな。心底そう感じられる。両者は目を合わせ。
「……」
頭が。
「…………」
体が。
「………………」
心が。
「……………………」
魂が。目の前の戦いに熱中していった。
(九九点っ)
彼女は点をつける。ごく微量足りないのは一体なんだろうか。
「……ふっ。楽しもうか」
「……お互いにね、魔法剣士さん」
次の一打に一層の集中が注がれる。
「死ぬ前に教えておこうか。私は、第四帝国侵略部隊が第一師団、ヴォルグ・ウントク・ラッセーだ。」
「私はナフト。……ナフト・アーベンフロート。でもさぁ。あんたの発言て、どっちが死ぬ前の話?」
ナフトはニヤリと笑いながら言った。
「『夜』は永遠には続かないぞ、ナフト・アーベンフロート」




