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『この剣』とソードマスターが言うも、オーラの塊が見えるだけ。いちいち具現化するタイプのようだ。

「もしかして、可変する剣とか刀とか?」

 ナフトは含みを持たせて。

「それは、一九人目と七四人目の剣だね。それもいいんだけど、今回は四番と五九番を使う」

「二刀流なの?」

「いや、八九刀流だろうね。先生から教わった通りに人間を効率良く殺すんだっ」

「……へぇ」

 飛んでくる四番と呼ばれた剣。

「それはね、お姉ちゃんをどこまでも追尾する剣」

 加速を続ける四番。

「それとね、五九番の方は、以前の使い手の性格を色濃く反映しているんだよ」

「どんな風に? ああ、名前ってあるの?」

 四番を大剣で薙ぎ払うナフト。剣は灰塵に帰す。

「ああ、それは『(なぎさ)』って剣。一番弱い剣だよ。ダーツの要領で、人を殺していたザザムクレンの犯罪者から(うば)った。投げナイフみたいなもの。そして、あいさつみたいなものだよ! ただ、何本でも出せるんだっ。あんまり意味はないんだけどね」

「……本気、出してみたら? 先生も殺しちゃおうかなぁ?」

「はははっ、安心して。こっちは一番強い剣だから」

(なるほど、緩急付けて引っ掛ける作戦のようだけど……)

「それって、自分で言ったら意味がないんじゃない?」

「だって、先生がこうやって使えって言ったんだもん」

「なら先生がアホだったんだろうね」

「先生は無能じゃないよ。五九番の『(えき)』は、文字どおり最強。ナフトは最強の文字に微塵の楽しさも覚えない。ほら、『渚』も飛んでくるよ。短剣だけど逃げなくちゃ。だって、それには猛毒が仕込んであるんだから。

 拳銃のようなスピードで。毒性を帯びて飛んでくる剣。確かに、銃弾よりは。スピードがある。しかし。

 相手の説明によって、そして一度粉砕したことによって、戦略性がなくなっている。こんな武器は、マシンガン程度の効力しかない。

「こんなガキっぽいのじゃなくてさ、もっとガツンと来れないの?若いんだから、ほら? がっつかなくっちゃ」

 大剣をタクトのように振るい、凄まじいスビードで叩き落とす。どんなに毒の効果が大きくても、当たらないなら全く無意味。つまりは。この短剣の連打は何か別の意味があるはず、それがナフトの思い。

「五九番を早く出しなよ。ポロンっと見せれば恥ずかしくもない」


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