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目線で文字を送るナフト。アイグラスでなるべく情報を漏らさないようにする。余裕があるようで無いのだろうか。
【了解。もしかして、タイマンするつもり?】
【しない、なんて言うとは思ってないでしょ?】
【ロレンツォ、今の動き見た? 私が聞くことはわかるでしょう? 時間制御の兆候はあった?】
【いいや、完全に無かった。または、ここまで影響があったかのどちらかだ】
【つまりは?】
【当座、考慮に入れなくて良い。いいか。ふざけて言ってないぞ。危険を感じたら、逃げろ】
【命令かしら?】
【命令でもあるが、個人的な願いの方が強い】
【言ってくれる、色眼鏡】
【言うなら、色男の間違いだろう?】
<こうやってこそこそと、何を話しているのだ?>
「――ッ!?」
会話の魔法。 ソードマスターが漏らした唯一の情報。私たちがネットワークを使うように、会話の魔法が発達していたなら? そんなざっくりとした思考。ナフトの一縷の不安を助長していく
<このように大規模進行を仕掛けるのだから、技術差はトータルで考えて、無いと判断するのが合理的では無いのか?>
「そっか、色眼鏡は必要無いってことか。楽でいいねぇ、第四帝国人相手は。差別の尊敬も無用ってことね?」
ナフトは大声で言った。腕を組みながら。
「でも、こそこそ覗き見するような出歯亀行為はどうなの?」
「あまりにも退屈になってな」
いつの間にか姿を露わにしていた鎧の剣士。これまた黒い長刀を背中に差しているようだ。
「あらそ、いつの間にか竜王さんがいなくなってるもんね」
「それに関しては失礼をしたようだ。第四帝国が極左勢力が勝手にやったのだ。繰り返し、非礼を詫びよう」
「ふーん」
「非礼ならそっちの国の中でどうにかすればいいんですっ!」
「敵の数を減らしたかったのと、人類の力を見たかったのだ」
「その敵ってさっきの竜のことね?」
「ああ、極左は常に変革を求め、帝位を勝手に名乗った。それは、冥帝陛下にとって大変に好ましくない。不敬罪に相当する。そっちではどうだ? こちらでは不敬罪は死刑だ」




