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ハサミのように、交差したグングニルを首に当てている、挟むように。このままモードを大剣に戻す。ガッチ、ズチョッ。ソードマスターの首は落ちた。
「血は赤いのね。哺乳類なのかな?」
その血は遺跡のコンクリートを伝い。そして、湖に相当する広さの池を汚した。
「未知のものに出会ったら距離を取らなきゃね。そうでしょ? 聞いている人?」
魔法。その存在を念頭に置いたナフト。虚空に向かって、そう呟いた。
スゥと息を吸う。
【おい、ロレンツォ!】
【言われないでも録音してある。それに、分析もすでに開始されている『『会話の魔法』や敵の生態などをな】
【安心したよ。能力使った意味がないんじゃないかと思った。ま、後でロレンツォにもかけるんだけどね】
【なるほど、もう一生君とは目が合わせられないな……】
冗談めかした他愛もない会話。感じられるは余裕。
【そのもしかして。もう能力を使われたかもしれない、の】
【本当か?】
【本当じゃないとしたら、能力を知らないってカブちゃんが言うはずないじゃない?】
【……相手は生体だったか? 機械だったか?】
【パッと見と中身だとハーフみたいね、完全な】
【完全に機械でないからミスや油断をする。ミスしないものは完全な機械だけ】
【それアイヒマンだっけか?】」
【数学者のイリア・チューリング】
「さ、モナと合流しよう」
【……ロレンツォ……委員長ッ!……】
向こうが慌ただしい。
【何かあったの?】
そう言うと、先のソードマスターの死体を池へと蹴飛ばそうとした。
「おっと、ヤッバ。ただのゲス野郎じゃなくて、大事なサンプルだった」
ナフトとモナは水の神殿をバックに。再集合。
【ロレンツォよりナフトへ、いやE-DENから……。いや、一人の人間としてもお願いしたい】
無線越しにも危険度が伝わる。あのロレンツォでも、第三帝国が最高峰の頭脳が悩む案件。
【どうしたの、改まっちゃって。あんたらしくないじゃない? 新委員長サ・マ?】
【ナフトちゃん、ゲキヤバな案件がついにキタんじゃないの? 違う?】
【当てて見せられるよ。モナはルーベック教授を覚えてる?】




