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「ふ……、カードゲームをするわけでもあるまい。しかも、第四帝国の人間である私が、手札を全てを出すという保証はないだろう? 加えてだ、私は君の脳内を捜索することができる。もちろん、魔法の力だがな。 この力は魔術的特異点を通じて、我が皇帝直属近衛兵より送られてくる」
「アハーン。紳士的に見えて策を練るタイプね。見た目だけ整ったプディングみたいなもんさ」
「どの点が偽だとでも? 君から手札を公開するのだろう?」
「ふふっ。技量に自信がないと見たね」
鎧の騎士は、散々に侮蔑された言葉を意にも介さない。そして、ナフト、口撃で追撃。
「こっちはフル・オープン可能だよ。これを見なよっ!」
大剣のトリガーをクイっと引く。するとたちまち。大剣は大きな鎌となる。回転をして見せて。威力を確かめさせるナフト。ついで、大鎌は槍となって。複数回振っては突き刺すモーションを。たっぷり魅せつける。最後に、槍は次の形状になる。
「これがレールガン。磁気の力でモノを撃ち出すバージョン。武器や物資を撃ち出せるの。カタパルトって思ってくれて良いわ? 主に、中距離戦闘から遠距離で使用する。そして――」
「おいおい、お前は正気か? お前が怯んだあいつに、俺は勝利しているんだぞ?」
「ええ、あなたも同様にフル・オープンするはず」
「なぜそう思う。私は公開などする予定はない」
「すぐに公開することになる。そして、公開しなかったことに後悔」
「ふん、からくりを言ってもらおうか?」
「ええ、簡単。さっきの二点の嘘から判明。あなたは『意識の調査』まではできない」
「なぜ、そう思い込む? やっているかもしれないぞ。無論、詳細は伏せるがな。敵前だ。」
「ふふっ、調査できるならば、の話よ? 今あのデカ穴に戻ってるはずだから……じゃ、答えにならない?」
ナフトが煽る。つまり、能力を全て知ったならば、鎧の騎士は逃げるしかない。そんな舐めたニュアンス。
「それはそれで良いとしよう。判明したことは他にはるかな?」
「魔術的特異点。特異点とは言い換えれば、そちらの世界から見たこちらの物理法則は想定しきれない空間ってこと」
「それを克服していたとしたら?」
「いいえ、あなたは魔力的には孤立しているはず、スタンドアローン。魔術的特異点があって、『操作』や『洗脳』をすれば。こっちの世界はとっくに滅んでる。あなたたちも、特異点の先は探り探りってこと。……あんたみたいに、仄めかすタイプの嘘つきは、嫌いじゃないけどね」
「賢しいな」




